いよいよ12月に入って今年もまとめの時期となりました。いろいろな観点があろうかと思いますが、私はひとつに「女性(政治家)受難の年」だったなあという気がしています。
あのヒラリー・クリントンが落選するとは思わなかった、あの朴槿恵大統領の支持率が一気にここまで凋落するとは思わなかった、「輝くドイツのお母さん」=アンゲラ・メルケルの求心力にも影が差す・・・年初、誰がこんなことを予想できたでしょう。
第一話 朴槿恵
隣国が大変なことになっています。
就任当初は親日派の朴正煕の娘ということで大いに期待した朴槿恵大統領、全くのアテはずれでしたが、ようやくこのところ日本側に歩み寄ってくれたかと思ったらこの始末です。
政治の世界はほんとうに一寸先は闇。
しかし守る大統領も攻める野党党首もともに女性、大統領の“親友”も女性、その親族も問題を起こしているのは姉や妹や姪といったこれも女性ばかり。たしかに男性も逮捕されていますが、みな誠実な“パシリ”みたいで、これだけの大物女性に挟まれるとほんとうに小さく見えます。
ところで、不謹慎ですが、朴大統領が男性で、まったく同じことをやったとしたらそれでも同じように糾弾されたでしょうか? 女性だからとさらに強く責められている部分はないのでしょうか?
韓国国民の純粋な怒りにゲスな疑問をさしはさむようで誠に申し訳ないのですが、私の心の隅にはそうした疑念が少しだけ、ほんの少しだけあります。
第二話 ヒラリー・クリントン
女性だから負けた。私は今もそう信じています。
ヒラリーが莫大な資金とエネルギーを注ぎ込んで証明したのは、
「あくどく金を稼ぎ、重要なことは秘密にし、その上に傲慢なことは、男の場合は問題とならないが女性だと致命傷である」
ということです。そのように私は思っています。
第三話 アンゲラ・メルケル
イギリスのEU離脱を押さえられなかった、流入移民も止められなかった、国内の不満を解消できずドイツの右傾化を阻止できそうにない。
来年秋の連邦議会選挙に首相候補として出馬し、4期目を目指すそうですが今のままだとその目はないような気がします。似てはいないのに、私はアンゲラとヒラリーがとても好きなのです。
第四話 村田蓮舫
民進党の代表となったとき、これで一気に党は息を吹き返すかもしれないと思いましたが、思わぬ二重国籍問題でスタート転倒。以後まったく意気が上がりません。本人はガンガン叫んでいますが誰も聞いていないという感じです。これで民進党は切り札がなくなってしまいました。
第五話 小池百合子
オリンピックの施設問題も豊洲問題も、噛みつくには筋が悪かったように思います。事態が第四コーナーを回ったあとでストップをかけようとしても止まりようがないのです。
オリンピック問題では三戦全敗。卸売り市場問題も最後は豊洲に収まらざるを得ないでしょう。
あれだけ費用をかけた豊洲をいまさら放棄はできないし、仮に放棄したとしてもほかに持って行く場所がありません。そのまま築地といっても築地市場は建物が崩壊直前、営業しながらの改築というのも不可能です。
このままだと第二の普天間みたいに、いつまでも危険な築地のままで、ということになりかねません。さりとて一年後、二年後の豊洲移転では、いたずらに時間を延ばされた移転派も、期待を裏切られた築地残留派も、ともに恨むに決まっています。
もちろん豊洲から深刻な汚染問題――それも大規模な追加工事が必要なほどの汚染――が出れば知事の勝利でしょう。しかし日本の建築屋さんたち、そのあたりは抜かりないような気がします。
「サルは騒ぐ」
今年、2016年はさる年。「サルは騒ぐ」と言われ落ち着きのない年になると言われているそうです。さらに今年は1956年に次ぐ戦後2回目の丙申(ひのえさる)で「革命」の年なのだそうです。それを前提とすれば、この程度の混乱は予定通りということなのかもしれません。
それに、
女性(政治家)受難の年、と言いましたが、ブレグジット、トランプ革命に比べたらずっとちっぽけな話とも言えます。