カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「2月29日」~必ずしも4年に1回ではない2月29日の秘密

2月29日です。 小学校では「地球は太陽の周りを365日かけて一周する」と教えますが、正確には約365.242199日で回っています。これを「平均回帰年」といいます。つまり平均的な地球の周回日数で、端数が0.242199日、およそ1/4日あるのです。 したがって4…

「いっぱい教えて、たくさん練習させた」〜義務教育の留年制について③

PISAの学力調査でフィンランドが世界一になったとき、さまざまな説明がフィンランド国内から発信されました。やれ教員が修士所有者だとか、よく本を読むからだとか・・・しかしその中で、もっとも愉快でその通りだと思ったのは「いっぱい教えて、たくさ…

「基本的制度改革で失ったもの」~義務教育の留年制について②

先週金曜日に申し上げたように、橋下市長は喧嘩上手で言ったことを100%その通りにしようとは必ずしも思っていません。しかし義務教育の留年制度は禁断の果実ですから、いったんたしょうとも手をつければ、あとには戻れないものです。これに口をつければ…

「一見悪くなさそうなものの落とし穴」~義務教育の留年制について①

橋下徹大阪市長が義務教育の留年制について検討するように指示を出したそうです。 橋下徹という人は喧嘩上手で、十通そうとするときに二十吹っかけて十引くというやり方をよくします。こちらとしては二十を半分にしてもらったわけですから何んとなくホッとし…

「ナマケモノ」~その驚くべき生態

適者生存という言葉はスペンサーが言い出してダーウィン科学的に説明したといわれています。しかし世界には「なんでこんなモンが生きながらえたのか」と首を傾げるような動物はいくらでもいます。 例えばパンダ。何しろあの巨体を維持するのにササしか食べな…

「市井教育論」~世の中は学校をこんなふうに見ているらしい

世の中の人たちはどこで学校教育の姿を学ぶのだろう? これは間違いなく新聞やテレビといったマスメディアを通じてです。 だいぶ前のことですが、以前の学校の保護者から、「日本の先生は、授業の時間は世界一少ないのに、雑用とかがたくさんあって本当に大…

「その情熱の源泉」~給食を食べさせることへの情熱②

子どもたちに好き嫌いがあろうがなかろうが、少食であろうがなかろうが、バランスの良い食事を一定量以上食べなくてはならない―私たちが給食を強制できるのは、一義的にはそれが学校教育の指導項目に含まれているからです(根拠は学校給食法および食育基本法…

「給食が食べられないという状況の実像」~給食を食べさせることへの情熱①

昔、小学校の1年生で、「固いものが食べられません、野菜が苦手です」という子を担任したことがあります。しかし実際クラスがスタートしてみると、とてもではありませんがその程度ではありませんでした。 “固いもの”の中には「肉」も「魚」含まれていて、苦…

「愛の自転車操業」~愛する者を傷つけてはあとから補修する日々

どうして人間はここまで残酷になれるのかと切なく不思議に思うことがあります。 例えばかつての教え子に、本当に自己効力感が低く自信のない女の子がいましたが、この子は実力より2段階も低い高校を選択してそれでも自信がなく、怯えながら受験に向かう玄関…

「人生のサイクル」~人間には、平均的な人生の流れというものもある

先日、昔お世話になった校長先生の葬儀に行ってきました。私が結婚した時の校長で、結婚に関わってだいぶ迷惑をかけたので、遠いところでの葬儀でしたが、行く必要があったのです。 この校長先生にはひとつの思い出があります。それは退職された年に、いわゆ…

「配合禁忌(はいごうきんき)」~トリカブト殺人事件と沢田研二夫妻

薬剤師の友人から聞いた話ですが、二種類の薬を服用したとき、その一方または両方がまったく効能を失ってしまうことがあるそうです。失うだけならいいのですが、二種類の薬が反応して有毒物を発生することもあります。こうしたケースを「配合禁忌(はいごう…

「聖バレンタインとモネ」~それぞれのウンチク

バレンタインデーです。 年表を見ると「聖バレンタイン殉教する」とありますが、それが誰なのか、どういう経緯で殉教したのか、知っている人はほとんどいないでしょう。私も知りません。 そこで調べると、 ローマ帝国皇帝クラウディウス2世は、愛する人を故…

「予言成就」~私は1989年の大変を予言したが、ここまでとは!

1689年、イングランド王ジェームズ2世が追放され、代わって当時のオランダ共和国より迎えられたウィリアム3世が即位しました。いわゆる名誉革命です。 翌1689年、新王は議会の王位に対する優位を認めた「権利の宣言」に署名し、同年成文化されて発…

「縁故ネット・コネネット」~昔のセーフティネットについて

老舗出版社の岩波書店が2013年度の定期採用で、応募資格として「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」とホームページで告知しました。このことが「縁故採用宣言」としてマスコミで報道され、話題となっています。 岩波くらい有名…

「分かんねぇだろうなぁ」~教員の働きぶりは、想像を絶しているらしいという話

転出してしまったのでその後どうなったのか知らないのですが、かつてA市が市内全学校の情報を一元化しようとした現場に立ち会ったことがあります。 どういうことかというと学校のサーバー・コンピュータをすべて廃棄し、市の情報センターのサーバーに一元化…

「教育が政治の手段であることについて」~おかげで柔道の授業は3年間、受け身だけになるかもしれない

一昨日のNHK「クローズアップ現代−“必修化”は大丈夫か 多発する柔道事故」について昨日、職員室で話題になりました。火をつけたのは白井先生です。「クローズアップ現代」の主な内容はこうでした。 柔道部の練習で死亡した中学生がいた。原因は“加速損傷”…

「発電用風車2000基はすぐに可能か。人口1億人抑制はできるのか」~科学の話がしたい①

“正義”のにおいの強すぎるものに出会うと反射的に身構える習性が着いています。 それは今日まで、学校が常に“正義”に晒され“正義”を背負い込んできたからです。「学校は児童生徒の学力を伸ばさなければならない」――もちろんそれは正しいこと(“正義”)です。…

「道徳教育のかたち」~偉人を学ぶ授業じゃない

日曜日の朝は「サンデー・モーニング」を見るのを常にしていたのですが、最近コメンテーターの言うことが同じ方向に揃ってしまい、すっかりつまらなくなってしまいました。江川紹子が張本勲を批判してクビになったあたりから変なのかもしれません。もうそろ…

「けれど学校はいいところだ」~何やかや言っても価値がある

南極のブリザードの中で“おしくらまんじゅう”のように身を寄せ合い、じっと立ちつくす数百頭のペンギン、という映像を見たことがあります。ただひたすら動かずに耐えているように見えますが、実は非常にゆっくりと位置を換え、一番寒い外側に同じペンギンが…

「気になる言葉・間違った言葉」~意外に私たちは日本語を知らない

最近テレビを見ていてひどく気になる言葉のひとつは「やんちゃ」です。「やんちゃ」は国語辞典にもあるように「子供が、わがまま(いたずら)なこと」で、私の感覚から言えばせいぜいが小学校の低学年どまりです。それ以上の年齢に「やんちゃ」な子はいませ…

「教師諸君、参観日に行こう」~自分の家庭をきちんと守るのは、教師にとっての保険だ

【我が家のクソガキの話】 息子が小学校1年生になった年の最初の参観日のこと、教室を見に行くと実に美しい座り姿で授業に集中しているので、つくづく感心させられました。手もしっかりと上げて発言します。 授業を半分ほど見て今度は上の子の教室を参観し…