カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2010-01-01から1年間の記事一覧

「虐待のこと」~まったく理解できない事実を、どう分かったらいいのだろう。

昨日のニュースに兵庫県尼崎市の小学4年生が9時間に渡って両親から殴られ、意識不明の重態だという記事がありました。 その前には横浜市港北区の1歳2ヶ月の女児が木箱に詰められて窒息死しています。木箱に入れられたのです。 さらに少し以前には同じ横…

「ご苦労様でした」~一学期終業式

1学期ご苦労様でした。 日数から言えば2学期が一番長いですが、心理的には1学期の方がずっと長く感じられます。何しろ怒涛の4月が終わってゴールデンウィークを使い果たすと、あとは海の日までまったく間断なく授業と行事が続くからです。それに比べたら…

『仕事に役立つ文具術』⑤〜消す

【消しゴム】 TOMBO社の「MONO」を愛用しています。 よく噛んだチューイング・ガムを手の中で丸め、机の上でゴロゴロと転がすと机の上の汚れがガムの中に含まれていき、机上がきれいになります(見た目は、ただし不衛生)。消しゴムというのはつま…

『仕事に役立つ文具術』④〜筆入れ

先生方は筆入れの中に何を入れているのでしょうか? 私はけっこうあれこれ入れ替えているうちに、だいたい決まった形に落ち着いています。 これがベスト・チョイスだというわけではありませんが、何かの参考になるかもしれないので紹介します。 まず筆入れ本…

「4・2・3制の勧め」~現在の学校教育の成り立ちと未来②

「子どもは12歳を越えないと抽象的な思考ができない」それがアメリカの6・3・3制の根拠です。ところが1970年代に行われたアメリカ・イスラエル・日本の共同研究によって、日本の子どもだけが10歳を越えるころから十分に抽象的思考ができることが…

「なぜ義務教育は9年で6と3に分けるのだろう」~現在の学校教育の成り立ちと未来①

なぜ義務教育は9年で、小学校6年と中学校3年に分けるのだろう(9年を二分するなら4−5とか5−4とかあったろう)。このことについてかなり熱心に調べたことがあります。その結果は、正確に言えば「よく分からない」、ですが、いくつかヒントはありました…

「地上の神」~人類が背負うべき一部を、わが身に背負ってくれた人たち

先週金曜日にK病院の、外来や一般病棟ではない特別な場所の見学に行ってきました。重度身体障害病棟と呼ばれる棟です。 二棟ある病棟はほとんど同じつくりで、一般病棟との決定的な違いは大部分がオープンスペースになっていて、部屋と部屋との仕切りは透明…

「教師が言葉で子どもを殺してはいけない」~通知票の書き方

「遅刻の常習犯です。とにかくいろいろな物をなくします。だらしなさは完璧です。私にはどうしたらいいか分かりません」「間違いなく失敗に向かっている。クラスの道化で、他の生徒の時間を浪費させている。絶望的」 通知票にこんなことを書かれた子はどんな…

『仕事に役立つ文具術』③〜フラット・ファイル

整理と整頓は違う、という言い方があります。整理というのは分類やファイリングをして物事を検索したり取り出しやすくすることで、整頓というのは見た目を美しく、きちんとそろえることだというのです。書類を大きさごとにまとめると見たところはきれいです…

「フランス革命記念日」~と、それを取り巻く物語、1989年

今日、7月14日はフランス革命記念日です(1789年)。かつてはパリ祭などといいましたがこれは日本だけで通じる話、本場フランスの人はそんな言い方はしません(これについては、7月1日に書きました)。 昔、『ベルサイユのばら』が子どもの話題にも…

「かわいそうなアメリカ人」~英語が難しいのはアメリカ人も同じ(?)

英語の「S」を「エス」と発音するのは「S」が単独で表記されるときだけです。「sports」の最初の「s」も最後の「s」も「エス」とは読みません。同じ「a」なのに「apple」の「a」と「April」の「a」はまったく違った発音です。私はこれで英語ができなくな…

『仕事に役立つ文具術(「仕事に役立つ文房具」改め)』②〜ファイリング

どんな場合にもファイリングというのは常に厄介です。たとえば写真を分類しようとすると、まず「学校」というフォルダと「家族写真」というフォルダをつくり、それから「家族写真」の中に、「私」「妻」「娘」「息子」といったフォルダを作ります。ところが…

「避難所を自主運営する方法を誰が教えたのか」~特別活動の話

ワールドカップ日本代表、各ポジションの選手たちがチームのために献身的に役割を果たした姿は世界に高く評価されました。この「献身的に役割を果たす」ということに関して、私にはある思いがあります。それは阪神大震災のときのことです。 阪神大震災があれ…

「あいさつの効能」~“言葉自体は無意味”である意味

あいさつというものは、それ自体を取り出せばまったく無意味なものばかりです「おはようございます(早い時刻ですね)」「さようなら(そういうことでしたら)」「ただいま(現在)」 昼や夜のあいさつとなると、「今日は」「今晩は」と主語を投げ出して何も…

「七夕」~伝説の成り立ち

今夜は七夕(たなばた)です。先日もちょっとお話したように、これはいくつかの行事が混ざって現在の形になったものです。そのそれぞれについて簡単にまとめました。 (1)五節句 中国に発生した陰陽五行説は万物の成り立ちや事象を説明しようというものです…

「いじめの被害者と加害者を、100対0で指導してはいけない」~人権週間に寄せて

2006年に「学校の悪魔」といういじめに関する書籍が出版され、ベストセラーになったことがあります。その年の10月に、岐阜県の瑞浪市で起きた中学校女子バスケット部のいじめ―自殺事件を機に、緊急出版されたものです。 いじめはもはや因果の鎖から解き…

「しかしなあ・・・」~何が何でも、公務員は悪者でなくてはならない(らしい)

少し前の話になりますが、産経新聞に 国と地方の大半の公務員に30日、夏のボーナス(期末・勤勉手当)が支給さ れた。管理職を除く一般行政職の国家公務員(平均35・5歳)の平均支給額は昨夏より約4千円(0・7%)増の約57万7500円で2年ぶり…

「中学生と酒を飲む」~目の前で悪事が始まったらどうするのか

見出しはセンセーショナルな方がいいと思って書きましたが、私の話ではありません。同僚の若い女性教諭の話です。 生徒と飲んだというのも正確ではなく、「生徒が飲んでいる場所に同席していた」くらいが正確なところです。22年も前のことですからもう時効…

「7月になりました」~今月のウンチク

昨日の日本チームは残念でした。ベスト8を狙う千載一遇のチャンスだったようにも思いましたが(とりあえず相手がブラジルやスペインやポルトガルじゃない!)、相手が一枚上だったようです。 火曜日の夜は(昨日のことがあったので)自重してテレビをつけず…

「愛情貯金の話」~いざというときに大放出できるように、大量に積んでおけ!

4月のことです。夜、歯磨きに洗面所へ行くと、長風呂から出たばかりの息子がドライヤーを使っていました。その髪が妙に赤く見えたのでアレ、と思ってよく見たらやっぱり真っ赤です。 「テメェ、いつ染めたんだ」と言うとトボケて「今」。 その瞬間、私の口…

「現代の愛」~その人のために最も大切なもの(時間)を差し出すこと

教育の問題を「愛」を絡めて話すと難しくなる場合があります。たとえば「愛情不足」といった言葉です。保護者の方は「愛情不足だったかもしれませんね」といったりするかもしれませんが、安易に乗ってはいけません。愛情不足といわれても何をしたらいいのか…

「村の近代化」~それが子どもたちを幸せにするかという素朴な疑問

ここ数年、私の読書のテーマは「日本人はどのように教育されてきたか」というものです。そうは言っても教育史をずっと遡るといったものではなく、幕末期から明治、昭和前期くらいまでの庶民が受けてきた教育を、民俗学的な見地から記録したものを中心にたく…

「ご苦労様 とりあえずバスケ部」~選手と顧問と保護者、三位一体の偉業

バスケ部の大会が終了しました。 目標の県大会出場にはあと一歩、ほんとうにほんの指先ほど届かず、敗退しました。しかし最後まで、その戦いぶりは立派でした。 市内大会のときはどこかちぐはぐで、あれよあれよという間に点を取られる場面がありましたが、…

「マグネット・タック・ピース」~仕事に役立つ文房具①

最近はそうでもないのですが、若いころは相当な文房具・事務機マニアで、けっこうな散財をしたものです。 最初の赴任校は60人近い教職員のいる大校でしたが、コンピュータを持っていたのは私一人でした。ワープロ専用機の導入も最も早かったのですが、早す…

「評価の振り子」~保護者が天使とモンスターの間で揺れ動く

2006年のトリノ・オリンピックのフィギュア・スケートの安藤美姫が「ミキティ」と呼ばれているのは知っていましたが、荒川静香の名前で出かけていったアスリートが金メダルを取って帰ると「しーちゃん」になっていたのは呆れました。 今まっ最中のワール…

「美しい日本人たち」~チケットはないが、エチケットならある

さて、いよいよ明後日の朝です。明日は早く寝て、3時半には目を覚ましましょう。 とは言い条、しかし私はそれほど熱心なサッカー・ファンでもありません。ぼんぼん点の入るバスケットボールやバレーボールと異なり、90分走り続けて1点か2点というストレ…

「時代は変わる」~不登校の歴史も長くなった、という話

「Always 3丁目の夕日」を映画館で見ている最中のことです。舞台は昭和33年ですが、ようやくテレビを買うまでに豊かになった自動車修理屋の主人が、感極まって言う、「戦争が終わって13年」という台詞に椅子から転げ落ちるほどのショックを受けました。…

「夏至」~あまり知られていない夏至のウンチクを語りましょう

本日は夏至です。 二十四節気(春分・夏至・秋分・冬至・立春・立夏・立秋・立冬・小暑・大暑・処暑・小寒・大寒・雨水・白露・寒露・霜降・小雪・大雪・ 啓蟄・清明・小満・ 穀雨・芒種 )のひとつで、1年の中で最も昼間の長い日です。 その日が6月にある…

「文化の香りのある学校」~私はこの学校をそんなふうにしたい

もはや地域で最も文化的な場所が学校ということはなくなりましたが、かつてはそうでした。 学校は一種の文化センターで、学校に行けばオルガンがある、ピアノがある、懐中時計を懐に入れた校長先生がいると、文化の香りが色濃く広がっていたはずです。「二十…

「子どもを信じる」~三つの『たい』―『誉められたい』『認められたい』『役に立ちたい』

先日、ここにこんなことを書きました。 子どもが刑事事件を起こして警察に呼ばれ、「親としてしっかり見ていたのですか?」と問われ、「子どもを信じていました」と言ったら笑いものでしょう。しかし多くの(教育の)専門家は「子どもを信じろ」と言います。…