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『仕事に役立つ文具術(「仕事に役立つ文房具」改め)』②〜ファイリング

 どんな場合にもファイリングというのは常に厄介です。たとえば写真を分類しようとすると、まず「学校」というフォルダと「家族写真」というフォルダをつくり、それから「家族写真」の中に、「私」「妻」「娘」「息子」といったフォルダを作ります。ところが分類しようとした最初の1枚が4人の集合写真だったりするともうアウトです。分類をまたいで二重に属するようなファイルを「コウモリ・ファイル」と呼んだりしますが、家族の集合写真は4重のコウモリ・ファイルです。

 こういう場合、コピーをとって4枚にし、それぞれのフォルダに入れるか、「家族集合」といった別フォルダに入れるかの二つに一つということになります。しかしコピーは(写真のような電子データの場合は簡単ですが)、紙ベースだったりすると取るのもたいへんなら保管もたいへんで、どんどん分量が増えていってしまいます。一方、新しいフォルダをつくる方も、このペースで作っていくとフォルダだらけになってしまいます。そしてその場合厄介なのは検索です。

 自分がどんな名前のフォルダを作成し、それがどこのフォルダの第何階層に入っているかを覚えておくのは容易ではありません。それに担当者が代わった場合、フォルダ構成を伝達するのは至難の業です。図書の分類表のように共通の分類形式があればよいのですが、個人の仕事はそうはなっていません。

 ところが現実の生活の中には、万人が使用できる共通の分類基盤があったのです。
 それが日付です。

 家族写真に戻ると、分類の仕方にはそれぞれの癖があるにしても、「それがいつごろあったか」ということについては個性はありません。たとえばディズニーランドに行ったときの写真は、[家族]→[旅行]→[ディズニーランド]→[平成22年]などといった階層のフォルダに入れるのではなく、[2010年]→[2010.04.16 ディズニーランド]といったフォルダの中に入れておけばいいのです。家族がそのときの写真を取り出そうと思ったら、「ああ、あれは2010年のことだったよな」と思い出すだけですぐにたどり着けます。

 同様に書類文書についても、私はすべてを月別のフォルダに入れることを中心に、仕事をしています。たとえば運動会や文化祭は、[学校行事]といフォルダに入れるより、[09月][10月]といったフォルダに入れておいた方が取り出しやすくなります。同じ「運動会」でも、書類が運動会全体に関わるもの(学校行事)である場合と学年種目(学年行事)である場合と二つ以上ありますから、すぐにコウモリだらけになってしまいますが、[09月]なら絶対です。

 毎月、あるいは不定期に繰り返し使うファイルは基本的に別フォルダに作らざるをえません。しかしその場合にも、ショートカットを引っ張ってきて月別フォルダに入れておきます。そうすれば修正もその都度できます。

 さて、フォルダ名ですが、私は「2010.07.02 運動会」のように最初にそのフォルダを作成した期日を入れておきます。「2010」は単に「10」でも良いのですが、この分類法を始めたときはまだ20世紀で、来るべき21世紀のことを考えて4ケタにしておきました。また「10」だと、ものによっては「西暦2010年」なのか「平成10年」なのか迷う場合もあるかもしれないので「2010」の方が良いように思います。

 「07.02」と1ケタの月や日に「0」をつけるのは並べ替えの便利を考えてのことです。「0」をつけないと並べ替えのとき、「1月」「10月」「11月」「12月」「2月」「3月」「4月」・・・と、最初の文字が「1」であるファイルが優先的に前になってしまいます。