カイト・カフェ

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「文化の香りのある学校」~私はこの学校をそんなふうにしたい

 もはや地域で最も文化的な場所が学校ということはなくなりましたが、かつてはそうでした。

 学校は一種の文化センターで、学校に行けばオルガンがある、ピアノがある、懐中時計を懐に入れた校長先生がいると、文化の香りが色濃く広がっていたはずです。「二十四の瞳」の中で“小石”先生がスカート姿で颯爽と自転車をこぐ姿は、まさに文化そのものだったのです。

 文化の中心ですので一流の画家や書家も惜しみなく作品を寄贈しました。村で購入した書画の置き場所として学校が選ばれることも少なくありません。したがって歴史ある学校には必ずといっていいほど一流の作品があり、私もいくつかの学校で1点750万円の油絵やら40万円の書といったものをたくさん見てきました(「児童生徒はいいから、まずこの絵を救え」とからかわれたこともあります)。

 しかし不思議なことに、ない学校にはないといった傾向もあります。本校はその「ない学校」のひとつです。明治以来ずっと貧しい村だったのでしょうね。

 学校が宝物としている書画は、すべて比較的歴史の浅いものばかりです。しかしそれはそれで、貧しいなりに学校を守ってきた村の様子が分かりますのでいっこうにかまいません。それとは別に、私たちが文化の香りを香らせればいいだけですから。
 私はこの学校を、文化の香りのする学校にしたいのです。

 複製でもいから名画の飾られている学校、
 良い曲の流れる学校、
 さりげなく詩歌が飾られていたり、
 科学や工芸の知識が自然に入ってくる学校、そんなものを思い描いています。

 イメージで言えば、ホグワーツ魔法学校です。