フランス革命記念日

 今日、7月14日はフランス革命記念日です(1789年)。かつてはパリ祭などといいましたがこれは日本だけで通じる話、本場フランスの人はそんな言い方はしません(これについては、7月1日に書きました)。

 昔、『ベルサイユのばら』が子どもの話題にもなったころはフランス革命史ファンみたいな子がたくさんいましたから、この時代の歴史も教えやすかったのですが、今は中学生に「マリー・アントワネット」と言っても「?」みたいな時代ですから相当にやりにくくなっています。うっかりするとナポレオンさえも知りません。

 ところでかつて、「陛下」「閣下」「殿下」と、偉い人を呼ぶのにいちいち「下」という字が付くのが不思議で調べたことがあります。インターネット全盛の今なら楽なのですが、昔は相当に厄介な仕事でした。その結果わかったのは次のようなことです。

「陛下」の「陛」は階段のこと、つまり直接訳すと「階段の下」ということになります。同様に「閣下」は「閣の下」、「殿下」は「殿の下」ということになります。「閣」は「金閣」「銀閣」というように立派な建物のことを言い、「殿」も「大極殿」「大仏殿」のようにさらに立派な建物のことを言います。

 これはつまり皇帝や貴族に話しかける場合、直接声をかけるのが恐れおおいために、階段や建物の下にいる「お付の人」に向かって語りかける、という形式をとっているからなのです。

 そう言えば英語でも、「陛下」はYour Majesty、「閣下」はYour Excellency 、「殿下」はYour Imperial Highnessとすべて「あなたの〜」といった形をとります。お付きの人に語りかけているのです。

 面白いですね。

 フランス革命は1789年だと書きました。「7・8・9」が続くので覚えやすいのですが、その100年前に何があったのかというと、これが「権利の章典」の出された年なのです(1688年−名誉革命、1689年「権利の章典」)。では逆に100年後の1889年には何があったかというと明治憲法大日本帝国憲法)が発布された年ということになります。

 洋の東西で100年ごとに民主主義に関わる大事件が起きているのです。

 私は教師になってからこのことに気づき、授業をするたびに三つの事象を同時に暗記させながら、「だからね、1989年には民主主義に関わる大事件が起こるから、楽しみにしてようね」などと、半ば冗談に(内心は多少信じながら)言ってきました。

 ところが実際に1989年になると昭和天皇崩御され、「平成になったことが民主主義と関わりがあるのか?」と首を傾げていたら(あとから考えると自衛隊の海外派遣や憲法改正論議といったものは昭和の間はありませんでしたから、その意味では民主主義とのかかわりもあったのかもしれません)、11月にとんでもないことが起きます。

 ベルリンの壁の崩壊です。

 そしてあれよあれよという間に東欧の社会主義国がどんどん潰れていってしまい(東欧革命)、マルタ会談が行われて冷戦終結が宣言されると、以後、本家のソ連も崩壊の一途をたどります(1991年まで)。

 こんなに簡単なことなのかと呆れるほどの速さでした。

 この年、

 手塚治虫が死に

 松下幸之助も死に、

 美空ひばりが死に、

 カラヤンも死に、

 オフコースが解散し、

 ゲームボーイが売り出され、

 天安門事件があり、

 ビルマの軍事政権が国名を「ミャンマー」に変え・・・

 現代的な少年犯罪の最初のひとつである「女子高生コンクリート詰め殺人事件」が発覚したのも、

 宮崎勉が逮捕されて「オタク文化」が世に出たのも、

 あとから分かったことですがオウム真理教による坂本堤弁護士一家殺害事件も

 この年でした。

 そしてこの年の最後12月29日、東証大納会日経平均株価が史上最高値の38,915円87銭を記録。これを頂点として株価は下落へ転じ、バブルは崩壊します。

 1989年は私が予想したよりもはるかにたいへんな年だったのです。