カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「恐い親、厳しい親」~恐い親はけっこういるが、厳しい親はめったにいない

 教員としての先輩からいただいたアドバイスの中で、もっとも役立った言葉の一つは、
「あのウチの父親は、恐いけれど厳しくありませんから・・・」というものでした。
 そしてそういう目で世の中の父親を見ていると、恐い父親はそこそこにいますが、厳しい父親はほとんどいないことが分かってきます。
「ウチのお父さんはとても厳しくて・・・」とお母さんが言うような父親は、たいてい暴力的な「恐い父親」であって、厳しかった例などほとんどないのです。

 例えば「明日から毎日3時間ずつ勉強しろ」と叫んだあと、厳しい父親なら翌日から必ず3時間の勉強につきあいます。つきあわないまでも、3時間やったかどうか必ずチェックし、できていなければやらせます。それが「厳しい父親」のやりかたです。チェックして飽きることがありません。きっと、自分に対してはさらに厳しいのでしょう。

 ところが「恐い父親」はそんなことはしません。結局一カ月ほど子どもをほったらかしにして、ある日やっていないことに気づき「あれほど『やれ』と言ったじゃないか!」と怒鳴るのが関の山です。
 息子からすれば30日間我慢して勉強するより、1~2時間怒られてる方が絶対楽です。だから、何度やってもうまくいきません。
 怒鳴ってもダメだから暴力に頼りますが、暴力だって一ヶ月に一回くらいですからこれも効きません。効かないとなるとさらに強い暴力が加えられ、結局はエスカレートさせるしかなくなります。
 そんなふうに怒鳴りまくって暴力をふるう「恐い親」はけっこういるのですが、毎日チェックし続ける「厳しい親」はめったにいないのです。

 本校にもけっこう厳しい先生がたくさんおられますが、その方たちはたいていいつもニコニコしておられます。その意味では「怖い先生」でもあります。