カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「躾って、できるんだ!」~ウチのウサギの話

 以前にもお話ししましたが、ウサギを3羽も飼っています。
 1羽は娘が学生時代に購入して引っ越しの際に手放さなければならなくなったもの。ネザーランド・ドワーフの純血種(オス:現在4歳)のカフェです。あとの2羽は1年後に妻がもらってきたミニウサギ系雑種(オスとメス:現在3歳)のミルクとココア、通称ミー介とコッちゃんです。母娘二人が手に入れて私が育てています。

 ウサギというのは、吠えない鳴かない(一日中体を舐めて掃除しているので)臭くないと良いとこだらけなのですが、とにかく頭が悪くてなつかない、主人の意思に沿わないと、その意味ではさっぱり面白くない生き物です。躾も思うに任せず、年かさのカフェは年中ウンチを垂れこぼし(妙な言い方ですが表現としては的確です)、双子の兄妹はしばしば凶暴でスノコを噛み壊すので三カ月に一回は交換せざるを得ず、トイレもしょっちゅうひっくり返して暴れます。
 特に妹のコッちゃんは常に荒れ気味で、トイレをひっくり返して金網を投げ飛ばし、シートを噛み千切って大ミエを切ったりします。そのときの目つきはほんとうに凶悪です(写真)。

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 いくら叱っても改まらないので諦めていたのですが、つい二週間ほど前、不意に思いついてもういちど躾なおしをしてみる気になりました。
 要領は簡単です。玄関に置いたケージでガタガタという音が聞こえた瞬間にできるだけ荒々しい音を立てて走って行き、トイレを直すとともに(叩いてはかわいそうなので)頭をぐっと押さえてしばらくお説教をするのです。

 こういうときオットリ型のミー介はほとんど反応しないのですが、凶暴なコッちゃんは極めて挑戦的で身体を低くしてウーウー唸っていたりします。頭を押さえても抵抗せず「そんなの効かないワヨ!」とばかりに耐えているのです。しかし必要な矯正ですのでとにもかくにも2週間、遊び半分ながら私もムキになって「ガタガタガタ」「ドタドタドタ」「ギュッ」「〇×△*‘%$+#|¥」を繰り返しました。
 そして最近・・・。驚いたことに2羽ともほとんどトイレを動かさなくなったのです。
 もう諦めていたのですが、ウサギの躾、やろうと思えばできるのだと、改めて感心しました。

 ところで、しかし私は同時にひとつミスを犯していたのです。
 それはミー介の指導の際、2~3回、トイレを直して頭をギュッと押さえた瞬間にエサ鉢が空なのに気づいて、ペレットの補充をしていたのです。それが祟ります。
 コッちゃんに比べてミー介の方がずっと早く「トイレはひっくり返してはいけない」と学んだはずなのに、なぜか週に1~2回、トイレに当たっては位置をずらしたりするのです。
 ふしぎに思ったのですが、そんなとき、見に行くと必ずエサ鉢が空になっています。つまりミー介はトイレを移動させないこととともに、別のことも学んでいたのです。
 トイレを移動したりひっくり返したりすると(首を押さえられるという)嫌な思いもするけど確実にエサが補充される――。

 人間の子どもを指導する場面でも、ここぞとばかりにあれもこれも、大昔のことまで引き合いにして一気に言う人もいますが、それは不可です。
 指導は「一指導一項目」が原則です。
 別のことが学習されないよう、注意しなければなりません。