カイト・カフェ

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「PTAを如何にせん」②

 先週の土曜日、近隣の小学校の運動会を覗きに行ってきました。
 かつて運動会は秋が定番でしたが日程上どうしても9月中旬〜下旬に行うしかなく、ところがこれが秋の長雨に重なって天候不安に悩むことが少なくなかったです。運動会を春に、というアイデアは昔からあったのですが、「良いものは時間かけて」といった先生たちからの希望で、なかなか実現しませんでした。昔は組体操で5段のピラミッドに挑戦するとかやたら難しいことをしたのでものすごく時間がかかったのです。
 ただし昨今の学力向上、学校行事縮小の方向とともに、子供にケガをさせたくない危ないことはさせられないといった風潮も相まって、運動会はかつてほど大変なものではなくなってきています。春への移動が可能になった背景にはそういうものがありました。
 けれど実際に6月上旬に移してみると雨の心配はなく、暑さも9月ほどではないのですこぶる好評です。ひとつの学校で実証して見せるとあっという間に広がるのも学校の常でした。

 さて、ところで運動会につきものの万国旗、あれは誰が張っているかご存知ですか? 実はPTAの役員がやっています。そういう例がほとんどなのです。運動会のような大規模な行事は学校職員だけではムリです。また運動会はかつて村の一大イベントでしたから伝統的に地域の人々が協力するようにできているのです。
 万国旗から入場門の装飾、テントの準備、保護者席の設置、駐車場の確保、当日の交通整理、そうしたものがPTAの仕事です。PTAが動いてくれないとそれらの大部分がなくなってしまいます。もちろん運動会をさらに縮小する方向でいいなら苦になりませんが。

 特に見えやすい運動会は別にして、PTAの活動は地味で見えにくいのも特徴です。
 例えば交通の激しい街場での巡視当番。これなど学校職員だけでやってもあまり意味ありません。不審者が出たときの緊急見回りもそうですが、職員だけでは監視がスカスカで子どもも不審者もかいくぐってしまうのです。
 資源回収には環境教育の一貫という側面があります。この活動を通してリサイクルの重要性や分別の方法、資源を資金にしていくやり方などを学ぶわけですが、主目的はやはり資金集め。そうしてつくられたお金は、部活の運営資金や図書費に変わって行きます。
 地方によっては積雪時の通学路の確保がPTAの重要な仕事となってきます。広い校区を先生だけで雪かきしろとはだれも言わないでしょう。
 他にも、地域の行事の運営、子ども同士の親睦会、入学式や卒業式の祝辞や謝辞、PTAのすべき仕事はいくらでもあります。
 以上、だからPTAは必要だという話ですが、しかし結局は金を出せばほとんどは解決するじゃないかという言い方もできます。
(PTAの廃止論者は後者の立場を取ります。けれど多くの場合、「親の仕事じゃない、行政が金を出すべきだ」と言ったまま行政に金を出させる努力もせず、自分だけで身を引いてしまうので困りものです)
 しかし金だけでは済まない問題があります。PTAにはもっと大きな役割があるのです。

(この稿、続く)