やはり思う。「もっと勉強してくればよかった」
戦略が必要だ。終わってみれば教訓だらけ。
いい歳をしたおとなが4人もいても、
誰もギリギリまで、自分の行く場所を知らなかった、
という話(ミニ・アドバイス付き)。
(写真:SuperT)
【万博は西から攻める】
手順前後になりましたが、私が大阪・関西万博に行ったのは9月の5日(金)のことです。10時の入場に間に合うように午前9時ごろ電車に乗りましたが、それは台風15号が和歌山県北部に再上陸した時刻でした。
その朝は目覚めると土砂降り、朝食を食べている間じゅう雨は降り続け、仕方ない、この雨の中を出発しようと一歩外に出たら、雨はピタリとやんでしまいました。私の家族には孫1号のハーヴと孫2号のイーツ、ふたりの晴れ男がいるのですが、これまで雨で苦労したことがありません。
入場は西ゲートからにしました。シーナの調査によると西ゲートは大きな駐車場に近く、バスで来た団体客や自家用車で大阪入りした人たちの使うゲートで、大阪メトロ中央線が直接乗り入れる東ゲートに比べて、かなり空いているというのです。
私たちのように車で大阪入りしていない人たちはどうやって西ゲートに行くのかというと、中央線の終着駅“夢洲(ゆめしま)”のひとつ手前にある”コスモスクエア駅”で降り、そこからタクシーで西ゲートに向かうのです。そのまま“夢洲”まで行けばかからないタクシー代を払った”ご褒美”が「空いている西ゲート」で、前日、別の理由でタクシーを利用したシーナたちは運転手から絶賛(ちょっと大げさ)されたそうです。
「絶対それがいい!」
同じタクシー仲間が潤う話ですから少々眉唾ですが、おそらく間違いはないでしょう。コスモスクエア駅から乗ったタクシーは東ゲートを回り込むようにして西ゲートに向かうのですが、車窓から見た東ゲートはすでにとんでもない人だかりでした。
*入場口は西ゲートがベター。中央線コスモスクエア駅で降りてタクシーで西ゲートに向かう。
【シーナたちは予約のある最初のパビリオンへ】
西ゲートの前で群衆とともに30分ほど待機。すでに台風は三重県付近まで進んでいるはずですが、空はどんよりと曇り、台風一過の清々しさはありません。そのうち一瞬の雨がサーっとかすめて傘の花が一斉に咲きます。なんともすっきりしない天気です。
午前10時になると群衆は一斉に動き始めますが、持ち物の検査やら飲み物チェックやらで簡単に中に入れるわけではありません。結局、門をくぐるだけで20分ほどかかりました。それでも自作IDカードのおかげで、不安なく入場できました。
シーナの家族は事前抽選で1パビリオンを当てただけでしたが、私の息子(シーナの弟)のアキュラが「いのちをめぐる冒険」というパビリオンの予約を3枚回してくれたため、一足先にそちらに向かいます。11時の予約で3人分しかないので、パビリオンにはシーナと二人の子どもが入場し、エージュは周辺の下調べ、私たち夫婦は孫3号、生後3か月のドリのおむつ替えなどで時間を使います。
周辺探査をしたエージュの報告をのちに聞くと、11時の回の入場者が入ってくる直前の10時半は多くのパビリオンがガラガラ状態。短時間にかなりの場所が見られたとのことです。私たちは10時の回でしたから、9時の人たちはさらに余裕があったのかもしれません。
「いのちをめぐる冒険」の予約は時間が選べたので12時過ぎにすればよかったとシーナも言います。そうすれば1時間半のあいだに、けっこうな数のパビリオンに入れたかもしれません。
*回せる予約は午後へ。午前中はすいているパビリオンもかなりあるらしい。
【その午前中をムダに使う】
私と妻は入場するとすぐに孫3号のドリのベビーカーを引いて、西ゲート横のアクティビティセンターへ。そこでおむつを替え、ゆっくりと大屋根リングの中へ。
そのあたりで気づいたのですが、どうやら妻はパビリオンなどにはサラサラ興味がなく、その日は一日、ドリの世話をして過ごすつもりだったようなのです。したがって涼しいところにしか興味がない。
噴水とミストのある「いのちパーク」でしばらく水を浴び、「涼しいところへ行こうと」言って「静けさの森」へ。しかし森と言っても木の丈が低くてあまり涼しくないので、少し戻って目に留まった「ダイアローグ・シアター いのちのあかし」へ。奈良と京都の廃校舎を移築して造った建物だというのですが、何をするところかわからないまま中を眺めて通過。ここにきてようやく「冷房の効いたところを探して」というので、なんとか「夜の地球」を探して、しばらく涼むことにしました。
やがてシーナから呼び出しがかかって「いのちのあそび場 クラゲ館」で落合い、入れるパビリオンを探して歩き始めたのですが、すでに11時の回の入場者も入っているので婿のエージュが下調べをしてガラガラだったパビリオンにも列ができている有様。そろそろドリのミルクの時間も近づいたので、私たちは再び西ゲート横のアクティビティ・センターへ。
リングの内側にもベビーケアルームはいくつかあって、その場所を教えてくれるサイトも確認してあったはずなのにどうしても見つからない。そこで仕方なくかなり距離のある西ゲートまで戻って最初に使ったケアルームに入りました。結果的にそれが幸運につながるのですが、赤ん坊を連れて行くのですから、その程度のことは確認しておくべきでした。
ちなみに給水所やトイレ、ベビーケアルームの位置を示し、ルートまで紹介してくれるのはネット上のサイトではなく、ダウンロードしたアプリEXPO2025 Personal Agent でした。www.expo2025.or.jp
すべてが自分の手の中にあったのに、思い出せずに時間とエネルギーをムダにしました。
*使えるアプリ、サイトには熟達しておく。
【場所が分からず慌てる】
入場した直後から、私には気になることがひとつありました。
家族全員分が当たった唯一の予約である「未来の都市 参加型シアター付き」(13:00~13:20)の場所が分からないのです。それでも午前中はあれこれ考えることも多くてゆっくり調べることもせず、12時20分ごろ、西ゲート近くのベビーケアルームに着いたのでドリにミルクを上げながら、自作の「万博うちわ」と睨めっこし、ネットであれこれ調べ始めたのです。ところがどうにもわからない。

やがて20分もかかってわかったのは、どうやら西ゲートから見ると大屋根リングとは正反対の方向、ゲート裏の最深部にある建物がそれらしいということのです。万博会場の超僻地。私たちのいたベビーケアルームからでも、優に700~800mはありそうな場所です(後で調べたら550mでした)。自作の「万博うちわ」で言えば、入り切らずに私が切り落として捨てた部分。
慌ててシーナに連絡すると、
「たいへん! でも1時20分までに入ればいいんでしょ?」
私は勘違いしていたのですが、13:00~13:20は見学時間ではなく入場時間だったのです。シーナたちが大屋根リング内にいるとしても、まだ40分もあります。私は改めて、より正確な地図を送り、(右図)、ゆっくりと「未来の都市」へ向かいました。
そこに土砂降りの雨が降りかかります。
*絶対行く場所くらい、きちんと押さえておけ!
ちなみに先ほどのアプリ。万博の公式サイトと紐づいていて、予約のできたパビリオンが表示され、そこまでの経路もナビしてくれます。ああ、あの焦りに焦った20分間は何だったのでしょう?

(この稿、明日土曜日に続く)