カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「美・サイレント」~美しい行いを、言葉で説明することはできない。多く体験するだけだ

例えば質屋さんがルイ・ビトンの真贋を鑑定するにあたっては、どうやら膨大なデータとの照合があるようです。ロゴの印刷が不鮮明だとか、タグの縫い付けがいい加減だとか、贋作者には贋作者なりの個性があって、そうした情報に精通することが鑑定の基礎とな…

「鼻先の会話」~交差点で止まった二台の車、どちらが先に行くのか鼻先で伝えることがある

今、手元にその本がないので確認できないのですが、向田邦子のエッセイの中に「我が家の電話はかかって来る直前にくっと肩を上げる」といった表現がありました。うまく書くものだなあと感心したことを覚えています。ダイヤル式の電話は内部にベルが入ってい…

「小生、生来病弱ニテ・・・」~病弱い養護学級で生活した日々のこと

昨日はご迷惑をおかけしました。 (昨日は風邪が酷くて早退しました) 日ごろあまり睡眠時間をとらないので、家で休んでいても眠れるはずもないと思ったのですが、実際あきれるほど昏々と眠ることができました。久しぶりのことです。 私は生来虚弱で3歳のと…

「時は動いている」~津波で子どもが死んでも、その子の姉の入学式は行われる

土曜日の朝、NHKニュースを見ていたら石巻の小学校の、1年生の教室が映し出されていました。体育館が避難所で使えないので、教室で入学式が開かれたのです。 新入生の名前が呼ばれます。そして後ろの壁で黒いリボンのかかった写真を持った若いお母さんの…

「学校の常識は、世間の非常識」~そもそもが非常識な労働を強いられている

「学校の常識は、世間の非常識」・・・という言い方があります。 個人的な感想で言えば、学校の外にいたときより中に入ってから、目上の先生から指導される際に多く言われるようになった気がします。 では何が非常識なのかというと、例えばネットで調べてみ…

「家庭訪問の意義」~最近はなくす方向だというが・・・

家庭訪問を廃止して欲しい、少なくとも持ち上げのクラスではやらなくてもいいのではないか―どこの学校に行ってもそんな要求が保護者から出されます。また、教員にとっても忙しい4月・5月、先生の側からも同じ願いが出されることもあります。しかし私はそれ…

「避難訓練は満点でなければならない」~実際の災害で、訓練以上のことができるはずがない

今回の震災では釜石市内の児童生徒の、ほとんどが無事避難することができました。3000人あまりいる小中学生のうち、亡くなったり行方不明になった子どもは数名で、いずれも欠席したり早めに学校を出た子たちだけだったといいます。言うまでもなく、これ…

「この国にダメな政治家はいても悪い政治家はいない(と思う)」~誰も震災で儲けようとしなかったという当たり前の話

一昨日のテレビ番組で、今回の震災の感想を問われた外国の方が、「震災を利用して利権を増やそうという政治家が一人もいないのに感心した」といった話をしておられました。 びっくりしました。国民の不幸をネタに私腹を肥やそうとする政治家がいるかもしれな…

「トレンチ」~試掘坑もしくは塹壕の話

福島第一原発の事故の報道の中で「トレンチ」という懐かしい言葉が出てきました。福島原発の場合はケーブルや配管を通す穴のことらしいのですが、戦場では「塹壕」、遺跡発掘では「試掘坑」と呼ばれる細長い穴のことを言います。 私が懐かしいと言ったのは一…

「雨ニモ負ケズ」~ワシントン大聖堂に流れた英文の宮沢賢治

14日の朝日新聞に「雨ニモマケズ」ワシントン大聖堂に響く 宗派超え祈り という記事がありました。 世界の主要宗教の代表者が集まり、東日本大震災の被災者のために祈りを捧げる「日本のための祈り」が11日夜、米首都のワシントン大聖堂であった。 同聖…

「天才たちの世界」~生まれながら違う人たち

小学校の6年生のとき、社会科と理科の総合テストがあって(なぜ社会科と理科だったのだろう?)学年でたった二人、私とT君だけが理科で満点を取ったことがあります。教室でわざわざ二人を前に並べ、担任から特別に誉められたのでよく覚えています。 その後…

「とてつもない人災」~菅直人政権の下で、天災は人災へと拡大していく

福島第一原発の事故評価が最高度の「7」に引き上げられたことに、相当苛立ってます。 私は同じ身分の者として基本的に公務員の誠実さを信じていますし、その能力に深い信頼を寄せています。大学では昭和史が専門でしたが、第二次世界大戦だって公務員の誠実…

「世界宇宙飛行の日」~ガガーリン、テレシコワ、鉄腕アトムの話

今日4月12日は世界宇宙飛行の日だそうです(聞いたことないなあ)。世界初の有人宇宙船ボストーク1号がガガーリン少佐を乗せて地球を一周した記念日です(1961)。 こうしたソ連の快挙に慌てたアメリカは翌5月5日、シェパード中佐を宇宙に飛ばしま…

「『イジメの定義』が変わります」~はやく「いじめられた」と叫ぶ方が勝ち!

平成18年度「『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』の見直しについて」によれば、 2.「いじめ」の状況に関する調査について いじめられた児童生徒の立場に立って、より実態に即して把握できるよう、いじめの定義を見直す。 ***********…

「お花祭りの日」~お釈迦様の誕生日です

今日4月8日は潅仏会(かんぶつえ)、いわゆるお花祭りでシャカの誕生日のお祝いをします。私が子どものころは保育園の重要行事でしたが、今は仏教系の保育園や幼稚園でない限りは行うところも少ないでしょう。キリストの誕生日は祝われるのに釈迦の誕生日…

「どうしてだろう」~福島第一原発の事故の様子がわからない

福島原発事故の帰結は、今後の日本と世界のあり方に根本的な影響を与える、そう思ってかなり熱心にニュースを追ってきたのですが、さすがに4週間となると疲れてきました。さっぱりいい話が聞こえてこないということもありますが、情報が小出しだったり基本…

「信じてる」~危機に際して、国と同胞を信じられるありがたさ

日本の福島原発の事故で世界中が震撼し、在留外国人が次々と出国する中で当の日本人がさっぱり慌てていない様子に諸外国の人々が首を傾げているそうです。 日本人が核に対して無知ということもないでしょう。しかし慌てたところで逃げるところもありませんし…

「新年度の始まり」~学校が変わる、学年が変わる、担任が代わるということはどういいうことなのか

初めて教員になったとき、いきなりの担任で右も左も分からないうちに様々ことを決めなければならなくて、本当に閉口しました。先輩からは「自分がどういう教育を受けてきたか思い出せばいい」とか言われましたが、私の通った中学校はかなり特殊な学校でした…

「仕事には旬がある」~今年来られた先生方! 今しかできない仕事があります!

毎年4月の最初には「仕事には旬がある」というお話をすることにしています。 そのときやっておかないと、あるいはそのときに何か手を打っておかないと、あとからはできないそんな仕事のことです。 新しい学校に移った時、新しい係になったとき、新しい仕事…

「よろしくお願いします」~新年度、新しい先生方を迎えてご挨拶

新しく6人の先生方を迎えて、いよいよ平成23年度が始まります。 平成23年度(2011年度)は、もしかしたらとんでもない年になるかもしれません。 いうまでもなく東北関東大震災の復興はそのとば口にさえついておらず、原子力政策の見直しは恒常的な…