カイト・カフェ

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「信じてる」~危機に際して、国と同胞を信じられるありがたさ

 日本の福島原発の事故で世界中が震撼し、在留外国人が次々と出国する中で当の日本人がさっぱり慌てていない様子に諸外国の人々が首を傾げているそうです。

 日本人が核に対して無知ということもないでしょう。しかし慌てたところで逃げるところもありませんし、昔から台風やら地震やらに叩かれ続けた民族としては、いまさら殴られても感じないという面もあるのかもしれません。日本人の死生観や諦観の問題かもしれません。しかし何といっても、私たちは日本人を信じている、日本政府を信じている、というのが大きいのではないかと感じています。

 福島第一原発の事故現場では、大量の東電社員が、大成建設東芝の社員が、無名の協力企業や下請け会社の社員が、必死に頑張っている。自衛隊も警視庁も消防も死に物狂いで戦ってくれた。政府も何となく頓珍漢で頼りないが、それでも誠実にやろうとしてはくれている、そんなふうに私たち単純に思いこんでいますし、思い込んでいてもそう大きく裏切られない社会に住んでいるということです。

 この国では政府要人や財界人が密かに家族を外国に逃がし、財産を海外に移すというようなことを心配しなくて済みます。一部芸能人が西日本に避難した上に水を買い占めているといううわさがありますが、それは「〇〇がやっているから後に続け」というのではなく「こんなバカなことをしている芸能人がいる」といった揶揄として語られています。

 この国の金持ちは平気で100億円と生涯の役員報酬を寄付します。二十歳にもならない天才ゴルファーが、賞金のすべてを寄付すると平気で言えます。芸能人の一部は「売名」といった誹謗をもろともせず、繰り返し慰問に向かいます。

 放射線は政府やマスコミが大丈夫というから大丈夫なのだろう。政府が避難しろというから避難したがそれが購われないことはない。福島県など4県のホウレンソウやカキナが危ないということはほかの県の野菜は絶対に大丈夫だということだ、どんな小さな商店でもその4県のホウレンソウやカキナを安く仕入れて産地を偽って売るようなことはしない。そういったことはすべて信じられることなのです。

 それが日本人の底力なのです。
 子どもたちに大きな声で語りたいことです。