カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「エイリアン・ロジック」~保護者のわけの分からない理屈に対抗する

深夜のゲームセンターに幼児を連れ歩く若い夫婦を、補導員が注意したら逆に怒鳴られたという話を聞いたことがあります。『お前たちは、父親が子どもと遊ぶことが大事だといいながら、なんでオレたちを叱るわけ? 昼間忙しく働いているんだからオレには夜しか…

「対応の季節」~同僚の仕事ぶりを見ておこう

人事の季節です。 誰が異動しそうだとか昇任しそうだとか、そういった話は厳に慎むのが私たちの世界の慣わしです。しかしだからといって3月末に「オイ! あの人が出てくのかよ!」と驚き、4月になってその人の仕事が自分に振り向けられ、何も分からずオロ…

「動かぬ風景・飛ぶ風景・ついてくる風景」~走る電車から見える風景の愉快

電車に乗って外の景色を見ていると、線路際の景色はビュンビュン後ろに飛んで行くのに対して、真ん中の風景はゆっくりと後ろに進み、遠くの山々などはほとんど動かずにその場にいます。 走る電車から見えるものが、まるで動いていないように見えるとしたら、…

「教師の品格」~引き継ぎ書類が告げ口をする

普通は目に見えない個人の人格というものが形になって現れることがあります。 例えば前任校を出るとき、私はステキなコーヒーカップをプレゼントされましたが、そのカップの選択に贈り主のセンスが見えます。よくもこんなものを選び、私に似合っていると判断…

「口に出して好きだと言おう」~子どもと自分を高める言葉

何やかや言っても、結局、子どもや教えることが好きでこの仕事に就いたのだから、子どもが大事だと思い定めるしかありません。日々一緒に過ごしていれば、現実の子どもは可愛くなかったり小憎らしい時だってありますが、やはり相手は子どもなのです。 かつて…

「止める能力」~衝動性の強い子を鍛える方法を考える

自閉症という言葉に出会うと、初めての人は、自分を閉ざし、引きこもりのようになって暗く沈む、そんな障害を思い浮かべるようで、実際の自閉の子に出会うとその騒がしさにびっくりしてしまうことも多いようです。 同じようにADHD=注意欠陥多動性障害と聞く…

「マトリックス」~学校運営の形

一般に学校組織は一人の教員が学級担任と教科担任を同時に行い、それとともに安全係や国語係、教科書係や清掃係を同時に兼務しています。その数は学校規模に関係なくほぼ一定ですから、大規模校ではひとりが2〜3、小さな学校だと7つも8つも兼務し、学校のす…

「子どもに学校へ行く義務はあるだろうか?」~もちろん、ある。

一般に、憲法26条第2項すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とするこれをもって、義務教育とは保護者に「教育を受けさせる義務」があるのであって、子どもには「学校に行…

「難しい」~物事には程度というものあるだろう

12〜3年ほど前まで、非常に口うるさい親とそれに反発する子どもという、図式的な親子関係が大半であって、学級懇談や学年PTAでは「過保護は止めましょう、過干渉は控えましょう」と話していればよい時代がありました。もちろん「放任」というのもあっ…

「マラソンと高跳び」~考えるとやたら不思議な二つの競技

東京マラソンがあって、花のお江戸を3万2000人ものランナーが走ったそうです。 しかしマラソンというのも、いかにも不思議なスポーツです。 今回のレースは東京都庁スタートのビックサイト・ゴールだからいいのですが、たいていのマラソンは競技場を出…

「シーソーの関係」~より軽い者が上にいて、重い方が下にいる

親の理不尽な話に延々とつき合わされ、怒りたい気持ちを抑え、ひたすら忍従の時間をすごした担任教師が、翌日、教頭先生に報告をした上で、「先生、私たちの仕事って、こんなにも耐えなければならないんですか」と訊ねたそうです。 それに対して教頭が、「耐…

「加害者の内なる被害者意識」~いじめる側にもワケがある

「いじめられる側が悪いと言うことは絶対にない。いじめる側が100%悪く、いじめられる側の責任はゼロである」 いじめに関する一斉を風靡した考え方です。 私は、人間関係に100対0というものはないと信じていますが、「いじめられる側は絶対に間違っ…

「悪いのはどっちだ!」~子どもに対して、責任はきっちり突きつける

「自立」には三つの側面があって、それぞれ「生活自立」「経済的自立」「精神的自立」といいます。 「生活自立」といいのは赤ん坊のトイレット・トレーニングに始まり、最終的には家事をきちんと行い、税金を払ったり役所の手続きをしたりといった公的な活動…

「セブン」~七に関わる不思議な物語

古今東西「7」という数字は幸運を呼ぶとされるようで、西洋には「ラッキーセブン」という言葉があり、東洋でもお釈迦様は生まれると同時に7歩歩き、右手で天を、左手で地を指して「天上天下 唯我独尊」と宣言したといわれています。 「7」がなぜ大切かと…

「忘れられた女」~それが最悪の状況という、卓越した認識

松任谷由美という人はやはり天才なんだろうな、と思うことがしばしばあります。それは例えば、「私を許さないで 憎んでも覚えてて」(「青春のリグレット」)といった歌詞からも伺えます。 憎まれても忘れられるよりはいい その言い方はマリー・ローランサン…

「KY」~空気が読めなければ聞けばいいじゃん!

昨年、KY(空気読めない)という言葉が流行してとても不思議に思いました。 山本七平という評論家は、その昔『空気の研究』という名著で、日本の政策決定が合理的な議論や判断によらず、そのときの「空気」という不思議なものに流されていることを明らかに…

「星の話」~”惑星”はなぜ”惑う星”なのか

毎日雪だったり曇りだったりすっきりしない天気でしたが、昨夜はからっと晴れ、美しい夜空のかなり高い位置に大きなオリオン座が広がっていました。気温のことを考えなければ、もっとも星を見るにふさわしい季節です。 私たちの住む銀河系と呼ばれる島宇宙に…

「祈りの日」~とてもつらいことがあった日。

日々が同じように過ぎ、時が当たり前のように流れることに感謝しなくてはなりません。 昨日と今日が同じだから明日もきっと同じだろうと、信じるまでもなく思っている。 そういうことがどれほど幸せか、改めて知るべきです。 平凡であることを喜びとし、 い…

「節分」~ケチな家は、福を招き入れるのに専念するという話

昨日は節分でした。 本当は先を見越して一週間ほど前に話しておけばよかったのですが、とんと忘れていました。 でも、今朝は今朝で、子どもたちと話してみたいと思います。「昨日、豆まきやったかい?」(ハーイ、やったよ!)「そう。鬼は外、福は内ってた…

「子どもの意思を尊重することに関する覚書」~ただ題字にするだけではダメだろう

子どもの意思を尊重するにも程があると思うことがあります。これはそのことに関するメモです。 たかが十数年しか生きてこなかった子どもの意思と、数十年を生きてきた大人の見識は平等に扱われるべきものか?たとえば子どもが「高校に行かない」と決めたとき…