カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「オエッの科学」~体臭が教える男女の相性

アメリカで「Tシャツ合コン」とかいう催しが行われたと、テレビで放送していました。参加資格はないのですが、三日間着続けたTシャツを持参するのがルールなのだそうです。それをビニル袋に入れ、参加者は匂いだけで相手を決めてお互いを紹介しあうというの…

「さまざまま妖精小人の話と天空の城」〜ジブリ②

1月に「ホビット 思いがけない冒険」という映画を見ながら思ったことですが、アメリカ映画にはしばしば小人症の俳優さんが出てきます。おそらく相当な数の人たちが俳優やコメディアンとして芸能の世界にいるのです。ところでアメリカ人の目に、彼らはどんな…

「ナポレオンの帰還」~メディアは権力に媚びる

今日2月26日は2・26事件の起こった日です(1936)。2・26は専門に勉強したことがあるのでひとこと言いたいのですが、今日はやめておきます。ただし一つだけ、 日本では有名なテロルはいずれも雪の中で起こっています。2・26事件、赤穂浪士の討ち…

「ジブリ」2~ぼくの知っているカオナシ

わけあって久しぶりにDVDで「千と千尋の神隠し」を見ました。 ジブリの映画はほとんどの場合、中に環境問題や差別に関する強いメッセージが入っていて、それさえなければもっと楽しめるのにといつも思うのですが・・・。しかしそれにしてもよくできた話で…

「忘れてはいけない」~誘拐を恐れて子どもに携帯を持たせる愚

2004年11月に起ったいわゆる「奈良小1女児殺害事件」の犯人である小林薫死刑囚の刑が執行されたそうです。許しがたい誘拐殺人ですので同情の気持ちはありません。 奈良の事件のちょうど1年余りのち、今度は広島で小学校1年生の女の子がペルー人の男…

「なぜ、こうなんだろう」〜学校に入り込む英語

大昔、今は亡き私の父が「なんで世の中、こうも片端、英語にしなけりゃならんのだ」と怒っていましたが、最近の私がそうです。学校に入り込む外国語が多すぎてついていけません。 カウンセリングやコンピュータなど日本語に訳せないものは仕方ないにしても、…

「勝利至上主義について」~勝利がすべてではないが、負け続けるのもなあ

「勝利至上主義」という言葉を最近よく聞きます。「本来は教育の場であった部活動が勝利至上主義に陥り、その結果体罰が・・・」といった文脈で使われます。要するに、本来は目的ではなかったはずの“勝利”が至上命題になってしまい、そのためには何でも許さ…

「こだわりのマスク」~マスクに予防効果はないという話について

先月28日にも「マスクの科学」という題名で「インフルエンザ予防にマスクは効果がある」というお話をしましたが、私が「デイ・バイ・デイ」にマスクの効能について書くのは、実に8回目なのです。そのくらいこだわりがあります。 というのは4年ほど前に新…

「格物致知(かくぶつちち)」~幸田露伴のお掃除

「格物致知」というのは古代中国から現代に続く思想的な術語で、時代や人によって解釈が随分と異なる言葉です。 三省堂の「新明解四字熟語辞典」には 物事の道理や本質を深く追求し理解して、知識や学問を深め得ること。『大学』から出た語で、大きく分けて…

「配合禁忌(はいごうきんき)の話」~トリカブト殺人事件とジュリー

一昨日の新聞に小さく「トリカブト殺人事件の神谷受刑者が病死 昨年11月」 という記事が出ていました。1986年の5月、沖縄の石垣島で新婚の妻を毒殺して保険金をとろうとした事件です。容疑者の3番目の妻ですが、前の二人を含め、三人とも心筋梗塞で…

「バレンタインデー惨題」~バレンタインデーに関わる三つの物語

【第1話】 高校3年生の2月14日、昼食を食べ終わって教室でわいわい騒いでいたら、呼び出しがかかった。廊下にでると同じ部活の一年生の女の子がちょこんと立っている。「あの・・・」と言って手に持ったきれいな箱を持ち上げる。「これ、○○さんに渡して…

「本当はひとに、言いたくないこと:力による指導」~子どもの認知④

学校における体罰は絶対にしてはならないことです。なぜなら“やればクビになるから”です。教育上の必要悪だとか、「愛があるなら」とかいった話はしません。懲戒免職にならない程度の体罰といった微妙な話もしない方がいいでしょう。 いずれにしろこんなこと…

「怖い顔で叱る」~子どもの認知③

2歳3歳の子どもには心の理論が成立していませんから、「他人には自分とは別の感情や考えのあることを理解し、それを類推する」ことはほとんどできません。自分にとって楽しいことも他人が楽しめない場合があるということが分からないのです。 よく「どんな…

「心の理論」~子どもの認知②

1970年前後だと思うのですが、「サルに心はあるのか」という論争がありました。ここでいう「サル」とはチンパンジーなどの霊長類に限ったことです。そしてこれについて、ある哲学者が非常に示唆に富んだ発言をします。「私は、サルが罠を仕掛けるところを見…

「『はじめてのおつかい』の知見とピアジェ」~子どもの認知①

外に作ってしまった子どもを法的に認知するかという問題ではありません。子ども、特に幼児の認知能力についてです。 日本テレビの「はじめてのおつかい」という不定期の番組が好きで、忘れない限りは必ず見ています。もう今年で23年目になるそうです。 最…

「ライ麦畑でつかまえて」~私が成し遂げたかったこと

難しいことばかり立て続けに書いてきて自分自身が滅入っています。そこで今日は軽いお話をしたいと思います。 サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を私は21歳の時に読みました。けっこう長い本ですが、今調べるとたった一日で読んでいますからきっと夢…

再び、体罰の問題にについて②

一昨日のニュースに、 毎日新聞が2、3両日実施した全国世論調査で、大阪市立桜宮高校で男子生徒が体罰を受けた翌日に自殺した問題を踏まえ、体罰について聞いたところ、『一切認めるべきでない』との回答が53%と半数を超えた。一方、『一定の範囲で認め…

再び、体罰の問題にについて①

大阪市立桜宮高校の生徒自殺事件始まった体罰問題の追及は、柔道のオリンピックコーチの事件にまで発展しなかなか終息に至りません。もちろん隠された体罰が続々と出てくるのが主な原因ですが、これまでの学校問題(いじめや不登校、学力問題など)とは異な…

「正義のコスト」②

20年程前、私が苦労していたのは中学校社会科の全カリキュラムを作成するという作業でした。多かれ少なかれ教科書に準拠するのですが、地域教材を含め、「その学校独自のカリキュラム」が求められたからです。1年生から3年生までの全400時間ほどの授…