カイト・カフェ

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「さまざまま妖精小人の話と天空の城」〜ジブリ②

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 1月に「ホビット 思いがけない冒険」という映画を見ながら思ったことですが、アメリカ映画にはしばしば小人症の俳優さんが出てきます。おそらく相当な数の人たちが俳優やコメディアンとして芸能の世界にいるのです。ところでアメリカ人の目に、彼らはどんなふうに映っているのでしょう。
 一寸法師を除くと日本の文化に“妖精小人”という存在はありません。だからなのかもしれませんが、白木みのるさん以降、この国にそうした芸能人は見かけません。それがいいことなのか悪いことなのかは別として。

 さてそうした現実の話ではなく、ファンタジーの世界では3種類の小人族がいます。ひとつは映画「ロード・オブ・ザ・リング」ですっかり有名になったホビット小人。身長60〜120cmで、やや尖った耳と、毛に覆われた大きな足を持つ種族です。

 二番目がドワーフ小人。「ロード・オブ・ザ・リング」にも出てきますが、身長140cmほどの大酒飲みで、手先が器用で鉱夫あるいは細工師や鍛冶屋が主な職業とされています。
 ディズニー映画の「白雪姫」は原題を"Snow White and the Seven Dwarfs"と言いますが、あの小人たちです。屈強な戦士というイメージもいつもついて回ります。

 そして三つ目の小人種族が「ガリヴァー旅行記」に出てくるリリパット小人、身長15cmほどです。誰でも知っている小人族ですから説明の必要はないでしょう。

 私は「ロード・オブ・ザ・リング指輪物語)」は読んだことがありますが、「ガリヴァー旅行記」の方はまだです。本は持っているのですが何しろ「18世紀最大の風刺文学」とか言われて敷居が高いのです。風刺ですから“元ネタ”の方に知識がないと楽しめないという思い込みがあります。
 特に第4話の「馬の国」の話は哲学的にも深い意味があるとか言われていますからずっと気になっていますが、いまだに手が出ません。ただしいつかは読んでみようと思っています。

ガリヴァー旅行記」の第一話は小人国リリパットの話、第二話が巨人国の話、ここまでは誰でも知っています。しかしその第三話が空を飛ぶ巨大な島「ラピュタ」の話だということは、ジブリが「天空の城ラピュタ」を制作するまで、あまり知られていないことでした。「ガリバー旅行記」では科学者であり圧政者でもある執政官たちが住まう島らしいのですが、ジブリ映画とは何のかかわりもないみたいです。

天空の城ラピュタ」も実は私の好きな映画の中に入ってきません。よく分からないのです。
 ただ挿入歌は好きで、映画よりも先に杉並児童合唱団のコンサートで聞いて以来、最も好きな曲の一つになっています。
 まだ上の子が生まれたばかりのことだったので、歌詞にもこころ動かされました。

「父さんが残した 熱い想い 母さんがくれた あのまなざし」
 そうだよな、父親が残すべきは人生への熱い想いだよな、
―ずっとそう思いながら、子どもを育ててきました。

 その子ももう23歳。映画は27年前のことになります。