カイト・カフェ

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「こだわりのマスク」~マスクに予防効果はないという話について

 先月28日にも「マスクの科学」という題名で「インフルエンザ予防にマスクは効果がある」というお話をしましたが、私が「デイ・バイ・デイ」にマスクの効能について書くのは、実に8回目なのです。そのくらいこだわりがあります。

 というのは4年ほど前に新型インフルエンザが流行したおり、全国的なマスク不足に対してマスコミ各紙が一斉に「マスク無意味説」を唱えたからです。たとえば2009年5月21日付産経新聞はこうです。

 外岡さんは(だれだっけ?)「欧米では、自分への感染がマスクで防げるかどうかについてはっきりとした効果があるとされておらず、マスクは病原体を持っている人が第三者にうつさないために使用されている」と説明。欧米では、手にウイルスがつくことが考えられるため手洗いをしたり、人込みに入らないようにしたりする教育が徹底的に行われている。
 つまり、欧米でマスクをしている人は「自分が病気で第三者にうつさないためにしているか、顔を見られたくないためにしている」(外岡さん)という。
 予防アイテムとして、マスクの効果はどうなのか。新潟大学大学院の鈴木宏教授(公衆衛生)は「第一義的には(新型インフルに) かかった人が他の人にうつさないことに効果があり、自分に感染するのを完全に防ぐものではない」と指摘。さらに、「マスクを外すこともあり、鼻や口を完全 に覆っていないなど正しい付け方をしていない人もいる。それより、せきをしている人が外に出ないようにすることが効果があるのではないか」と分析する。
 多くの人がマスクをつけて生活している日本。鈴木教授は「街中にウイルスがウロウロしているわけでもなく、みんなが(新型インフルエンザ)にかかるわけでもないのにマスクをしている人が多いのは過剰防衛に映る。

 前にも言いましたが特定の分野(教育や公衆衛生、食品や栄養、等々)で「欧米では〜」と言われると私は反射的に「それはやってはいけないことだ」と思う癖がついています。欧米ではマスクに効果はないと言っている―ならばマスクにインフルエンザ予防の効果が絶対にあります。
 日本のマスク・メーカーはこぞって効果を謳っていますから、これはもう間違いはありません。
 私は日本人と日本のメーカーを信じます。少なくとも諸外国の人々やメーカーより絶対に正直です。だから間違いありません。
 今日お話ししたいことはそれだけです。

*マスクはしっかりと着装すれば90%以上の割合でインフルエンザ・ウィルスを遮断する、というのが1月末の結論でした。ところが先週の「ためしてガッテン」では花粉対策の場合、装着がかなりいい加減でも遮断できるという話をしていました。

 マスクの横や下から侵入した花粉は、マスクの縁辺部や皮膚にくっついてしまい、鼻や口までたどりつかないのだそうです。やっぱりマスクは偉い! 
(ただし花粉は雨などにあたるとウィルス並みの細かさに分裂するため、雨降りの翌日や翌々日は、インフルエンザ対策のようにしっかりと装着しないと、侵入を許してしまうそうなのです。雨の翌日は大変だという話は、たしか私の家族からも聞いたことがあります)