カイト・カフェ

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「アップルウォッチを買いまして――」~ジジイがスマートウォッチを買ってどうする①

 スマートウォッチ(Apple Watch)を買った。
 問題は70歳を過ぎたジジイに、こんな高価な端末が必要か?
 ということだ。

 一カ月少々使ってみて、さて――、
という話。(写真:apple

【スマートウォッチを買いまして――】

 スマートウォッチを買いました。「Apple Watch Series 10(GPSモデル)― 46mmジェットブラックアルミニウムケースとインクスポーツループ」という製品です。
 製品名を正確に書いたのは、単語のひとつひとつについて選択肢が発生して、見た目も機能も値段も違ってくるからです。
 大別して3種類(Apple Watch Series 10・Apple Watch Ultra 2・Apple Watch SE (第2世代)あるApple Watchの中のSeries10には、GPSモデルとセルラーモデル(GPS + Cellularモデル)の二種類があって、前者はiPhoneを介して通信を行うのに対して、後者はiPhoneが近くになくても単独で通信ができる機能を持っているのです。ですからセルラーモデルだと手首から直接電話をかけたり、メッセージを送ったり、音楽をストリーミングしたりすることができます。ただしそのためにはスマホとは別に通信会社と契約を結ばなくてはなりません。またApple Watch本体もGPSモデルより少々お高くなっています。
 
 46mmというのは画面のサイズで、ケースの縦の長さが46mmのものと42mmの二種類があるということ。男性用と女性用という見方もできるかもしれませんが、私は老眼用という意味でこちらを選びました。格好だけを気にするなら42mmを選んだかもしれません。
 Apple Watchのケース(外装)の素材はアルミニウムとチタニウムの二種類があって色はアルミニウムケースがシルバー、ローズゴールド、ジェットブラックの三種類、チタニウムの方はストレート、ゴールド、ナチュラルの、これも三種類となっています。私は安価なアルミニウムの、目立たないジェットブラックを選びました。
 ベルトについてはかなりの数の種類があり、中には本体よりも値段の高いものもあって呆れますが、私はマジックテープのように自由に張ったり剥がせたりするタイプの黒を選びました。手首が悲しいほど細くて、ベルトの穴どころか金属の留め具もきちんと合わない場合があって、時計では苦労してきたのです。そこでマジックテープです。
 ちなみにベルトのラインアップはかなりあって、見ているだけで楽しいのでココにリンクをつけておきます。

 Apple Watchの本体価格ですが、アップル製品は基本的に値引きがないので私の買ったものも横並びの63,491円。グレードをひとつ下げるとSEシリーズは3万円台ですのでぐっとお安くなりますが、それでもSeries10を選びました。理由はあとで説明します。

【なぜジジイがApple Watchを買ったのか】

  1. 腕時計がないから。
    4年前に買ったカシオの腕時計を3年前に家の中で紛失してしまいました。テーブルの上に置いた確かな記憶があるのに翌朝、出かけようと思ったらどこにもない――。一個5,600円ほどの安ものですから、それだけが単独で盗まれたはずはありません。絶対に出て来ると思いながら待ち続けた3年間でしたが、そろそろ潮時。今から思えば雑な妻が、テーブルの上のごみと一緒に丸ごと捨ててしまったようです。FireTVのリモコンなど、テーブルの上から忽然と消えたものは数知れません。

  2. 妻が1年前にAppleWatch SEを衝動買いし、使いこなせないでいる様子なので。
    「お父さんも買って、調べて、使って、教えて!」

  3. オモチャが欲しくなった。
    秋も深まって畑仕事もひと段落し、これからの長い冬、何かないと退屈そうな気がして。

  4. 選ぶのが面倒だった。
    ほかならぬApple Watchにしたのは選ぶのが面倒だったから。「選ぶのが面倒で高いのにしました」というのは典型的な大人買いでしょう。若いころならもっと丁寧に調べ、より良い買い物をしたでしょうに、歳をとると本当にこらえ性がなくなります。それに「財産をすべてあの世に持って行けない。少しでも使っておこう」とう気持ちは常にあって、若いころはできなかった大人買いをしたいという欲望もありました。

  5. 見栄を張った。
    アクセサリやブランド品などにはまったく興味がなく、これといった品物は一切持っていません。腕時計も6,000円程度が上限です。腕時計がなくなってからの3年ほどの間に、実は一度だけシャオミの2,600円のスマートウォッチを購入し、半年ほど使ったことがありました。しかしこれが実に扱いずらかったのです。特に時間を見るときにいちいちボタンを押さないと表示が出ないことと、明るい屋外だと画面が暗すぎてよく見えないのにはまいりました。そうこうしているうちにベルトが二回も切れ、三回目も切れそうになったので使うのを諦めました。次に買う時はもう少ししっかりしたものをと考えているうちに気づいたのは、さして金持ちでもないのに一点豪華主義で何十万円もする時計を何個も持っている仲間もいるじゃないかということです。高価なApple Watchと言っても、そもそも自分の配偶者でさえ衝動買いできる値段じゃないか、少しぐらい見栄を張るのもこの齢なら許されるだろうと、そんな気になりました。63,500円は、私にとってその程度にてごろな贅沢です。


【で、とりあえず何に使っている?】

  1. とりあえず時刻を見るのに使っています。
     当たり前ですが、Apple Watchは時刻を調べるのに便利です。若い人たちの中には腕時計というものを一切もたず、スマホの時刻表示だけで済ませてしまう人もいるようです。私も基本的にはそれでいいのですが、困るのが農作業の際中。スマホを持って作業に行くのはいいとしても、いちいち作業用手袋を外さないとスマホの時計表示を見られないのはいかにも面倒です。その点で腕時計だと手首を返すだけで時刻が読めます。
     また、歳をとると夜中に目覚めることも多く、そんなときに何時かを確認し、二度寝するどうかを考えるのにもApple Watchは便利です。バックライトが光るので文字盤がよく見えるのです。スマホでも似たようなものですが、枕もとを探って手にしたスマホの表裏を確認し、画面をタップして強い光を浴びると、それだけでもしっかりした目覚めに近づいてしまいます。ましてや部屋の時計を見ようと室内灯を点けてしまうと、二度寝はまずできなくなってしまいます。

  2.  メールとLINEの着信状況を知るのに使っている
     これも手袋をしているとき、特に便利です。隠居生活なので急を要する連絡が入ることは稀なのですが、それでも着信があってすぐに確認できるのは便利なことです。
     当てが外れたのが通話機能。昔「スーパージェッター」という人気アニメがあって、主人公が宇宙船の愛機「流星号」を呼ぶときに腕時計型の通信機からアンテナを引き出し、
    流星号、応答せよ。流星号、応答せよ」
    と言うのが凄くカッコウ良くて憧れたのですが、Apple Watchでそれをやろうとしたら知り合いはほとんどがLINE電話。Apple WatchはLINEの通話機能を直接使うことができないのです。ですからこの一カ月間にApple Watchで話す機会があったのは業者からもらった電話1本のみ、それも初めてでうろたえて早々に切ってしまったので、便利かどうかは今ひとつ分かっていません。
     
  3.  健康状態、特に睡眠状況を確認するのに使っている。
    実はここにSEではなく、少し高価なSeries 10を買った理由もあるのです。しかし込み入った話になるので、続きは明日に回したいと思います。

(この稿、続く)