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「高齢者はスマートウォッチのセルラーモデルが一択」~老人のためのウェアラブル機器講座③

スマートウォッチのセルラーモデルは、
「特殊な人向けの高価な選択肢」だと思い込んでいた。
しかし調べると “なくてもいい”と思っていた機能も、
高齢者には必須なのだ。(写真:フォトAC)

【知っているつもりで分かっていなかったこと】

 人にアドバイスする以上、いろいろきちんと調べてからでないと迂闊なことは言えないものです。
 娘婿のエージュに、「スマートウォッチもいいけど、スマホがそばにないと通信できないよ」と言った後で、ふと、今まで目の前にありながら、考えもしなかったことを思いついたのです。
 スマホが近くになくても通信できるスマートウォッチをセルラーモデルと言いますが、それの何がいいんだ?という話です。
 
 もちろん軽くて小さくて、いちいちバッグやポケットから引っ張り出す手間はないのですが、とにかく字が小さすぎて長文など読めたものではありません。メールもLINEも使えますがあの小さな画面ではフリックキーボード(12キーボード・テンキーボード)でも打ち切れるものではありません。
 さらに私の持っているスマートウォッチではブラウザが隠れ機能みたいになっていて、基本的にWebの閲覧ができません。おまけにカメラも搭載されていない。つまりとてもではありませんが、スマホの代わりになるようなものではないのです。
 だったら何のためのセルラーモデルか。

 まさにウチの婿殿のように、「職場にスマホは持ち込めない」「しかし通信手段は欲しい」、そうした特殊な場合のみに役立つ商品で、しかもそのために数千円~数万円も高い機器を買い、毎月の通信費を払ってもいいという人でなければ購入しない、そんなわずかな需要しか見込めない品物です。それがなぜ商品となって流通しているのか――。

 そこで改めて調べてみると、様々なことが分かってきました。

【通信費が別にかかるわけではない】

 勘違いしていたのは、セルラーモデルの場合もスマホをもう一台持つのと同じように通信費がかかると思っていたことです。

 私が現在使っているスマートウォッチはApple Watch Series 10(GPSモデル)というものですが、購入する際に調べたところ、セルラーモデルは標準モデルより1万6,000円も高く、しかも説明書に、
「セルラーモデルを使って通信する場合は、通信会社と別契約が必要になります」
とあったので、それをてっきり「別の回線契約をしなくてはならない」と思い込んでしまったのです。ところが改めて確認すると、 “別契約”というのは今、持っているスマホと同じ回線・同じ電話番号を使って通信・通話を行うしくみらしいのです。
 これは一般に“番号共有サービス”と呼ばれるもので、通信会社ごと、NTTドコモは「ワンナンバーサービス」、auは「ナンバーシェア」とかいった名前がついており、費用も月額550円程度で済むらしいのです。550円だったら考える余地があります。

 さらに需要としては「職場にスマホは持ち込めないが通信手段が欲しい」という人たち以外にも、いく種類もの人々が想定されているようです。

【それ、オレ、じゃん!】

 その第一は「スマホを置いていきたい」活動派の人々です。
 ランニングやウォーキング、スポーツジムなどでスマホの重みや揺れを気にせず、スマートウォッチだけで音楽を再生し、緊急の電話や通知にも対応したい人たち――まさに現在の私です。娘からプレゼントされたワイヤレスイヤフォンを耳に、音楽を聴きながら気持ちよくウォーキングしていますが、今までは比較的しっかりした服装でスマホの重みも気にならなかったのが、これからは薄着でスマホの揺れはかなり気になります。うっかりするとズボンが下がってきてしまいます。これがセルラーモデルだったら、まったく問題にならないのです。私はジムに通っているわけではありませんから、それに代わるものと考えれば、番号共有サービスの550円はまったく安いものです。

 これが同じ運動でも水泳やマリンスポーツとなるとさらに威力を発揮します。スマホを防水バッグに入れて運動するのは容易ではありませんが、スマートウォッチひとつで済むならこんな楽なことはありません。

 あるいは運動というほどのことではなくても、犬の散歩やコンビニへの買い物など「スマホを持って出るほどではないが、連絡が途絶えるのは不安」といった場合もセルラーモデルのスマートウォッチは便利です。
 しかしそれ以上に重要だと思ったのは、高齢者の見守りとしての機能です。

【緊急対応】

 私の住む田舎には「地域防災システム」という緊急放送の仕組みがあって、町のあちこちに設置された大型スピーカーから、「乾燥注意報」を含む防災情報がたびたび流されてきます。しかし最も多いのは老人の行方不明に関する情報です。同じ名前が出てきたりすると“GPSでもつけておけばいいのに”とも思うのですが、手鎖や足枷のように強制的につけさせるのも気が引けますし、スマホを持たせても家に置いて出られたら無意味です。そもそも徘徊老人がわざわざスマホを手にして外出するとも思えません。
 しかしスマートウォッチだったら、朝、フル充電したものを装着させれば、そう簡単に外したりはしないでしょう。私のように健康データを取るのがそもそもの目的で、睡眠時のデータを取るために24時間装着する生活を続けていると、習慣ですからもしかしたら外していたものもつけて外出するかもしれません。そうなると行方不明になっても追跡は簡単です。
 また転倒検出機能などが備わっているモデルの場合はスマホが手元になくても自動的に緊急通報を行えるため、家族の見守りとしても効果がありそうです。
 これも「それ、オレじゃん!」という話です。

【次はセルラーモデルが一択だ】

 現在のアップルウォッチは買ってまだ1年半にしかならないものですからしばらくはこのままだとしても、次はセルラーモデル一択だと思っています。ただし音楽を聴きながらの身軽なウォーキングはやはり羨ましい。しっかり調べなかったために損をした気分です。
 (この稿、終了)

 【参考】kite-cafe.hatenablog.com