「リンカーン、高杉晋作、タイタニック」~4月14日はそんな日です。

 書くことが思い浮かばないと頼りにするのが「今日は何の日」
 一年365日、毎日が何かの記念日で誰かの誕生日、そして命日。
 人類史がたった365個の箱に収まるわけだから、
 きっと面白いことがあるはずだ。
というお話。

f:id:kite-cafe:20200414071709j:plain(「1912年4月11日に撮影されたタイタニック号」 パブリックドメインQより)

 

【今日、4月14日のできごと】

 今日、4月14日はリンカーンが劇場で銃撃され(1865:翌朝死去)、高杉晋作結核のために弱冠27歳の若さで亡くなり(1867)、タイタニック号が氷山にぶつかった日です(1912:翌15日午前2時20分過ぎに沈没)。
 それぞれ何のつながりもありませんが、三つまとめて覚えておいて、何かの折にウンチク話とし披露すれば案外モテるかもしれません。

 そのうえでさらに勉強して、高杉晋作は現在でいう山口県随一の美人を嫁さんにしていたとか、晋作を含む松下村塾四天王(他は久坂玄瑞吉田稔麿入江九一)は誰一人生きて明治維新を迎えることなく、生き残ったのは二線級ばかりだったとか、あるいはリンカーンについては、西暦の下1けたが0年である年の選挙で当選した大統領は任期を全うしないという「テカムセの呪い」にまんまとはまっていたとか、そのテカムセの呪いを打ち破ったのは元俳優で死んだふりの上手かったレーガン大統領だったとか、さらにあるいは百年を置いて1960年に当選して暗殺されたジョン・F・ケネディと比べると、二人はともに黒人解放のために戦った政治家だったということ以外に、背後から銃で頭を撃たれた、犯人は裁判を待たずに殺された、大統領の死去で繰り上がった元副大統領は二人ともにジョンソンという名だった、とかいった共通点がある一方、リンカーンの犯人は劇場で暗殺を謀り倉庫で逮捕されたのに対し、ケネディの犯人は倉庫で暗殺を決行して劇場(正しくは映画館)で逮捕されたという逆の関係にあるとか・・・。

 昔の教師はこうした話を始めると止まらず、中には3日~4日に分けて講談のように語る人もいて、生徒の方も本来の授業内容よりも「雑談」と言われたそちらの方をよく覚えていたり、そちらの方が人生の役に立ったりといったことも少なくありませんでした。

 ちなみに当時の「雑談」は教師にのみ与えられた権利で、児童生徒には許されていませんでした。それがいつの間にか子どもたちの方が「雑談」をするようになり、今は両方とも厳しく禁じられています。

 最近は「と言ってももう20年来ですが)カリキュラム管理が厳しくなって3日はおろか15分の雑談も難しくなり、先生方はきちんとした授業をしておられます。
 しかしそれでも1授業時間(45分または50分)を緊張しっぱなしというわけにも行きませんから、うまく強弱を計っているのです。

 ちょっと思いついたのですが、新型コロナ事態でオンライン授業などが始まったら保護者も近くでモニターを見ている可能性がありますから、教師は「雑談」はおろか少しも気を抜くこともできず、児童生徒は背後の親から「ボーっと学んでるんじゃあねぇよ!」と叱られないよう頑張るしかなく、保護者は保護者で参観日と違って、ウチの子が正面から別の保護者の目に晒されていると思うと落ち着かずという――なにか凄まじい45分間(50分間)になりそうな気がしてきました。
 それが毎日6時間も続くようだったら、私なら生徒であっても教師の側でも、はたまた保護者でも、気が狂ってしまいそうです(どうかそんなふうになりませんように)。

 

タイタニックとダイヤモンド・プリンセス】

 さてタイタニックですが、私は1997年のジェームス・キャメロン監督の映画「タイタニック」以上のことは何も知りません。
 ただ、乗員乗客2208人中、生存者はわずか695人という大海難事故で、何度も映画になって有名なのに、実は死者の数においてワースト5にも入っていないという話を、昔、聞いてびっくりしたことを覚えています。
 今回、調べたら第8位。最も人命を失った海難事故は1987年にフィリピンで起こったドニャ・パス号事故で死者は4341名だそうです。この事故自体は私の記憶にもありました。


 航空機の事故はいったん起きると乗員乗客の全員が死ぬ場合が多く、それだけに記憶にも残りやすいのですが、人数においては海難事故に敵いません。
 そう言えば今回の新型コロナ禍でも、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では乗員乗客3711人の全員が感染してしまうのではないかといった恐怖にさらされました(実際の感染者は昨日までの段階で712名、死者は12名)。

 ダイヤモンド・プリンセスに関しては当初から、感染拡大を防止する義務が、船籍のあるイギリスにあるのか、運航会社「プリンセス・クルーズ」が本社を置くアメリカなのか、寄港国である日本なのかが問題となりました。結局、乗客の割合が特に多く、実際の寄港地である日本が入管の問題として扱うことになり、手際の悪さが世界から非難されました。しかしイギリス人船長は一度も顔を見せず、詫びることもなく、3月28日に横浜港を離れて行きました。
 私にはこれが納得できない。

 納得できないと言えば日本で「ダイヤモンド・プリンセス」が苦しんでいる真っ最中の2月11日、「ダイヤモンド」とおなじプリンセス・クルーズ社が運航する「グランド・プリンセス」がサンフランシスコ港を離れ、20名を越える新型コロナウイルス感染者を出してあちこちの港から入港拒否にあうという事件が起こりました。船は二十日以上に渡って漂流するように移動を重ねましたが、最後はオークランドが引き受けてくれ、乗員乗客はアメリカ軍の施設で2週間を過ごすことになりました。

 さらに絶望的に驚くのは、3月に入って8日にオーストラリアのシドニーを出発した「ダイヤモンド」の姉妹船「ルビー・プリンセス」でもコロナ感染が起こり、19日にシドニーに帰港。到着時点で4人が陽性。31日までに162名の発症者と5名の死者を出しています。
 責任の所在が曖昧だとこういうことになるのかと、茫然として自失し、怒りもわいてきません。

 3月28日に横浜港を離れた「ダイヤモンド・プリンセス」も、今度は5月16日に神戸港を出発し中国・四国・韓国などをめぐるツアーを行うそうです。
 もうこうなると「すごい」としか言いようがありません。
 やりたいことをやって、ツケを誰かに払ってもらう――そういうことのできる人は、確かに世の中にいます。

 ひとりひとりが責任をもって、新型コロナと戦おうという掛け声が、むなしく聞こえるのはこういうときです。