「マスコミの不安商法が、国民の自粛意欲をくじく」~私は民放のニュースと新聞を見るのをやめた

 テレビを見たり新聞を読んだりすることに疲れた。
 なぜ疲れたかというと、これらを見ている限り、
 自粛なんてどんなに頑張ったって感染爆発を防げない気がしてくるからだ。
 しかしほんとうにそうなのだろうか?
 まだ諦めないでいい時期なのではないのか?
 そこで私は、これらを見ることをやめることにした。

というお話。

f:id:kite-cafe:20200415072439j:plain(「英字新聞とメガネ2」フォトACより)

【こんなニュースで意気が上がるのか?】

「お前は頭が悪いから、一生懸命勉強しろ(頭のいい人は勉強なんかしなくてもいい成績が取れるからいいけど)」

 これはいちおう筋の通った話ですが、そう言われて勉強しようと意欲を燃やす子どもがいるとは思えません。

 普通は、
「キミはやればできるんだから頑張れ!」
と励まし、そのまま放っておくと“やりもしないし、できもしない子”になってしまいますから、宿題の出し方だとか助言だとか、なんとかやらせる工夫をして、「やればできる子」が実現できるようにしてあげます。
 そして「やれた」「できた」という経験を重ねることで、“始める前から何となくできそうな気がして、だから頑張ってみようとする”そういう子を育てるわけです。もちろん子育ては理屈通りにはいかないもので、うまくいかない場合もありますが、「バカだから、頑張れ」よりははるかにいいはずです。

 それを前置きとして、次のリストを見てください。

  •   アメリカで「検査受けられず在宅死」が激増…日本もこの道を辿るのか(現代ビジネス)
  •   安倍政権「コロナ対策108兆円」にダマされるな…お粗末すぎる実態(現代ビジネス)
  •   日本政府の「胆力」では、残念ながら「人類の危機」とは闘えない(現代ビジネス)
  • 【独占入手】患者に隠されるPCR検査「3条件」とは?現役医師が告白「コロナ野放し」の実態(週刊朝日
  • 見えぬ出口、長期化に懸念 テレワーク移行など課題 緊急宣言から14日で1週間(時事通信
  • 50施設拒否の感染者も 忽那医師「崩壊始まっている」(朝日新聞
  • 岡田晴恵教授「想定内のこと」 中国調査班トップの「致死率はインフルの20倍」見解に(スポニチ・アネックス)・・・あれ?もともとインフルの20倍(2%程度)じゃなかった?

 
 昨日のYahooニュースから拾ったものです。 
 国の緊急事態宣言から一週間、こんなニュースを見て「さあ頑張ろう!」という気になるひとがいますか?

 

【数字は大きく、衝撃的であるほどいい】

 昨日、日本テレビは、
「人の流れ 平日で東京駅など3倍以上に」
というニュースを流しました。日本語として意味がよくわからなかったので思わず見入ると、東京駅構内の映像とともに大きなテロップが出され、月曜日の人出が、東京駅で266.9%、新橋駅で233.5%、六本木駅でさえ42.1%も上昇したと説明しています。
 これほど自粛が叫ばれているのに何が起こったのか――。

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(日テレニュース24時より)


 しかしよく聞くと、仕事を再開した月曜日の東京駅の人出が、前日の日曜日(自粛と雨とでガラガラだったあの日曜日)と比べて、266.9%上昇、つまり3.7倍ほどになったという話なのです。あのガラガラ状態が3.7倍になったところで大したことはありません。六本木に至っては1.5倍にすらならなかったのです。これは上出来といっていい話ではありませんか?

 事実、NHKだとこういう表現になります。
 政府が緊急事態宣言の対象地域で出勤する人を最低7割減らすよう要請する方針を掲げたあと初めての平日となった13日、東京や大阪などの中心部では、感染拡大前に比べて60%以上、人出が減ったことを示すデータがまとまりました。
(略)
 それによりますと、13日午後3時時点の東京 渋谷駅周辺の人出は、感染拡大前のことし1月中旬から2月中旬の平日と比べて65.2%の減少でした。
 緊急事態宣言が出る直前の今月7日の午後3時と比べると、39.4%の減少でした。
(略)
 大阪駅周辺では、感染拡大前と比べて67.7%の減少で、緊急事態宣言の前と比べると47%の減少でした。
(以下略)

(2020.04.14 NHK「出勤7割減の要請 きのうの人出 東京・大阪は60%以上減」

 コナンではありませんが「真実はひとつ!」。
 同じ状況を前日と比べて「人が増えた(小数点以下まで使って)4ケタも増加した」と示すのと、「日常との比較で東京では65.2%も減った、大阪に至っては67.7%も減った」と書くのとでは全く意味が違います。
 それは、
「みんなが頑張っている、あと少しで目標の7割だからオレも頑張ろう」
と思うのと、
「なんだ、全然、減っていないじゃないか。アホらしいからもうやめるわ」
と思うのと同じくらいの差です。

 【数を巨大化する不思議な枠組み】

 他にも作為とは言い難い作為がいくらでも見つかります。
 例えば一昨日(4月13日)のFNNニュース。

www.fnn.jp――私は東京や大阪、神奈川といった大都市の感染状況、そして全国の感染状況についてはいつも心に留めていますから、東京で200人増えたと聞けば「ああ大変な数が増えた」と嘆き、全国で500人増えたと聞けば、「あれ? 少なすぎる、何かの間違いじゃないか」と訝ることができます(実際に4月12日の499人で思考が立ち止まった)。
 しかし「首都圏」で何人かということはまったく浮かんできません。その枠で感染者の数を数えることなど、普通はないからです。

 厚生労働省やNHKのサイトに行けば全国の感染者数はすぐに分かり、東京都のサイトに行けば東京の感染者数はすぐに分かります。しかし「首都圏」の感染者数は計算しないと簡単には見ることはできません。
 それなのに、なぜFNNは「首都圏」なんぞを持ち出したのか――。

 4月13日(月)の東京の感染者数は166人でした。前日まで178人、188人、198人と増え続け、いよいよ200人越えかというときに166人に落ちたので、それがつまらなかったのでしょうね。

 実は東京都の場合、日曜日に検査を実施する機関が少ないようで、週初めの検査結果はいつも低く出るのです。たとえば3月22日(日)はわずか2人、3月30日(月)は前日の日曜日が68人、翌日の火曜日が78人なのに、間に入ったその日だけがたった13人です。また今月6日(月)、7日(火)は二日続きで異常な少なさが続いたあと再び上昇していますから、ほんとうに減少傾向なのかどうかは「3日以上続いて下がるかどうか」を見なくてはなりません。

 今週は(東京都の正式発表ペースで)一昨日の月曜日、先ほども申し上げた通り、ぐんと下がって166人。翌火曜日はさらに落ちて91人。ところが今日の発表では再び増加に転じて161人。予想通りというよりもほとんど予定通りです。
 ただし再び大幅増加といっても一昨日の166人には届かず、3日連続で新記録にならなかったのも3月22日以来ですから、もしかしたら感染拡大に歯止めがかかりつつあるのかもしれません。全国の様子もこれに似たものがあります。

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東京都のホームページページより)

 しかしテレビ局にとってはそんな細かなことはどうでもいいのでしょうね。
 昨日の関西テレビ近畿地方徳島県という特殊な枠組みで計算し、感染者1550人、死亡者25人と発表しました。
 近畿地方徳島県を加えた意味は分かりませんが(何かテレビ局側の事情があるのでしょう)、感染者数・死亡者数を合算することには、大きく衝撃的な数字を作りたいという欲望以外に、どんな理由も見出せません。
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(2020.04.13 カンテレニュース「近畿・徳島の感染1550人に 大阪で24人感染 京都では”院内感染”拡大」

 

【何のために数字をいじるのか】

 民放テレビ局は本気で「自粛なんて今ごろやったってもう遅い、さっさとアメリカ並みの感染爆発を起こして、安倍政権に責任を取ってもらいましょ」と決め込んでいるのでしょうか?

――もちろんそれは言いすぎです。
 テレビ局は視聴率が欲しいだけなのです。視聴者が恐怖に駆られて次々と報道番組にチャンネルを合わせてくれることを望んでいるだけなのです。
 そのために刺激的で不安をあおる大きな数字を作りたい。嘘でなければ何でもいい。その結果、恐怖のために人々が自粛を諦めても、日本が滅んでも、それは自己責任だから仕方がないと考えている――。
(あ、もちろんこれも言いすぎです)

 NHKがすべて正しいわけではないにしても、私はホトホト疲れました。
 しばらくは民放のニュース番組から離れ、新聞の見出しもできるだけ見ないようにして過ごすつもりです。
(こういう決心、守れたことはほとんどないのですが)