アベノマスクで堰が切れたのか、
手に入らない使い捨てマスクは諦めて、世は布マスクブームへ移行。
我が家でも夫婦で布マスクを作り始めた。
しかし県境を越えての移動が制限される時代。
家族が普通に会える日は、いつになったら来るのだろう。
というお話。
(妻のミーナが作った布マスク三種)
【布のマスクで行こう】
あれほどけちょんけちょんに言われたアベノマスクですが、一方でこれまで使い捨てマスクが買えなかった人から感謝の声が上がり、他方で「“うつさない”ことだけを考えたら布でも大丈夫。やはり必要」という声もあって、ちょっとした布マスクブームが起こりつつあります。
これまでマスクと縁のなかったデニム産業だとかタオル業界が参入し、長野市の靴下メーカーが手掛けた“縫い目のないマスク”はネット販売で2000枚が5分で完売だそうです。
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ブームに乗じたわけではありませんが、私の妻は家庭科の教員免許も持っているので裁縫はお手の物で、先週あたりからせっせと布マスクを作ってはあちこちに配り始めています。
私も一部手伝わされていて、上の写真の左の、紫の三枚は私が布地をカットしました。大中小のサイズ違いで、東京の娘夫婦と長男のためのものです(さすがに生後11か月の次男の分まではつくりませんでした)。
まだ反響は届きませんが、マスク嫌いの孫のハーヴが気に入ってくれればいいと思っています。
同じくマスク嫌いの私は、めったに外出しませんし使い捨ても多少持っているので必要ないのですが、布マスク普及のために一役買おうと、外出の時は自作のものを使っています。そうやって街を見回すと今まで気づかなかったのですが、布製マスクは案外多く、20人にひとりくらいはつけているように見えます。
「マスクには“うつらない”という意味での効果はない」としつこく言われてきました。しかし“うつさない”効果は万人が認めているところで、くしゃみなどによって飛び散った飛沫が手すりやドアノブにくっついていることを想像すると、
「すべての感染者よ、頼むからマスクを着けてくれ」
と願わざるを得ません。
ブームがもっと広がって、世の中のすべての人がマスクを着ける時代がくれば無自覚の感染者もつけているということになるのですから。
また、布でいいということになれば使い捨てマスクの買い溜めも減って、ほんとうに必要な人々の手に届くようになるかもしれません。
一部の報道では、それがアベノマスクの真の狙いだったという話もあります。確かに頭のいい人たちの考えることは違うと、感心したりもしました。
この分だとアベノマスクが一般家庭に届く前に布マスクが普及してしまうかもしれません。
【東京は”外(そと)つ国”、国境(くにざかい)は越えない】
ところでシーナ(娘)たちのマスクを作りながらふと思ったのですが、首都圏在住というだけで今はすでに異邦人です。これからはそう簡単に会うわけにはいきません。昔でいう「国境(くにざかい)」を越えてはいけないわけですから江戸時代に逆戻りみたいなものです。
上の孫のハーヴは本の読み聞かせをしてもらうのが大好きで、読み聞かせを“する”のが大好きな私とウマが合い、娘が帰省すると必ず私と寝て一緒に本を読むようにしていたのですがそれもお預けです。
もうすぐ誕生日の弟のイーツは絶賛高速ハイハイ中です。人間がハイハイをしている時期というのはほんとうに短い期間で、逃すと取り返しようがありません。街を歩いていれば親に抱っこされたりベビーカーに乗せられたりした赤ん坊に会うこともありますが、さすがにハイハイの子どもを見ることはありません。ですからできる限りイーツのハイハイも見ておきたいのですがそれも無理でしょう。
不満を言い出せばきりがありませんが、今の私の状況も、見かた次第では案外悪いものではないとも言えます。
シーナが単身で東京にいたらこんなに落ち着いてはいられなかったでしょう。しかし結婚しているので夫婦で話し合ってより正しいい判断ができるはずです。子どもが二人もいますから無茶もしないでしょう。
去年、息子のアキュラが東京から熊本に配属されたときは「なんということになったのだ!」と思ったのですが、意図しない一年前のコロナ疎開で心配も少なくて済みます。
「親と会うのは10年ぶり」みたいな話も世の中にいくらでもあります。今はネットを通して生の動きを交換することもできますから、ずっと恵まれています。
新型コロナ禍も1年を越えて続くとは思えません。それまではやはり――我慢かな。