「可能性のない正義は、無意味な悪より始末が悪い」~病院をダイヤモンド・プリンセスにしてはならない 

 とにかく政府のやることには何でも反対したいマスコミは、
 熱のある人が病院で診てもらえない不安を煽り立てる。
 不安はや不満は視聴率を取りやすいからだ。
 しかし誰が考えても正しいことは、政府がやっても正しいのだ。
 たまには政府の後押しをしてみろ!

という話。

f:id:kite-cafe:20200226093815j:plain(「コンサートで熱狂するファン」フォトACより)

【病院をダイヤモンド・プリンセスにしてはならない】

 38度の熱のある人に“4日間医者に行かず自宅で待て”というのは、一部の人にとっては“死ね”というのと同じです。真面目な日本人のことですから、おそらく待ったがために亡くなる人は出て来ます。しかしニュースでも繰り返し言っているように、現状で、その数は極めて少ないと考えられています。なぜなら日本人の99.99%以上は新型コロナウイルスに感染していませんし、インフルエンザの流行も抑えられているからです。


 それよりも恐ろしいのは、熱があって心配な人が病院に押し寄せ、日本中の病院がダイヤモンド・プリンセスと同じ状況になってしまうことです。
 これも改めて書くのも恥ずかしいほど当たり前のことです。

 思い起こせば新型コロナ騒動の初期、ニュースに映し出される武漢の病院はデパートの歳末大売り出し並みの混雑状況でした。重症患者らしい点滴をされている患者の近くで、肩を押しあって順番を待つ人たちがひしめいていている。
 今から思えばあの中には新型コロナと無関係の人も大勢いたのかもしれません。それなのに何時間も重症患者の近くに立って、わざわざ感染の憂き目にあったのです。

 現段階で感染者と確定したところで何か特別な治療をしてくれるわけでもない(薬があるわけでもないから)。そもそも検査薬が不足して調べてももらえないかもしれない。さらに感染者だとしても隔離してくれる施設もない。そんな状態で病院に行くのは愚の骨頂だと――これもまったく言わずもがなのことです。

 以上のことはすべて常識であって、まるで知識があるかのように書くことすら恥ずかしいことですが、書かずにおられないのは、
“それにも関わらず、マスメディアが病院から遠ざけられた人々の側に立って、診てもらえない不安や不満を煽り立てているから”
です。
 ものすごく不安な状況で「帰国者・接触者相談センター」に連絡したが規定に会わないと取り合えってもらえなかった、医者が検体を送ろうとしても拒否された等々――。
 そうしたVTRをさんざん流しておいてから、スタジオの専門家にマイクを向けて“それでも家で待機するのは必要なこと”みたいな話をしてもらっても、視聴者の気持ちには入って行きません。
 残るのは国民の気持ちに寄り添わない政府への不信感だけです。なぜそんな報道をするのでしょう?

 

【私は官僚を信じる。彼らが日本人だから】

 マスコミの仕事の大切なひとつが、政府の仕事のいちいちをチェックすることだというのは知っています。しかしそれは是々非々でしょう?
 なんでも反対、とりあえず文句を言って潰しておいてから考えましょう、では話にならない。

 文教政策については年がら年中ブー垂れている私ですが、文科省を非難するのは少しで学校側に有利な政策を引き出そうとするものであって、決して文部官僚がバカだとか、仕事をしていないと思っているわけではありません。

 私は日本の政府、特に官僚を強く信頼しています。根拠は、彼らのほとんどが日本人だからです。

 もちろん民間企業だって個人営業主だって、日本人が運営している限りは基本的に信頼できると思っています。
 さまざまに失敗や過誤はあるにしても、彼らは真面目で誠実で、ひとを騙そうとか少しでも楽をして儲けようとか狡賢いこととかを考えない人たちです。彼らのつくる製品やサービスは信頼できますし、取引に嘘はありません。
 私は生まれてこのかた、一度もお釣りに渡された紙幣がニセ札ではないかと疑って透かして見たこともありませんし、たいていの場合、小銭は数えないまま財布に入れます。それで騙される例はまずないからです。
 これまでの人生で一度だけ泥棒(スリ)に遭ったことがありますが、それはローマの地下鉄内のことでした。

 それほど信頼できる日本人の中で、公務員だけが常に私利私欲の人間を採用し続けていると考えること自体が愚かです。彼らの大部分は無私無欲人たちで、国家・国民のためにメチャクチャ働いています。
 そのことはたまに事件になるエリート官僚の自宅を見てもわかります。
 私の家より小さいのですよ。
 もちろん都会だということはありますが、それでも真面目によく働くサラリーマンと同程度です。官僚だから子弟を有名大学に入れられた、などという話もつとに聞きません。天下りが問題だといいますが、だったら再就職をどうすればいいのでしょう?
 日本の公務員は、どの国の公務員に比べても遜色なく優秀で誠実だ、それでいいはずです。

 

【可能性のない正義は、無意味な悪より始末が悪い】

 確かに、ウイルスの蔓延するクルーズ船に3600人もの人間を14日間も留め置いたことは人間的な仕業とは言えません。しかし他に方法があったかと言えば、どう考えてもあれ以外の道がありませんでした。
 マスメディアは繰り返し、「陰性の乗客は早く降ろすべきだ」と言い続けていましたが、14日たってじっさいに下船し始めると、「公共交通機関で自宅に帰すとは何事か」といった海外メディアに易々と乗ってしまいます。だったら最初から、“国内の他の病人・けが人を後回しにしてでも、のべ3600台分の救急車を用意して自宅に(それが北海道でも)搬送すべきだ”と言うべきだったのです。

 実現の可能性のない正義は、無意味な悪より始末が悪い。

 今は不安に耐えて、ひとりひとりが頑張るときです。
 大相撲の春場所だって各種コンサートだって、スポーツイベントだって、片っ端中止にしてしまえばいい。わずかな収入を得るために感染爆発の元凶の汚名を被ることもないでしょう。
 この際、学校も必要なら迷わず休校にして、学習を積み残したままでも進級・卒業させてしまえばいい。この期に及んで未履修がナンチャラとか言い出す愚か者の話など、聞く必要はありません。