「我が家の事情で国会に物申す」〜国会の加計問題と我が家の家計問題②

  あまりにもいろいろあるのですっかり忘れていましたが、今年6月ごろはニュースをつけるたびに国会は「モリカケ問題」で、しかも一向に進展しないことに私たち欲求不満を抱えていました。
「国会はモリカケばかりでなく、他のことも審議もしろ」との国民の声に対し、議員から「いや他の審議もやっているのだが、テレビが扱ってくれない・・・」と戸惑いの声が聞こえたほどです。
 国会に昭恵夫人を呼べ、加計孝太郎氏を招致しろとか言ったってそこから何かが出てくる気配はまるでなく、国民は倦いていました。
 そして総選挙が終わり、ほとぼりが冷めたかとと思ったらまた始まるようです。いったいどうなるのか・・・。
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加計学園問題の根幹】

 我が家のウサギの件がありますので「モリカケ」のうち森友の方を横に置いて(をい!)、加計学園問題について簡単に復習すると、
 昨年11月、岡山市の学校法人「加計学園」が愛媛県今治市獣医学部を新設することを国が認めた際、その手続きをめぐって加計学園理事長の友人である安倍首相、あるいは首相側近による不適切な関与があったのではないかとする疑惑
のことを言います。

 具体的に言えば、
1、 獣医学部設置をめぐる手続きの中で安倍首相の便宜供与はあったのか。
2、 あるいは首相側近の忖度による圧力はあったのか(「総理のご意向」などとする文書の内容は正しいのか)
3、 そもそも獣医学部の新設は必要だったのか。
4、 必要だったとして、加計であることの妥当性はあったのか(同じく獣医学部新設を目指していた京都産業大学は意図的に外されたのではないか)。
といったことになります。

 この4項目のうち現在手に入る資料で説明できるのは3番だけで、これについてはすでに一般的な証明がなされています。
 代表的な説明によると、
 確かに、地方、なかでも獣医学部を備えた大学のない四国では、とりわけ検疫などに携わる公務員獣医師の不足が深刻です。しかし、データで国際的に比較すると、「日本全体では獣医師は不足していない、むしろ多いくらいである」ことが分かります。だとすると、問題は獣医師が特定の地域や職種に偏っていることにあるはずですが、獣医学部の新設という「供給の増加」で臨むことは、解決策としては疑問が大きいといえます。
加計学園問題に関する単純な疑問「日本では獣医師が不足しているのか?」:データでみる国際比較

 しかし国土の大きさや畜産の在り方、求められる技術水準などが全く異なる諸外国との比較において、獣医師は足りているから十分だというのは乱暴な論理で、例えば牛100頭の牧場をひとつ相手にするのと、20頭の牧場5つを対象にするのとでは全く異なってきます。
 さらに問題が
 獣医師が特定の地域や職種に偏っていること
である以上、全体の数字を見ても意味はありません。

 上の記事では結論として
 獣医学部の新設にこだわるより、給与・待遇などの改善を含め、「地方の公務員獣医師」というポストに人材をリードしたり、民間の獣医師に公的業務に協力してもらったりするためのインセンティブを考える方が、はるかに効率的・効果的ではないでしょうか。
を提示していますが、それができるならとっくにやっているはずです。

 昨日私が計算したように町の動物病院の月収が300万円弱だとして、一般の動物病院にはあまりない時間外勤務手当など考慮すると年にざっと5000万円。それだけ提示すれば四国のド田舎の公務員獣医師になってくれる人も出てくるかもしれません。しかし四国のド田舎(四国の方、すみません。加計学園をあつかっているのでそういう言い方になります)にはそれだけの財力がないから問題になるのです。

 

【「地方の公務員獣医師」の不足に「供給の増加」で臨むことは、解決策となるのか】

 私はなると思っています。そのよい例が弁護士です。

 2006年の司法制度改革によって弁護士はそれまでの2倍以上の速さで毎年増加しています。かつて3%前後だった合格率は現在20%を越えて、7倍以上も楽になったのです。
 7倍も楽になったのに合格者が2倍にしかならないことにはからくりがあって、受験者が激減しているのです(2003年=45,372人、2016年=6,899人「司法試験の受験者数、合格率の推移と難易度」より)
 「弁護士が増えすぎて食えない」ことが定評になるとともに実際に「年収300万円の弁護士」が出現しはじめると、司法試験は何年も浪人して合格すべき資格ではなくなってしまったのです。受験者が激減するも当たり前。まさに弁護士受難の時代です。

 しかしそれは地方にとっては天恵でした。
 都会で食えない新米弁護士たちは地方に流れて来てそこで開業します。弁護士がグンと身近になったわけです。
 弁護士事務所のテレビ・コマーシャルなんて以前は全く考えられないことでしたが、今は平気で流れています。いざというときは(名前だけにしろ)知っている弁護士がいるというのは心強いことです。
 「過払い金」などという言葉は聞いたこともありませんでしたが、無料相談を受け付けてくれることで試してみようという人も増えているはずです。
 弁護士の供給増加は、確実に地方に恩恵をもたらしたわけです。

 獣医師だって同じです。供給が増えて競争が始まれば「動物病院では食えない獣医師」が出てきて当たり前です。診察料だって下がるかもしれません(ここが私のねらい目)。
 さらにそれでも不安定になると、“だったら収入は少なくても安定した公務員獣医師へ”、しかも“慣れた愛媛県で”という人が出てきても不思議ありません。というか必ず出てきます。
 不十分な給与で人を引き寄せるにはこれしかありません。

 

【獣医師ばかりでなく】

 獣医師ばかりでなく、人間相手の医師だって同じだと私は思っています。
 医師の供給過剰で開業医が苦しくなれば、多少収入が下がっても勤務医に戻ろうとする人は多いでしょう。
 全体の収入水準が下がれば、大病院はそれまで10人に支払っていた同じ賃金で11人を雇えるようになるかもしれません。その分、一人ひとりの勤務負担は減ります。
 どうせ勤務医なんて給与は高くても使う暇がないのです。給与が1割下がっても負担がそれ以上に減れば受け入れる余地はあるはずです。

 そんなに増やして医師や獣医師の技術レベルが下がったら困るという人がいるかもしれませんが、大丈夫、医学部や獣医学部の合格水準はべらぼうに高すぎます。多少落としたくらいでは私のようなアホの入る余地は生まれません。

 以上、なんとかウチのウサギの治療費が下がらないかと、あれこれ思案した老人のたわごとでした。

 あとの問題は、岩盤規制かな?