働かない子は許さない


 昔、中学校に勤めていた頃のPTA親子作業で、一人のお父さんがある女の子に、

「○○さんはよく働くね」

と寂しそうに語りかける場面を見たことがあります。私にはその悲しみがよく分かりました。

 その人の娘は、同じ時間を別の場所で、別の女の子たちと、ただ喋ったりふざけたりして過ごしていたからです。親の言うことも教師の言うことも、全く聞かない子でした。

 掃除の時間に見ていると、教師の隙を見ては遊んだりおしゃべりしている子がいます。そういう子を見ると、しばしばそのことを思い出します。

 自分の子のそんな姿を見たら、親はどんなに情けなく、どれほど悲しいことだろう。

 もうひとつ、

 掃除中に遊んでいる子を見て思うのは、この子たちは教師のエコヒイキは絶対に許さないのに、自分へのエコヒイキは平気で許す、ということです。

 隣に一生懸命働く子がいるというのに、どういう特権がお前のお喋りや遊びを許しているというのか。

 なぜあちらが奴隷のように働き、こちらは貴族の子のように遊んでいていいのか。

 働かない子は絶対に許さない、と思うのはそういう時です。