「明日から12月」~12月のウンチク

 明日から12月、日本では「師走」という言い方もしばしば使います。元は僧侶が仏事で走り回る様を言ったようですが、師を「先生」と解釈し、日ごろ落ち着いている先生でも走り回るほど忙しいという説もあります。これについてはよく子どもたちに話したりしますね。

 英語のDecemberは、「10番目の月」の意味。繰り返し言っていますが、古代ローマ暦で1年はMarch(3月)からスタートしたのでそこから数えて10番目という意味です。(古代ローマ暦ではFebruary《2月》が最終月ですのでそこで1年の帳尻を合わせました。普通の年に2月が28日しかないのも、閏年に2月を29日にするのもそのためです。閏秒は6月か12月の末日に調整します。)

 12月の記念日としてはまず8日。太平洋戦争開戦の記念日であるとともにビートルズジョン・レノンの殺された日でもあります。
 12月9日は夏目漱石の命日である「漱石忌」、10日は「世界人権デー」。12月17日は「ライト兄弟の日」(世界で最初に飛行機が飛んだ)記念日です。21日は冬至で、一年で一番昼の時間の短い日です。12月23日は天皇誕生日、24日がクリスマス・イブ、25日はクリスマス、そして31日が大晦日(おおみそか)。今年もこの日で終わってしまいます。 

 日本は江戸時代まで月の満ち欠けを中心とした太陰暦が使われていました。月の満ち欠けの周期(これを朔望月《さくぼうげつ》と言いますが)は、月の複雑な動きによっておよそ29.27日から29.83日(平均して29.530589日)となっています。そこで太陰暦では一ヶ月を29日または30日とし、この大小の月を交互に配置してカレンダーをつくりました。

 しかしこれだと1年の日数は353日〜355日で、太陽暦の365日より10日ほど少なくなってしまいます。そのままにしておくとどんどん生活実感と合わなくなるので、3年に1度ほど、1年を13ヶ月として余計な月一か月分入れます。これを閏月(うるうづき)といい、閏月のあるとしを閏年と言いました。

 太陰暦はとても便利で、夜、月を見るだけで大体の日にちが分かります。月が見えなければ一日(ついたち)、三日月だったら三日ごろ、満月は15日で、また月のない日がきたらそれは30日か翌月一日になります。月が見えないのに「新月」というのは月暦が改まったからです。

 一月の最終日の30日は「みそか」と読まれました。三十路(みそじ)というときの「みそ」です(私は子どものころ、味噌日だと思い込んでいたのでいつも不思議でした)。ですから一年の最終日は「大みそか」です(今は31日のことですが)。現在は「大晦日」と書きます。しかし本来は「大三十日」と書いたほうが分かりやすい考え方ですね。

 旧暦では年を越すと一斉に一歳年を取ります。新しい年齢になります。そこから大晦日をお年取りといったりします。

 12月はしばしばベートーベンの「第九交響曲」が演奏されますが、別に12月と「第九」に因縁があるのではなく、オーケストラが年越しの資金集めをしなくてはならず、その際「第九」がもっとも人を集めやすいから選ばれたといわれています。