カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「都道府県差」~実は教育制度は都道府県でかなり違うらしい

 妙な題名ですが、要するに学校の具体的なあり方の、都道府県による違いといったものについてです。

 一口に学校教育と言っても、都道府県によってずいぶん差があるらしいと気がついたのは、初めて県外の授業研究会に出席した時のことです。とにかくバカでかい研究会で体育館に500人以上の参観者が集まったためさっぱり授業が見えず、早々に諦めてしまった私は呑気に校内めぐりをしていました。主として教室をあちこち覗き、掲示物や作品の質を眺めていたのですが、日課表に目をとめてそのままその目がテンになってしまいました。

 なんとその学校では、週に3回、月・水・金にしか掃除がないのです。火曜日・木曜日のその時間帯はドリル練習の時間になっていました。今から15年も前のことです。

 そう言えば一昨年あたり、横浜市の学校ではトイレ掃除を業者にやらせ、児童生徒はやったことがないという話が新聞に載って、世間の人々を驚かせもしました。

 さらに大昔のことです。私は教育実習を東京の中学校で行いましたが、7時50分に学校につくと実習生以外誰も来ていない、というのにまず驚かされました。電車の都合で毎日その時間の登校になるのですが学校に着いて5分後、つまり7時55分に自転車でやってきた用務員さんが門扉のカギを開けてくれます。そしてここからがすごいのですが、その25分後(8時20分)には600人余りの生徒と30人ほどの職員が全員そろってしまうのです(わずかな遅刻はあると思うのですが)。ものすごい勢いで人が集まってくるということです。

 また、そのころの東京は「昼休みに私たちは休んでいない」(給食指導などをしているので)ということで、労働者としての権利の昼休みを放課後につけてしまっていたので(これを東京方式と言いましたが、今はやっていません)、職員の退勤時間が午後4時でした。そしてその4時になるとまたもや驚くべきことが始まります。
 それは4時10分の段階で校内に残っているのは校長先生と教頭先生(今は副校長)、そして部活指導の4人の先生とあと1〜2名、そして私たち実習生だけなのです。600人規模の中学校なのに部活が四つしかなく、ほとんどの生徒と先生は4時きっかりに家に帰ってしまい、学校は閑散とします。

 昔、中国地方出身者の教員と話した時、「オレは大学に入って初めて2年連続で同じクラスだった」というのに驚かされました。小学校1年生の時から高校3年生まで12年間、毎年クラス替えがあってすべて担任が違っていたそうです。

 先々週、◯◯教育研究部会というのに行ってきました。全国から160人ほどの先生が集まってきました。
 その席で、ある県の先生が「小学校から中学校に異動してきた先生が苦しい」と言い、別の県の先生が「いや逆だって苦しい」というのを聞いて東京都の先生が「え? 小中交流人事ってそんなに盛んなのですか?」とびっくりしていました。「小中交流人事」と言われてこちらもびっくりです。別に「交流」という意味での校種変更ではないのですから。

 すると横合いから関西圏の女性の先生がチャチャを入れて、「私の経歴、幼稚園と小学校が半々です」などとおっしゃる。これにもたまげました。

 この会には今後も年4回ずつ出席するみたいです。次回は山ほどのアンケート項目を抱えて、片端から取材して回ろうと思っています。