カイト・カフェ

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「テレビに出てくる子どもたちが愛おしい」~YOASOBIの「アイドル」を観ながら思ったこと

 2023年紅白歌合戦のビデオを繰り返し見ている。
 そこに出てくる若者たちが実に愛おしいのだ。
 彼らこそ、私が消えて行こうとするとき、
 生き生きと人生を生き始める人たちだからだ。
という話。(写真:フォトAC)

【子どもたちが愛おしい】

 ここのところかれこれ一カ月、毎朝必ず見て、自分自身に気合を入れている録画番組があります。昨年末の紅白歌合戦の最後から3番目の曲、YOASOBIの「アイドル」です。国内のテレビ番組では初めての演奏だったそうです。
 何がよかったかというと――もちろん曲も歌もよかったのですが、紅白でなければ一堂に会することのないようなアイドルたちが、それぞれ1フレーズだけ踊って見せたのです。その数12のチームとグループ、そして2人の個人。
 
 櫻坂46、JO1、Stray Kids、SEVENTEEN、NiziU、NewJeans、乃木坂46、BE:FIRST、MISAMO、LE SSERAFIM、アバンギャルディ、REAL AKIBA BOYZ、ano、橋本環奈、
と偉そうに書きながら、まがりなりにも事前から知っていたのは櫻坂46と乃木坂46(区別はつかない)、昨年も出ていたのでNiziU、アバンギャルディ、ano、橋本環奈と半分以下です。というか逆に言えば、ここ十数年の紅白歌合戦は「聞いたこともない人ばっかり」の印象がありますから半分近くも知っていたことにむしろびっくりしています。

 で、なぜその時のVTRを繰り返し見ているかというと、私はこの子たちが可愛くてしょうがないのです。みんなりっぱな大人ですし、MISAMOに至っては幼さのカケラもなく、韓流グループは世界を席巻し、橋本環奈は国内最大の音楽番組(紅白歌合戦)を掌に乗せて転がして見せるほどの凄腕ですが、それでも可愛い。
 たぶん老人ホームに小学生が慰問に来てくれて、「その仕草があまりにも可愛くて元気をもらいました」と、それみたいな感じなのかもしれません。

【天使と悪魔の最終決戦】

 私からすれば半世紀近くあとから生まれた、まだオムツさえつけている感のある子どもたちですが、すでにたくさんのドラマをもっていて、例えば紅白のステージで橋本環奈とanoが登場するに際し、橋本が両手の親指と人差し指で四角をつくり、anoが両手の人差し指で床を示して舌を出す一組の仕草は「天使と悪魔の最終決戦」という、なんのことかさっぱり分かりませんが、ファンにとっては悶絶するほど有名なものだそうです。二人にそれなりの歴史があるということです。
 勝手な思い込みですが、橋本環奈という人は素直さと天真爛漫さを先頭にすべてを持っているような子で、令和の榊原郁恵ちゃんと言っていいほどに健全な娘に見えます。芸能界の健康さの象徴として存在し続けてくれるといいな、と思ったりします。しかしanoは危険でしょう。無邪気は橋本環奈なみかもしれませんが、カルメンのように性質が悪そう。誰かメチャクチャ打たれ強いおとながそばにいて、保護し続けてやらなくてはいけないと思うのですが、そんな人がいるのでしょうか? (手を上げそうな自分を私は抑えています)

【タトゥーあり】

 私はYOASOBIのコンポーザー(これも何のことか分からん)のAyaseにも興味があります。
 高校一年で中退して山口県・福岡県でバンド活動を続けたあと上京。しかし思いを果たせず、毎日「死にたい」「死にたい」と思いつめる日々を送るうちに重度の出血性胃潰瘍を患い入院。その入院中にボーカロイド初音ミク」と出会い、そこからプロの音楽家としての展望が開けてくる――。
 Ayaseは成功の道を歩み始めることができましたが、都会に出てきて絶望して地元に戻る若者は、今も昔も絶えません。私もかつて、それに近い部分がありました。
 国内では敢えて隠すようにしていますが、襟や袖口からはかなりの広さのタトゥーが見えています。面倒くさい半生を送ってきたのでしょう。こうした青年は大人になっても単純な生き方を選択しないのが通例です。注意してみていましょう。

 ボーカルのikura(幾田りら)はそれに比べるとずっと素直な生き方をしてきたみたいです。オーディションに繰り返し落ちて、といた苦労話も聞こえてきますが、理解ある両親のもとで健康に育ってきた素直さと品の良さが感じられます。Ayaseという危険人物と一緒ですが、なんとかうまくやってほしいいものです。どちらがどちらに影響を与えるかは、運の強さによります。

【世界中が孫】

 私が今回、魅かれたのはNewJeansという韓流女子グループです。紅白の時は気づかなかったのですが、1月7日にNHKで放送された「NHKスペシャル 世界に響く歌 ~日韓POPS新時代」で扱われていて、心魅かれました。指先まで一糸乱れぬダンスと歌というのが韓流ポップスの特徴だそうですが、NewJeansは敢えてそこを少しずつずらしていこうとしていると説明されていました。

 5人組なのに紅白の「アイドル」で踊っていたのは3人だけでした。なぜかと思ったら未成年が二人いて、午後9時以降は出演できなかったのです。しかし3人とも実に楽しそうに踊っていて、そのうちの一人は終始ikuraに合わせて歌っていました。
 私はすっかりお祖父ちゃんの気持ちで、「がんばれ!」と声をかけています。そしてNewJeansの孫が帰って来た時に一緒に「アイドル」が踊れるように、練習しておこう、などといった気にもなるのです。齢を取るというのはそういうことです。
 腕を組んで左足キック、右足キック、高いところでトラベリングの判定(もしくは柔道の”積極的攻撃なし”)、アヒルの恰好でぴょこぴょこ一回り・・・

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