「“1万人にひとりのバカ”に振り回されないで、大型連休も自粛を頑張る」~あの人たちとの付き合い方

 いよいよ大型連休の始まり、
 街も観光地もそこそこ自粛がうまくいっている様子だ。
 ただ、そんな時にも関わらず、観光に出かけ、故郷に帰省するバカがいる。
 しかしそれでも怒ってはいけない。彼らは1万人にひとりの稀有なバカ者だからだ。
 それよりも9999人のすてきな日本人に目を向けよう。

というお話。

f:id:kite-cafe:20200501072731j:plain(「沖縄 瀬長島からみえる那覇空港滑走路」フォトACより)

 

【大型連休初日の成果】

 一昨日(29日)は心配された大型連休初日でしたが、1月中旬から2月中旬の休日の平均と比較したデータで大阪・梅田周辺が87.6%減、東京・新宿周辺で81.7%減と80%を越え、「特定警戒都道府県」に指定された他の11道府県でも横浜駅周辺の78.2%減を初めてとして軒並み70%以上の減少を記録しました。


 達成できなかった場所としては水戸駅周辺の57.5%、岐阜駅周辺57.3%などが上げられますが、茨城や岐阜がここのところ新規の感染者が少ないので気がゆるんだというよりは、梅田や新宿と違って大きな歓楽街があるわけでもなく観光都市駅でもないために、そもそも不要不急の訪問者が少ない、その分、減少幅も小さいということなのでしょう。同じ地方都市でも観光色の強い京都・金沢・札幌の周辺では70%を越える減少となっています。

 一方いわゆる観光地の様子はどうかというと、同じ条件で長野県の軽井沢駅周辺で80.6%、神戸市のメリケンパーク周辺で73.4%と70%を超える大幅な減少となり、金沢市兼六園周辺が63.4%、東京・浅草の雷門周辺は60.9%など、いずれも60%を超える減少でした。
 ニュースで紹介される新宿駅や渋谷駅周辺の人通りの少なさにはだいぶ慣れてきましたが、浅草の仲見世通りは店舗の装飾が鮮やかすぎることもあって、人影のない風景はまるでコンピュータ・グラフィックスみたいで不気味でした。
 たしかにあれほど繰り返し警告されれば、なかなか出て来られないのも当然です。

 ところが同じ警告を耳にしているはずなのに、敢えて遠出をしないではいられない人もいます。

 

那覇空港の惚けた人々】

 29日の那覇空港ではゴルフバッグを手にした団体客も見られたといいます。個人ならともかく団体というからには少なくとも5~6人はいたと思うのですが、誰一人反対せずに来たというのがスゴイじゃないですか。ヤクザ屋さんかなにかのグループで、“親分”が言い出した以上だれも反対できないといった事情でもあったのでしょうか。

 それとは別に、インタビューを受けた若者は、
「実家の面倒も見なくてはいけないし、大阪にいても怖いだけだからこちらにいた方がいいかと思って帰ってきました」
とか惚けたことを言っています。
 面倒を見なくてはいけない家族がいるなら“大阪にいるのは怖い”云々は関係ないでしょうし、“こちらにいた方がいい”はアンタの事情で、沖縄145万県民はこぞって“あちらにいた方がいい”と言うでしょう。

 また別の、ほとんど人気のない浜辺にやってきた若者観光客は、
「家にいるのが嫌いなのでこちら(沖縄)に来たけど、だれもいませんねぇ」
とこれまた惚けたことを言っています。“家にいるのが嫌い”は沖縄に来る理由にならんだろう。
 返す言葉が見つかりません。

 

【東京の呆れたパチンコ店代表者】

 営業を自粛すると言っていたのに実際には営業していた東京のパチンコ店代表は、
「自粛したくても100万円程度の補助金では家賃も従業員の給与も払えない」
(それはどこも同じだ)
「それで仕方なく営業している」
(同じ状況で休業している店はいくらでもあるぞ)
「それなのに店名を公表するというのはあまりにもひどいじゃないか」
(だったら休業すればいい)
「これではまるでパチンコ業界だけが悪者扱いで納得できない」
(お前のおかげでパチンコ業界全体が悪者扱いされているのだ。納得できないのはむしろ進んで休業した同業者たちだろう)
と、いくらでもツッコミどころのある話を、まるで正義のように語ります。
 その物言いを聞きながら、私は何を考えたらいいのか、何を感じたらいいのか、途方に暮れてしまうのです。

 同じパチンコでも客の方、大阪から県境を越えて和歌山県までやってきた客は、
「もう40年もやってるんだから今さらやめられねえよ」
「家にいてもつまらないから、ストレス解消」
「ダメだっていうなら営業の方を止めりゃあいいんだ。そうしたらオレも来ねぇ」
 こまでいう人たちは多かれ少なかれ依存症の傾向がありそうですからなかなか文句の言いにくいところですが、“店が閉めてくれれば来ない”というのは子どもの論理です。

 

【1万人にひとりの特別なバカとの付き合い方】

 さて、そんなときいつも頭に浮かべるのは、
「人口1億2700万人のこの国には、1万人にひとりという大バカ者が1万2700人もいるのだ。いちいち目くじらを立てるものではない、怒っても仕方ない」
というおまじないの言葉です。

 1万人にひとりというのはほんとうに特別な人で、めったに会うことのない人です。もちろん街ですれ違うとか、スーパーマーケットのレジ係が客として相手にしなくてはならないといった場合もありますが、その程度だと全く影響を受けないか短時間でかわすこともできますから、あまり問題にならないでしょう。
 こういう困った人たち、変な人たちはテレビの中にしかいないと考えて、イライラしない方が心の健康です。

 難しいのはそうした特別な人とどうしてもきちんと向かい合わなければならない人たちです。先ほどのお話しした“那覇空港にゴルフバッグを持って降り立った人々” を例にすると、空港を出たあと乗るだろうタクシーの運転手、宿泊するホテルの従業員、ゴルフ場の担当者、そういった人たち。

 しかしこれほど自粛が叫ばれている中で、マスコミに取材されるとか、もしかしたら粘着質のネット市民に写真を撮られてどこぞのSNSに上げられ、みんなに追跡されるかもしれないといった危険さえ顧みない1万人にひとりの変人ですから、極めて危険なことは間違いありません。
 「必ずマスクをしてください」とか「手洗いをしてください」などとお願いしてもきちんと守ってくれるはずがありません。まったく信用ならない。そしてその「まったく信用ならない」という点においては、完全に信用することができます。

 こういう人たちは本土にいるときから無頓着に生きているはず。コロナ感染なんかまったく気にしていない、気にしていないから感染している確率もかなり高い――。
 ですからタクシーは客が下りたら隅々まで徹底して消毒しましょう。ウイルスはあちこちについています。ホテルやゴルフ場は、軽症者を預かっている東京のホテル並みに緊張して、彼らのあとを見えないようについて回り、消毒し続けなくてはなりません。積極的に拒否しなかった以上そのくらいの苦労は甘受すべきです。

 人との接触を8割減らしましょうと言われても半分しかできない人もいます。だったら8割減らせる人が4人、9割減らして不足分を補えばいいのです(計算はあっているのかな?)。そのくらいのおおらかさがないと、世の中は渡っていけません。

 マスコミもそんな1万人にひとりのバカを追うのではなく、9999人の自粛を頑張る、真面目な人々を取り上げて評価するべきなのです。