カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「教員採用試験競争率2.8倍は、採用数増加のせいではない」~終業式だというのに腹が立つ

 終業式の午後は、教師にとって至福の時間。
 教師がお互いに「ご苦労さん」とねぎらい合えばいいだけなのに、
 どうにもこうにも腹の立つことが多すぎて、
 今日も話が長くなった。
という話。

f:id:kite-cafe:20191225070730j:plain(「学校の階段・踊り場」PhotoACより)

【終業式:先生方、ご苦労様でした】

 先生方、長い二学期、ご苦労様でした。
 無事通知票も書き終えて、さぞかし今はほっとしておられることでしょう。あとは子どもたちの心に残る話をして、穏やかに送り出すだけです。

 校長先生は、終業式にどんな良い話をしてくださるのでしょう?
 足りない部分があれば、担任の先生が補っておいてください。

 私は終業式が終わって子どもたちを送り出した後の、森閑とした校舎の雰囲気がとても好きでした。とりあえずこの時間だけは、何にも追われず、心安らかに過ごすことができます。

 

【腹に据えかねたこと諸々、そして一昨日】

 振り返ってみれば今学期も、実に腹立たしいことの多い日々でした。

「神戸の市立小学校の同僚いじめ事件は、ほんとうにあそこまで追いつめなくてはならなかったのか。いまだに懲戒処分の出ないのはなぜか、刑事告訴はどうなった?」
とか、
「20代以上の大人の英語力が諸外国に比べて低いのは、学校教育のせいなのか。PISAの読解力15位はそんなに問題なのか」
とか、
「『桜を見る会』で国会がバタバタしている間に、『変形労働時間制』を柱とする『教員の働き方改革法案』がマッハのスピードで決まってしまったが、それでいいのか? 人は増やさず仕事は減らさず、それで行われる『教員の働き方改革』って恐ろしくないのか?」
とか――。

 一昨日は一昨日で文科省から「令和元年度(平成30年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント」が発表され、小学校の採用試験が全国平均で倍率2.8倍になってしまったと各界に衝撃を与えています。

 文科省の分析だと、
・採用者数が平成12年度以降ほぼ一貫して増加しており、近年の採用倍率低下は、大量退職等に伴う採用者数の増加の寄与するところが大きい。
・例えば、小学校において採用倍率が過去最高の12.5倍であった平成12年度においては、受験者数が46,156人、採用者数が3,683人であるのに対し、令和元年度においては、受験者数は47,661人とむしろ増えている一方、採用者数は17,029人と5倍近くに増えた結果として、採用倍率が2.8倍まで低下している。


 マスコミの多くもこの分析をもとに記事を書いていますが冗談じゃありません! 採用者数が最低で競争率が12.5倍もあった平成12年をもとに考えるのは、とんだ我田引水・牽強付会です。

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 誰も10倍を超える競争率が必要などと言っているのではなく、教員採用試験なんて4~5倍もあれば十分で、就職超氷河期の平成7年から15年あたりまでの特異期を除けば、ずっとその程度でやってきたのです。

 最近で言えば平成16年から平成25年までは大体そんなもの。ところが平成27年に4倍を切ってからわずか5年で2.8倍なのです。

 確かに採用者数は平成25年に比べると3400人も増えましたが、受験者の方は1万1000人も減っているのです。

 小学校において採用倍率が過去最高の12.5倍であった平成12年度においては、受験者数が46,156人(中略)であるのに対し、令和元年度においては、受験者数は47,661人とむしろ増えている

 だからこの言い方は汚いのです。受験者の減少をわざと低く見せようとしています。

 特別支援学級・学校を充実した、30人学級を増やした、定年退職が増えた、だから採用者数が増えて倍率が下がったが、受験者減は大した問題ではない。
――そうか? 

 1980年代初頭に第二次ベビーブーマーが就学期を迎えたため、教員の大量採用がありました。そのとき教員になった人たちが今年度あたりをピークに定年退職を迎えつつあります。

 文科省の言う通りだとすると、今後採用者数は減っていかなくてはなりません。それにつれて倍率も上がっていくはずですが、どうでしょう。注意深く見ていくしかないですね。
(再任用のことを考えると、本当はもう減っていなくてはならないと思うのですが・・・)。

 

【それでは、皆さま、よいお年を】

 今日の記事はグンと短くするつもりでしたが、頭に来ているとどうしても話は長くなります。

 先生たち! 忘年会ですよね。
 自家用車で会場に向かわれる先生! 明日の朝にアルコールを残さないように!
 セクハラ・パワハラの加害者になることが心配な先生! “今日は飲まない”という選択肢もあります。
 セクハラ・パワハラの被害者になることが心配な先生! 心理的武装をして出かけましょう。 逃げること、戦うことも相手に対する親切です。酔いが元で懲戒免職になったら家族が困る先生もたくさんいますから。
 気の緩む日ですが、緩ませすぎないように。


 それでは皆さま、よいお年を!!


 *学校に合わせて書いているこのブログも冬休み入ります。再開は1月8日を予定していますが、腹に据えかねることがあれば書く日もあるかもしれません。
 来年もよろしくお願いします。