新しく9名の先生をお迎えして新年度が始まります。
私はいつも思うのですが、仕事には『旬』があります。この時期でなければできない、今でなければ分からないことがあるという意味です。
具体的に言えば4月に新しい学校に移ったときの、その学校に対して持った小さな違和感、驚き、喜び、不快感といったものです。
例えば(つまらないことですが)この学校に来たとき、私がとても気になったのは廃紙を入れる段ボール箱でした。美しい学校の中で、そこだけが汚いのです。崩れかかった箱で廃紙の分別表示も剥げかかり、とてもみっともなかったのです。
しかしそれも、あれこれ別のことにかまけているうちにあっという間に慣れてしまいます。苦にならなくなるのです。結局2年後、「かつては気になったのだからやはりやっておこう」、そんな気の入らない理由で直すことになりました。
箱を新しくし、周りを包装紙で包んで見栄えの良いものにし、表示もしっかりしたものにしました。たったそれだけのことですから、もっと早くやっておけば自分自身も気持ち良かったはずなのですが。
逆に、この学校に来た時に感じた驚き・喜び―子どもたちの素直さ、まじめさ、前向きでよく頑張ること、そういうものにも慣れてしまい、それがどれほど例外的なことなのか、どれだけ貴重なことなのか、日々感謝をする気持ちも忘れてしまっています。
今回この学校に赴任された先生は、今まさに旬なときです。違和感や驚きが新鮮なうちに直せるものは直し、改善できるものは改善し、あるいは良きことは昂進させる道筋をつけておきたいものです。
私を含め、今回この学校に残留した先生方も1年前、2年前、あるいは3年前の旬な気持ちを思い出し、やがてこの学校をあとにする時にし残したことがないよう、今から計画的にことを進めておくとよいでしょう。
いよいよ新しい一年が始まります。今年度もよろしくお願いします。頑張りましょう。