カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「子どもはいつまでも子どものままでいい」~通過儀礼のなくなった日本の現代

 昨日、何となくテレビを見ていたら、にっぽん夏紀行「青い海に飛びこめ〜高知・柏島〜」(NHK)という番組をやっていました。

 説明によると「海に囲まれた高知県柏島。港にかかる橋から6メートル下の海に飛び込めるようになると、子どもたちは一人前と認められる。 小学校5年生の拓也君は、今年こそどうしても飛びたいと思っている。なぜならお父さんのような漁師になりたいが、父は『橋ジャンプ』ができない拓也君を船に乗せてくれないからだ。しかし、どうしても飛べない。
 6年生は全員が飛べ、4年生の女子にも飛べる子がいるというのに、5年生の数人がどうしても飛べない。やがて幾度かの試練の後に、拓也君を除く5年生全員が一気に飛べるようになる。しかし拓也君はまだ迷っている。けれどその夜、拓也君は作文の最後に書く。『夏休みには、きっと橋から飛べるようになりたい』」
と、そんな話でした。

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 見終わって初めて知ったのですが、実はこれは昨年の番組の再放送で、番組終了後、「今年の拓也君」とう別の映像が出ました。それによると今年も飛べていないようで、しかしまだ飛ぼうと努力を続けています。

 バンジー・ジャンプはもともと、メラネシアの小島で行われていた若者の通過儀礼だったものです。日本でも、徳島県祖谷渓(いやけ:大歩危小歩危の近く)の絶壁では地元の子どもたちが度胸試しをしたとかで、今は代わりに200mの絶壁の上に小便小僧が立っています。

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 それぞれの地域に大人になるためのそれぞれの通過儀礼がありました。しかし危険なことは一切させないという方向に傾く現代では、子どもは子どものまま成長してしまいます。
 何か考えて行かなければならないように思っています。