カイト・カフェ

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「世界一簡単な曲と、世界一長い音楽と、世界一短い音楽の話」~ジョン・ケージの偉業

 昔は多少の楽器もやったのに今は何もせず、歌う機会も少なくなってしまいました。そうこうしているうちに、きちんと歌う自信もなくなって、今やカラオケにさえ行くことはありません。
 しかしいつかまた、音楽もやってみたいですね。

 さて、私には空で楽譜を書けるクラシック曲がひとつあります。それはアメリカの作曲家ジョン・ケージの「4分33秒」という曲です。全3楽章からなるこの曲の楽譜は次の通りです。
「第一楽章 休み」
「第二楽章 休み」
「第三楽章 休み」
 楽器は何を持ってきてもいいのですが、3楽章の演奏の間中、休んでいなくてはならないのです。これなら楽譜を書くどころか、演奏だって軽いものです。

 ジョン・ケージは世界で最も長い曲を書いたことでも有名です。
 曲名は「ASLAP」。
「As Slow As Possible(できるかぎり、遅く)」の略で、ドイツのハルバーシュタットの教会で2001年から演奏されています。

「演奏されている」というのは2008年の現在も演奏中で、最初の1年半は無音、そこで第一音が押されて今年の7月5日までに六つの音が演奏されています。演奏の終了予定は西暦2639年、つまり全演奏時間639年という曲です。これだけ長いと気楽なもので、演奏中の(たぶん)パイプオルガンも今なお製作中で、来年やっと完成すると聞いています。
 ちなみにジョン・ケージは世界で最も短い曲も書いていて、題名を「0分00秒」といいます。初演は日本だったそうですが、何が行われたかはよく分かりません。