ふとしたことから、むかし好きだったジャズの名曲を思い出した。
ジョン・コルトレーンの“My Favorite Things”だ。
それとともにいくつかの別の“My Favorite Things”にも出会った。
今日はその総ざらい――
という話。
(ジョン・コルトレーン“My Favorite Things”)
ジョン・コルトレーンの“My Favorite Things”だ。
それとともにいくつかの別の“My Favorite Things”にも出会った。
今日はその総ざらい――
という話。
(ジョン・コルトレーン“My Favorite Things”)
【ジョン・コルトレーン“My Favorite Things”】
昨日は絵画の話でしたが今日は音楽です。というのはつい最近、古くからの友人がSNS上にジョン・コルトレーンの“My Favorite Things”について触れていたからです。
彼とこの曲について話した記憶はないのですが、1960年に発売されたアルバムに収められていたこの曲は、息の長い人気を誇り、私たちが大学生だった1970年代でも、あちこちで繰り返し出会うことができたのです。彼と一緒ではないにしろ、同時代を生きた者として、どこかで親しんでいたのでしょう。
私は特別なジャズファンでもありませんし知っている曲もわずかです。しかしジャズには屈折した思いがあって、それは、
「ジャズは知的で高級な人間だけが理解でき耽溺するものであって、しかし自分には分からない」
というものでした。私の劣等感を強く刺激するもので、憧れと卑屈を交互に押し付けてくるのがジャズです。
そんな私にとって、コルトレーンの“My Favorite Things”はようやく差し出された希望の綱でした。これによってわずかに高級な世界と繋がれたからです。
演奏者は偉大なコルトレーン、けれど原曲は映画「サウンド・オブ・ミュージック」の「私のお気に入り」ですから分からないわけがない。そしてコルトレーンの“My Favorite ~”のおかげで、逆にミュージカル映画の「私のお気に入り」も見直したのです。
(私のお気に入り 《My Favorite Things》 - サウンド・オブ・ミュージック 《日本語字幕》 Youtubeで視聴します)
彼とこの曲について話した記憶はないのですが、1960年に発売されたアルバムに収められていたこの曲は、息の長い人気を誇り、私たちが大学生だった1970年代でも、あちこちで繰り返し出会うことができたのです。彼と一緒ではないにしろ、同時代を生きた者として、どこかで親しんでいたのでしょう。
私は特別なジャズファンでもありませんし知っている曲もわずかです。しかしジャズには屈折した思いがあって、それは、
「ジャズは知的で高級な人間だけが理解でき耽溺するものであって、しかし自分には分からない」
というものでした。私の劣等感を強く刺激するもので、憧れと卑屈を交互に押し付けてくるのがジャズです。
そんな私にとって、コルトレーンの“My Favorite Things”はようやく差し出された希望の綱でした。これによってわずかに高級な世界と繋がれたからです。
演奏者は偉大なコルトレーン、けれど原曲は映画「サウンド・オブ・ミュージック」の「私のお気に入り」ですから分からないわけがない。そしてコルトレーンの“My Favorite ~”のおかげで、逆にミュージカル映画の「私のお気に入り」も見直したのです。
(私のお気に入り 《My Favorite Things》 - サウンド・オブ・ミュージック 《日本語字幕》 Youtubeで視聴します)
【もうひとつの“My Favorite ~”】
しばらくして、私はもうひとつの素晴らしい“My Favorite ~”に出会います。ダイアナ・ロス&シュープリームスです。
どこで出会ったかというと、覚えていないのですがおそらくラジオで、それも聞いたのは一回だけ。今とは違って曲名と歌手も分かっているからまたすぐに聞くことができるという時代ではありませんでした。
レコードはとても高価でおいそれとは購入できませんでしたし、ラジオにリクエストしてもかかる可能性は極めて低かったからです。
やがて私はダイアナ・ロス&シュープリームスの“My Favorite ~”を忘れ、再び会うこともありませんでした。つい最近までは――。
それが数十年ぶりに出会うことになったのは、アリアナ・グランデのおかげです。
どこで出会ったかというと、覚えていないのですがおそらくラジオで、それも聞いたのは一回だけ。今とは違って曲名と歌手も分かっているからまたすぐに聞くことができるという時代ではありませんでした。
レコードはとても高価でおいそれとは購入できませんでしたし、ラジオにリクエストしてもかかる可能性は極めて低かったからです。
やがて私はダイアナ・ロス&シュープリームスの“My Favorite ~”を忘れ、再び会うこともありませんでした。つい最近までは――。
それが数十年ぶりに出会うことになったのは、アリアナ・グランデのおかげです。
【アリアナの仲介】
私は家の中にいる間はたいてい、Amazon Primeで何かしらの音楽をかけています。いろんな曲を聴きますが昨年の前半にハマっていたのは、アメリカのリズム&ブルースで、中でも気に入ったのはアリアナ・グランデ。今でも毎日、どこかで彼女の声を聴くようにしています。そのきっかけとなったのが一昨年のヒット曲「7rings(セブン・リングス)」でした。
聞けばすぐに分かる通り、これは“My Favorite ~”をアレンジしたものなのです。
(Ariana Grande - 7 rings (Live From The Billboard Music Awards / 2019))
原曲とまるで違う歌詞もなかなか良くて、大金持ちのクソ生意気な女の子が「欲しいものは何でも手に入れる」「あれもこれもみんな手に入れた」と歌えば歌うほど空しい気持ちになっていく感じがいいのです。
そして“7rings”を聞くうちに数十年前のダイアナ・ロスを思い出し、Youtubeで調べるとさすが現代です、すぐに見つかって聞くことができました。
(The Supremes - My Favorite Things (Video) Motown Records 1966)
聞けばすぐに分かる通り、これは“My Favorite ~”をアレンジしたものなのです。
(Ariana Grande - 7 rings (Live From The Billboard Music Awards / 2019))
原曲とまるで違う歌詞もなかなか良くて、大金持ちのクソ生意気な女の子が「欲しいものは何でも手に入れる」「あれもこれもみんな手に入れた」と歌えば歌うほど空しい気持ちになっていく感じがいいのです。
そして“7rings”を聞くうちに数十年前のダイアナ・ロスを思い出し、Youtubeで調べるとさすが現代です、すぐに見つかって聞くことができました。
(The Supremes - My Favorite Things (Video) Motown Records 1966)
【その他の“My Favorite ~”】
“My Favorite ~”はもしかしたら世界で最もカバーされた曲なのかもしれません。コルトレーンと並んで有名なのはビル・エバンスの“My Favorite ~”(*)。レディー・ガガが歌っている“My Favorite ~”などといったものもあります。中でも私の好きなのはペンタトニックスとゴンチチです。
よかったら聞いてみてください。
([OFFICIAL VIDEO] My Favorite Things - Pentatonix)
(GONTITI My Favorite Things)
*
(Bill Evans - My Favorite Things /Easy to Love /Baubles, Bangles, & Beads)
よかったら聞いてみてください。
([OFFICIAL VIDEO] My Favorite Things - Pentatonix)
(GONTITI My Favorite Things)
*
(Bill Evans - My Favorite Things /Easy to Love /Baubles, Bangles, & Beads)