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「3歳でオムツが取れていないのが絶望的なわけ」~保育研修で考えたこと

 保育参観、トレパンという名の、簡易紙オムツをはいている子があまりにも多いのにびっくりしました。そんな子が年少クラスに2〜3人もいると、なんだかやり切れない気持ちになります。障害のあるお子さんなら別ですが、定型発達の子どもが3歳を過ぎてもトイレットトレーニングが済んでいないのは、絶望的な話です。

 昔は、そんな子はいませんでした。
 何しろ昔の布オムツといったら一日に20枚近くも必要で、その洗濯は大変なものでした。子どもにしても1回でビショビショになってしまう布オムツなんて最低で、一日も早くやめてしまいたいものだったに違いありません。つまりオムツを外すことに関して、母子ともに強烈なモチベーションがあったのです。

 しかし今は違います。紙オムツは布よりずっと快適で、性能の上昇とともに、どんどん安価になってきています。何しろ8時間分のオシッコを全部吸収してしまうというのですから、その気になれば日に3枚で足りるのです。しかしそれでいい訳がありません。

 オムツを外すにはひとつの確立された方法があります。それは親が子どもの排泄のパターンを知るところから始まります。排泄しやすい時刻を知り、それに合わせて子どもをオマルに座らせるのです。そしてその上で、励まし、元気づけ、がんばらせます。

 うまく排泄ができたら、限りなく大げさに喜び、オマルで排泄できたことを誉めます。大げさであればあるほど次の段階は簡単になります。それによって、オマルに座ると排泄する、という生理的な習慣づけができるからです。
 また、そうしたことを何度か繰り返すと、今度は子どもの方からオマルにまたがり排泄しようとします。排泄のためではなく、親を喜ばせ、誉められるためです。

 こうして「親に誉められる」という高い価値のために、オマルに座るという面倒を我慢できる子どもが誕生します。

 しかし本当に大切なのは、
 こうしたトイレットトレーニングを通じて、親が子どもの躾け方を覚えるということです。

  1. 子どもをよく観察して、その生活パターンを知る。
  2. 生活パターンに合わせて、無理のないレベルで行動を強制する、がんばらせる。
  3. できたら誉める、喜ぶ、限りなく大げさに喜び誉める。
  4. それを繰り返す。

 3歳にもなってオムツが取れていない子たち、この子とその保護者は最初の3年間に学ぶべきことを学んでいない可能性があります。
 だから絶望的なのです。