カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「運動会,ご苦労様でした」~先生たちの誠意と努力を世間が知らないことへのいら立ち

 運動会当日の朝、4時45分頃登校すると、すでに職員室には煌々と灯りがともっていました。前夜、遅くまでグランド整備をしていたのでよもや来まいと思っていた矢沢先生が、朝の整備のために早く登校されていたのです(もっとも今時の朝5時前は真っ暗でとてもグランド整備というわけには行かないようでしたが)。

 前の日は天気予報がどんどん良くなっていくので私はすっかり舞い上がってしまい、炎天下で運動会をやるような気分になっていましたが、他の先生方はかなり慎重だったようです。井村先生は詳細な雨天計画を立て、丸尾先生も夜遅くまで得点係用の雨天プログラムをつくっておられました。それらは、物としては結局役立ちませんでしたが、何度もシミュレーションしていましたので、プログラムの急な変更に対して慌てず決断するのに役立ちました。心構えの問題です。

 今年の組体操もやはり見事なものでした。最後に出てきた大きな布は、もっといろいろに使われると思っていたのですがわずか十数秒。その潔さにはびっくりしました。
 その十数秒のために、中井玲子先生と小林寛子先生は4時間以上の時間をかけて、12mの布地を縫い合わせたのです。計画や実験(本当に浮くかどうか)の段階まで入れると、大変な時間を費やしているはずです。

「え、やっぱりやるんですかあ~」と力ない声で苦笑いしながらも、熱心に腰ミノをつくっておられた大角先生・北島先生。その姿も印象的でした。
 その他、私の気づかないところで、多くの努力や心遣いが払われていました。ひとつの大きな行事が成し遂げられる、というのはそういうことです。

 ただ、私はそうしたことが保護者や児童にほとんど知られていないことに苛立ちます。世間では公務員の飲酒運転だとか教員の情報紛失だとか体罰だとか、そんなことばかり話題にして教員の質が下がったなどと平気で言っていますが、日本の教員の質は今でも世界有数のはずです。

 どうしてこういうことが世間に出て行かないのか、もしかしたら私たち自身が、本気で情報発信を考えていかなければならないのかもしれません。