カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「上村くんのこと」~川崎市中1男子生徒殺害事件における学校の対応

川崎市の中学1年生の上村遼太くんが殺された事件。今日にも犯人が逮捕されそうな様相です。早くから特定されていたみたいですから、証拠固めのための一週間なのでしょう。 この事件について当初、上村君が学校に来なくなってからの一か月半、学校側が接触し…

「歯磨きはどうか」~研究授業と手洗い・歯磨き・インフルエンザの話③

教員になりたてのころ、ある中学校に見学に行ったら教室の後ろに「うしの数」というグラフがあり、横軸にずらっと生徒の名前が並んだ上に赤い棒が立っていました。「さすが田舎の中学校だ、ウシでグラフを作るとは!」と思ったのですが、ウシの数を教室に掲…

「手は洗わない方がいい――らしい」~研究授業と手洗い・歯磨き・インフルエンザの話②

私が関わった授業研究の中で最も面白かったのは、都道府県レベルの保健教育の研究でした。題材は何でもいい。とにかく子どもの保健意識を高め、ひとつでも体にいいことをやり始めるように仕向ける、それができたら授業は成功したということになリます。そこ…

「研究授業の話」~研究授業と手洗い・歯磨き・インフルエンザの話①

授業をどう改善するかという研究を「授業研究」と言い、その研究に従ってやってみせる公開授業を「研究授業」と言います。教員の方には言わずもがなの話ですが。 では具体的にどう進めるのかというと、学校関係者以外の方には何の想像もつかないところではな…

「教育は科学であってはいけない」~のかもしれない

昔、大学の先生と授業研究について話している最中にこんなことを言われたことがあります。「で、対照群はどうするのですか?」 私はポカンとしてしまいました。意味が分からなかったのではありません。学校教育の研究に“対照群”という概念を持ち込む可能性を…

「子どもが学校に行かないと言い出した時に、親としてなすべきこと」⑨〜最終

私は30年も教員を続けて見てきた子どもの数も半端ではありません。たくさんの問題にも携わってきました。それにも関わらず、子育てはこうすべきだという確かな図面を描くことはできません。子どもには“個性”があり、それぞれの“環境”の中で成長しているか…

「子どもが学校に行かないと言い出した時に、親としてなすべきこと」⑧〜不思議な人たち

昨日は「親が子につけておくべき問題センサー」というお話をしました。小遣いを与え過ぎないとか、部屋をいつも整頓させておくとか、家庭内で挨拶をしあう習慣を持っておくとか、そう言ったことを例示しました。 親が声をかけたのに挨拶を返さないのは、最初…

「子どもが学校に行かないと言い出した時に、親としてなすべきこと」⑦〜急ぐべきとき、そして問題センサー

15年半に渡って保育園も幼稚園も、小学校も中学校も、そして高校までも休まなかった娘が「学校に行けない」「校舎に入れない」という危機に際して、私は一晩のうちに50kmの道のりを2往復し、話し合い、解決策を見つけて娘の気持ちを掬い取りました。 娘…

「子どもが学校に行かないと言い出した時に、親としてなすべきこと」⑥〜目を離してはいけない

娘は結局木曜日金曜日と二日間を欠席し、15年と半年余りの皆勤生活に終止符を打ちました。 土曜日、私は娘とともに部室に顧問の先生を訊ね、正式に退部を申し込みました。案の定、もう少し頑張ってほしい、せめてマネージャーとしてでも、といった話があり…

「子どもが学校に行かないと言い出した時に、親としてなすべきこと」⑤〜再び自宅へ

学校から高速を使って40分で自宅に戻り、娘を乗せてまた単身赴任の町に戻ると、私はインターチェンジ近くのショッピングモールに娘を下ろし、金を持たせて夕食を取りウィンドウショッピングでもして時を過ごすように指示しました。心配しないよう、妻にメ…

「子どもが学校に行かないと言い出した時に、親としてなすべきこと」④ 〜娘を送って単身赴任の町に戻る道で

退勤の5時10分になると私は校長先生にひとこと言って学校を出ました。自宅までは高速道路を使って約40分。着くとすぐに娘を乗せて、来た道をまたひた走りに走ります。 戻りに40分間、娘は「ごめんなさい」「ごめんなさい」と繰り返しながら事情を話し…

「子どもが学校に行かないと言い出した時に、親としてなすべきこと」③〜子どもが学校に行けないというとき

子が「学校に行けない」「学校に行きたくない」と言ったら、世の親はどんなふうに考えるのでしょう。「怠け癖が出てきたな」と思うのでしょうか。「何か問題を抱えているのかな」と心配するのでしょうか。それとも「ああ、来るべきものが来たな」と考えるの…

「子どもが学校に行かないと言い出した時に、親としてなすべきこと」②〜娘が学校に行けない!

最初に生まれた女の子は幸いなことにとても健康でした。放っておいたら一冬、靴下も履かず風邪もひかずに過ごしてしまい、そのことは私をとても幸せにしました。 この子はハイハイで保育園に入れ、小学校に上がるまでの5年間を一日も休まず通い続けました。…

「子どもが学校に行かないと言い出した時に、親としてなすべきこと」①〜学校を休まないことの価値

生来の病弱で乳幼児のころから入退院を繰り返し、3歳の時には肺炎で医者に匙を投げられたといいますから相当なものです。 小学校の1・2年生は病弱養護学級に在籍しました。たった14人しかいないクラスです。 3年生になって養護学級がなくなり、その後…

「アメリカ的人間関係論への違和感」~アメリカ流人間関係理論の勉強をしてきた

事情があって「コーチングとファシリテーション」という講習を受けてきました。 コーチングというのは「対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術であるとされる。相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行…

「あるべき形」~ニュースと言えど残虐な場面は流さない

昨日の読売新聞ニュースに米CNN「イスラム国」投稿の殺害映像放映せずというのがありました。それによると、 米CNNテレビは3日、ヨルダン軍パイロットを殺害したとして「イスラム国」が投稿した映像や画像を、テレビや電子版などで放映しないことを決…

「嫌な気分」~イスラム国に後藤健二さんが殺されたよく朝

先週の土曜日に月曜日の分のブログ記事を書き(「プチ・エリートと平民の日々」①)、日曜日の朝を迎えました。朝6時のニュースで後藤健二さんの死を知り、深く思うところがあって記事を差し換えようと思ったのですが、どうにもこうにも気持ちが沈み込んで意…

「プチ・エリートの日々」②

教員がエリートだった明治・大正の遺風が、私の教員になった30年ほど前には残っていたというお話をしました。それが1990年代から急速に消えていきます。一番の理由は多忙です。 教える教科だけでも小学校で生活科・総合的な学習の時間・外国語活動、中…

「プチ・エリートの日々」①

明治・大正までさかのぼると、教師は地域のトップエリートでした。 田舎の頭の良い子で、親がそこそこの金持ちとなるとどうしても大学に行きたがる。そこで都会の大学に出したはいいが、長男だとか何かで家に戻らなければならなくなると、田舎に大学出の就職…