カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「eメールというやっかいな道具の話」①

【妻がメールをよこす】

 所用があって実家に帰っている妻からメールが来ます。
「(件名:前置きなしでゴメン!)本文: 4月28日と30日の○○ホテルの予約状況を調べて。大人3人」
 思うに、このいずれかの日に妻を含む三姉妹で宿泊しようという話が持ち上がっているのです。
 妻はガラケーですし、メール一本で私という便利な検索老人を遠隔操作できるので、自分ではほとんど調べることがありません。それはそれでいいのですが、困るのはメールではことの緊急性やそのあとの展開が分からないことです。

 宿泊状況次第で予約をするのか、その場合、妻と私の電話のやり取りで話を詰めていくのか、いやそこまでの気持ちはなく、ただ調べておきたいだけなのか、文面からはまったく想像できません。

 しかしメールで問い合わせているい以上、通話できないなんらかの理由があるのかもしれませんし、
 そこから「急ぐの?」とか「予約は?」とかメッセージでやり取りするのも面倒だし、どちみち調べるには変わりないのでとりあえず検索の上、幾種類もの部屋に空きがあるのを確認してからメールを書き送りました。けっこうたくさん書いて送りました。
 それに対して返信がない。
「ありがとう」でも「了解」でもいいのですが、何か言ってもらわないと落ち着きません。
 特に今回の場合は携帯でメールを受け、コンピュータのメーラーから返信するという回りくどいことをした(スマホで長い文章を書くのが嫌だったから)ので、何となく不安なのです。
 しかしいくら待っても返事がない。
 しかたないので「届いている?」と書き送ると、
「届いてます。ありがとう」。
 そしてまた後の話がありません。

 夕方、再びメールが来ます。ホテルの件とは全く関係ありません。
「今から帰るので、夕飯、食べずに待っていてください」
 すでに運転中という可能性がありますので返信はできません(着信音が鳴ると高速道路運転中でもケータイを開きかねない人です)。しかしほんとうはすぐにも言っておかねばならないことがあったのです。それは「炊飯器にご飯がない」ということ、妻が家に帰って炊飯器が空だと困ることになるかもしれません。もちろん必要ならご飯くらい私にだって炊けます。しかしそれを伝えるすべがないのです。

 以上、妻のメールに関する二つの愚痴ですが、この問題を解決する、というかそもそも問題にならないようにする簡単な方法があります。それは連絡をメールではなく通話でやればいいということです。

 電話を通しての会話ならその場でこちらから質問をして話を詰めたり「ご飯、炊いておく?」と訊ねることもできます。何の問題も起こりません。
 ところは世の中には(私の妻も含めて)通話が死ぬほど嫌いで片っ端メールで済ませようとする人がたくさんいるのです。そしてそのことは問題をかなり複雑にする場合があります。

(この稿、続く)