「スマホなんて古くたって動きさえすればいいじゃないか」~とは言えなくなった話 

 ゲームもしない 動画も見ない私のスマホ
 通話とメール LINEとわずかな写真撮影 そしてネット閲覧
 だったらどんなに低機能 旧式であってもいいじゃないかと思っていたが
 そこにとんでもない落とし穴があった

という話。

f:id:kite-cafe:20220121065909j:plain(写真:SuperT)

スマホなんて古くたって動きさえすればいいじゃないか】

 スマートフォンを持つようになって、たぶん10年くらいになると思うのですが、とうてい使いこなしているとは言えません。アプリはいくつか入れているのですが使っているのは「インターネット閲覧」「LINE」「通話」くらいなものです。メールも企業関係のお知らせが来るくらいでほとんど見ることはありません。

 機種はiPhone6で7年目。私にとっては「まだ7年」ですが、世間的には「もう7年」もたったビンテージ物ということになっているようです。しかし高齢者によくあるように、最低の機能しか使えないのですから、最低の機能がついていれば問題ありません。妻のiPhoneSuicaやクレジットカードを取り込むことができて便利ですが、そもそもキャッシュレスにも乗り遅れていますから羨ましいとも思わないのです。

 安物ながら頑丈なケースに入れて落とすことも稀なので、見た目もきれい。7年間故障なし。電池の持ちは悪くなっていますが、暇人ですから充電も苦にならない――ということで当分はそのまま行くつもりでした。若いころなら機器にも見栄を張りますが、この歳になると「ガラケーでないだけマシ」くらいなものです。
 ところが――。

 

【LINEが突然、ダメになる】

 月曜日の朝、母の家で起きていつものようにブログをチェックし、ニュースを確認して、LINEを見ようとしたら、これが開かない。ダウンロード・マークが出ているので更新しようとするのですが「項目をダウンロードできません」という表示とともに「あとでやり直してください」の一点張り。Wi-fi環境のない母の家のことなので、自宅に戻ればなんとかなるかと思って急いで帰宅したのですが、それでもダメ。何度か再試行して、全く動かない。

 これはただ事ではないと思ってネットで調べると原因は単純なものでした。
「LINEが使えないのは、iPhone6がLINEの最新バージョンで非対応機種になったからで、機種変更するしか方法がありません」

 機種がandroidなら、LINEの古いバージョンをダウンロードし直すことで対処できるようですが、iPhoneではそれができない、結局、諦めるしかないらしいのです。

 

【金も惜しいがデータはなお惜しい】

 私は年金暮らしですが妻は現役ですし、とにかくケチな家庭でムダ金は(ムダでない金も)一切使いませんから、分割で新機種を購入することくらい大した問題ではありません。惜しいのは金ではなくデータです(金も惜しい)。

 LINEの場合、新機種に乗り換えるときはデータ(トーク履歴)をいったんバックアップしておかないと引き継げないのです。しかし今回、LINEがまったく開かないということでバックアップの作業もできない。つまりトーク履歴は新しい機器に移動できず、すべてをゼロから始めなくてはならないのです。
 家族や友人とのやり取りはそれ自体が思い出です。さらに私には、ここには書けない事情でどうしても残しておきたい会話がありました。それが全部消えてしまうのです。何ということをしてしまったのか――。

 悔しいのは、これが初めての経験ではないことです。
 7年前、ローマの地下鉄でスリに遭ってスマホを取られてしまったときも同じ目にあっています。以前のトークが復元できない。
「人間は本当に困らないと懲りないものだ」という言い方がありますが、世の中には懲りてもすぐに忘れてしまう人間もいます。あの時は「日本に帰ればもうスリに遭うこともない」という安心感があって忘れてしまったのですが、考えてみれば「OSのバージョンが古すぎて使えなくなる」ということは想像できなかったにしても、「水没させたり修理不能なまで壊してしまったりして、盗まれたも同じ状況になる」ということぐらい、思いついてもよかったはず。それができていたら、きっとバックアップのことも調べられたはずです。ところがそこに気が回らなかった――。

 

【被害は最小に抑えられたが、クソみたいなITの世界】

 ショップの予約が取れなかったこともあって二日後、ようやく新しいiPhoneを手に入れました。LINEもダウンロードしたうえで、何かの気の迷いでバックアップを取っているかもしれないと思って調べたのですが、やはりありませんでした。一から出直しです。
 ただ、私はコンピュータの方にもPC用のLINEをダウンロードしてあって、スマホを乗り換えたときこちらも当然なくなってしまうと思っていたのがまったく無傷で残っていました。過去のトークはあればいいのであって、スマホで見られないことにはこだわりはありません。まずはホッとして、さっそくダウンロードしたばかりのLINEの自動バックアップを、オンにしておきました。これで三回目はない。

 LINEは一民間企業の無料アプリだとは言っても、もはやこの国の文化にしっかり根付いてしまったものです。LINEの使えないスマホなんて、スマートな機器ではありません。しかしそれにしても、無傷で故障もしていないのに、買って7年で使い物にならなくなる高価な電化製品って、他にあります? PCも「OSがかわって動かなくなる機器」というのがかつてはあって、何度も泣かされています。
 その部分だけを見れば、IT機器の世界、まるでクソみたいです。