今日はクリスマス。
しかし必ずしもイエスの生まれた日ではないらしい。
この時期に重なるのは冬至と冬休み。
いずれを調べてもなかなか面白い。
という話。(写真:フォトAC)
【クリスマスだけど、イエスの生まれた日かどうかは分からない】
クリスマスです。イエス・キリストの誕生日を祝う日ですが、イエスがこの日に生まれたという歴史的証拠はないのだそうです。
ただ、太陽が「1年でもっとも夜の長い日」に打ち勝って輝きを復活させる「冬至」と、イエス・キリストの復活との対比から日を探って、4世紀の中頃、西方教会でこの日を誕生日とすると決めたようです。北欧ではそれよりずっと以前から冬至を祝う習慣があり、イエス・キリストの誕生を祝う喜びを被せやすいという事情もあったのかもしれません。
日本でも長崎の出島では鎖国中も一貫して、「オランダ冬至」と呼ばれる冬至を祝う催しが盛大に行われていました。ただし、「冬至」は年によって21日だったり22日だったり、あるいは23日だったりと変化するのに、「オランダ冬至」だけは12月25日と決まっていましたからかなり怪しい習慣です。
おそらく出島の役人たちも途中で気づいたのでしょうが、今さら「クリスマスでした」と言って自分や先輩、祖先を告発しても良いことはありませんから、最後まで黙っていたのだと思われます。
朝から銅鑼を盛大に鳴らして行列が巡回し、夜は饗宴が開かれて着飾った遊女たちが舞を舞います。出島に出入りする遊女見たさに、かなりの見物人も出たと言います。
「オランダ冬至はクリスマスの隠れ蓑」という知識は、季節を考える上で案外役に立ちます。春分・秋分と違って目立たない節気である「冬至」が、12月下旬になると覚えていられるからです。1年で一番夜の長い日がその辺りにあるわけで、対極の夏至は、だからの6月22日ごろということになります。
【冬至って、そういうことかぁ】
ちなみに先週の土曜日、我が家のスマート・スピーカー「アレクサ」に、
「今日は冬至かい?」
と訊くと、
「はい、そうです」
と答えたあと、縷々ウンチクを語って最後に、
「今日から冬が始まるという意味です」
と言われてびっくりしました。
「『冬に至る』、だから冬至なのだ」
と、初めて知ったからです。知識の穴というのはとんでもないところにあるものです。
ひとに聞かれなくて良かった、夏至は「夏に至る」ってことか・・・
【今日から冬休みーー】
今日から冬休みという自治体もたくさんあるようです。私がいつもお世話になっている日本文化研究ブログ*1によりますと、今年、冬休みが最も早く始まったのは静岡市・松江市などの21日(土)から、もっとも遅いのが甲府市・岐阜市の27日からということになっています。
現在の上皇陛下が天皇だった平成時代は天皇誕生日が12月23日で、通知票を仕上げる身としてはとても便利でしたが、その23日にはすでに冬休みに入っている自治体が必ずひとつありました。沖縄県です。
「冬休みが一番早いなんて、沖縄ってさぞかし寒いんだろうね」
などとやっかみ半分で言っていましたが、その沖縄の冬休みは今は明日(26日)から。学力問題でずっと叩かれていますから、冬休みも短くなっているのでしょう。心を病んで休職する教員の割合が全国一というのも何か分かるような気がします。
その那覇市よりもさらに1日遅れて明日が終業式の甲府市・岐阜市の先生方に敬意を表して、私のブログも、明日を終業式としたいと思います。
*1:jpnculture.net