人類の種類

 (最近勉強しtことですが)全ての高等動物は男女の別を持っています。そして男女の生殖作用によって新たな生命を生み出します。つまり種全体で見ると、その都度、遺伝子を男女に分け、再び統一するという仕組みを繰り返している訳です。どうしてそんな迂回をするのでしょう?

 生物の中には例えばウィルスのように「増殖」という仕組みを繰り返すものもあります。しかしこの「増殖」には厄介な弱点があります。それは生み出した「母」と生まれた「子」がまったく同じ遺伝子を持つために、何らかの天敵(例えば治療薬)が生まれると、種が全滅してしまう危険性があるのです。

 人間にたとえると、全ての人類が同じ遺伝子しか持たないとしたら、ペストとかコレラといった致命的な伝染病によって全人類が滅びてしまうわけです。ところがそうはなりません。

 人間の持つ遺伝子はおよそ3万個、そこに含まれる遺伝子情報(ヒトゲノム)は約30億といわれています。そのうち99・9%は同じものですが、残りの0・1%がそれぞれ異なり、個性として出現します。30億の0・1%ですから、それだけでも相当な数になります。

 男と女が結婚し子が生まれるということは、その0・1%の部分が組み合わさって新しい個性が生まれるということです。そしてその組み合わせの数は、計算上、地球上の全ての砂の粒子の数よりい多いと言われています。つまり今日まで生まれてきた人類の全部を照合しても、同じ遺伝子情報をもつ人間は、一組もいないのです。

 これがどういう意味を持つかというと、どんな病原性のウィルスをもってしても、全ての人間を殺すことはできないということなのです。同じ人間がいない以上、同じウィルスや病原菌では人類を絶滅させることはできないのです(実際、世界で最もエイズ・ウィルス・キャリアの多いアフリカの歓楽街に、エイズにまったく感染しない女性達がいることは良く知られた事実です)。

 人間の種類は地球上の砂の数よりも多い、そしてどんな病気も人類を滅ぼすことはできない、そう考えただけでもウキウキしてくるではありませんか。人類を滅ぼすことができるのは、地球規模の災害と戦争だけなのです。ちょっといい話でしょ?

(仲間がまったく同じ遺伝子を持つウィルスたちが、それにも関わらず生き延びてきた背景には、彼らなりの特殊な方法がありました。それが「変異」です。何らかの方法によって遺伝子を組み代え、新しい個性を持ってしまうのです。弱毒性で感染力が弱いとされる新型インフルエンザが、今も恐れられるのはそのためです)