カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「心にヤスリをかける」~むきたてのゆで卵のような心のままで、大人にしてはいけない

 骨折のあと、折れた部分が以前よりも太くなることは良く知られた事実です。
 同じように、激しい運動によって筋肉の線維に微細な損傷が発生したあと、適度の休息と栄養によって筋線維が修復されますが、そのとき筋繊維は以前より肥大し、より大きな力が発揮できるようになります。それが筋トレの仕組みです。
 そして、おそらく心についても同じことがおきます。

 適度なストレッサー(ストレスを与えるもの)によって心にストレスが発生し、その後しばらく休養を取ることで、心はより強くなる。例えば苦難を乗り越えたとき、真剣に何かに取り組んで疲れ果てた後、厳しい状況を経た後、人間が強くなることは誰でも知っていることです。

「子どもの心を傷つけてはいけない」という言い方がありますが、それも程度の問題であって、剥きたてのゆで卵のような心のまま成長させてはいけないのです。だからといって弱い心に耐え切れないほどの負荷をかけてもいけません。
 その子の実力が100なら120程度の負荷をかけ続ける、80なら90、そういうやり方でしか、心は強くならないのだと思うのです。

 心をザックリと傷つけない。しかし繰り返し微細な損傷を与えていく、このことを私は「心にヤスリをかける」と言っています。