カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「バレンタイン・デイ惨題」~思えばいいことはさっぱりなかった

 バレンタイン・デイです。

 思えば何十年も前の2月14日には、胸をときめかせて何かが起こるのを待っていた私がいました。今、私の胸がときめくとしたら、それは確実に心臓の病気ですから気をつけなくてはいけません。要注意です。

 バレンタイン・デイと言えば思い出すことがいくつかあります。

【その壱】

 大学生のころ、クラスのとても可愛い子からもらったことがあります。
 モジモジしながら、長い長い前置きの上でいただいたのですが、要するに、
「諸般の事情により恩も義理もあるのであなたに渡さなければならない気持ちになったが、愛だの恋だのといった話になるとそれは筋が違うので、どうか勘違いしないように」
という話を、相手(つまり私)を傷つけまいと、隣の家に行くのに逆向きに地球を一周するほど遠まわしに言うので、理解するのとんでもなく時間がかかりました。

 感想・・・「だったらくれなきゃいいのに」

【その弐】

 以前の仕事をしていたとき、隣の飲ん兵衛の先輩にカクテルチョコレートが届きました。十数本のビン型をしたチョコレートに、それぞれカクテルの入っているものです。相手も気を遣ったのでしょう。ただ甘いだけではダメだと思ったに違いありません。

 ところがこの飲ん兵衛、さっぱり嬉しそうでなく、しばらく考え込んでから、
「あの、私、これの中身を飲みますので空ビンの方、食べてもらえません?」
 先輩ですので黙って空びんをいただきましたが、さっぱりおいしいものではありませんでした。

【その惨】

 まだずっと若く独身だったころ、新しく赴任した学校で2月14日に次々とチョコレートをもらい、両手の紙袋いっぱいにして帰ったことがあります。ただし、そんなにもらえるとは思っていなかったのでいちいちメモをつけておらず、おかげで誰にホワイトデイのお返しをすればいいのか分からなくなって結局放置したことがあります。そうしたら翌年のバレンタインデイのチョコはゼロでした。その現金さにほんとうにあきれました。

 バレンタインデー (St. Valentine's Day)は、世界中で男女の愛の誓いの日とされています。もともとは西暦269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス司教の記念日であったといいます。それがいつか愛の記念日になりました。
 ヨーロッパなどでは花やケーキ、カードなどを恋人に贈る習慣がありますが、日本とは違い、女性から男性のみとは限らないようです。またチョコレートを贈るのは日本だけという話もありますが、英語圏ではチョコレートも良く使われるようです。スウィートというのがいいみたいですね。
 ちなみに日本では1年間のチョコレート消費の四分の一がこの時期に集中しているそうです。商魂恐るべし!