「子どもたちが大人を感染から守った」~大人たちは子どもに、感謝の気持ちを伝えて頭を下げるべきだ

 間もなく2年におよぶ新型コロナ禍のもとで、
 子もたちは大声で笑い合うことも、友だちと体を触れ合うこともなく過ごした。
 数々の行事や楽しみが縮小され、あるいは中止となった。
 それもこれも、すべて大人たちと社会を守るためだったのだ。

という話。 

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(写真:フォトAC)

【ブースター接種を躊躇う大人たち】

 このところの異常な感染拡大に見舞われているヨーロッパ諸国および韓国では、三回目の新型コロナワクチン接種(ブースター接種)の準備が急がれているようです。これまでと同じように医療関係者・高齢者・基礎疾患を持つ人たちからの優先(または指定)接種となるようですが、予約の状況を見ると前回に比べて驚くほど希望者が少ないとニュースで言っていました。
 1回目2回目は自分が罹ったり重症化したりしないための接種だったのに対し、三回目についてはこんなふうに考えているみたいなのです。
「予防効果はかなり薄れているとはいえ、2回の接種でもう重症化する可能性はなさそうだ。それに周囲には十分な抗体を持った人がかなりいて感染状況も落ち着いている。だったら前回のような苦しい思いをしてまで、3回目を打つ必要もないのではないか――」

 私などは2回ともまるっきり副反応がなかったような状態でしたが、2回目のあとでずいぶん苦しんだ妻の様子を思い浮かべると、3回目接種を逡巡する気持ちも分からないではありません。3回目を行う意味は自分のためでなく、せめてブレークスルー感染をだけでも減らすことで、新型コロナを封じ込め一刻も早く通常の生活を取り戻すこと、日本のため、自分が感染して他人にうつさないためと、徹底的に他人本位ですからなかなかうまく行きそうにないのです。
 しかし考えても見てください。日本国内には自分のためでなく、誰かにうつさないため2年近くもがんばってきた人たちが1千万人以上いるのです。
 保育園・幼稚園・小学校・中学校の園児・児童・生徒と、その保育士・教師たちです。

【子どもたちが大人を、感染から守った】

 特別な病気を持つ子どもたちを除くと子どもたちは基本的に重症化しません。罹ったところでせいぜいが普通の風邪みたいなものです。しかし彼らは我慢に我慢を重ねた。
 音楽の時間に声を出して歌えず、体育の時間にも可能な限り友だちと触れ合わないようにしてきた、寒い冬も暑すぎる夏も定期的に窓を開いて空気を入れ替えた、楽しいはずの給食の時間も前を向いて黙って食べた、そして数々の重要行事を片っぱし中止するか縮小してきた、ずっとマスクをつけたままだった――、それは全部、自分たちが媒介となってコロナウイルスを家庭に持ち込み、そこで父や母や祖父母たちにうつして危険が及ぶのを避けるためでした。つまり子どもが大人を守るためにがんばったのです。

 今2学期が始まろうとする8月23日。私はこのブログで「2学期を始めるな」とヒステリックに叫ぶ記事を書きました。

kite-cafe.hatenablog.com いま学校を再開すれば必ず学校クラスターが多発する、そうなるとペストのネズミのように子どもたちがウイルスの運び屋となって親たちにうつす、子どもを無自覚の親殺しにしてもいいのかといった趣旨でした。
 いま振り返ってもその恐怖に裏付けはありました。
 新型コロナの新規感染者(1日あたり)の最大値25992を記録したのは、そのわずか三日前の8月20日でしたし、2週間程度遅れて増加すると言われていた死者は23日の時点でも30人以上でした(翌々週の9月8日の死者89人は第5波の最高値となった)。
 以前は「子どもは感染しない」と言われていたのに、デルタ株になってからはその神話も崩れ、学校が爆発的コロナ感染の拠点となる可能性は十分にあったのです。
 しかし私の予想は外れた――。

【子どもの努力に報いる】

 理由は簡単です。先生と子どもたちが頑張ったのです。自分たちのためでなく、大人と社会を守るために唇をかんで学校の防疫体制を守り、耐えたのです。

 子どもたちのことは既に書きましたので、先生たちについても残しておきましょう。毎日アルコール消毒に明け暮れたこと、次につながるかどうかわからないリモート学習のコンテンツ作りに励んだこと、防疫のために費やした様々なそしてこまごまとした心配り・工夫。コロナがなければしなくて済んだ叱責の数々、子どもの心の不調に寄り添ったこと、宿題のプリントを作成し配って回ったこと等々。それ以外にも山ほどの苦労・心労があったはずです。
 事態は続いていますが、とりあえず中間の感謝を申し上げておきましょう。ありがとうございます。

 さて、大人たち。
 様々事情がありますから一概には言えませんが、子どもや学校の労苦に報いましょう。遊びに行くにしても三密を回避し、短時間で済ませましょう。そして可能な人は、3回目のワクチン接種にできるだけ積極的に行きましょう。
 私は行きます。