「感染対策より重要なのは、子どもがのびのびと生きることだ!」~新型コロナ禍の子どもたちと学校② 

 一生懸命に感染症対策を続けている子どもたちは、大人に不信の目を向けている。
 それは大事な観点だ。
 しかし大人の一部は子どもたちに、
 そんな苦しいことはやめて、もっとのびのびと生きようとそそのかす。

という話。

f:id:kite-cafe:20210511064450j:plain(写真:NHK)

 

【始まりはこうでした】

 先週金曜日(7日)のNHK「所さん!大変ですよ」で紹介された、子どもの声を聴くボランティア組織、チャイルドラインが知ったコロナ禍における子どもたちの姿。

 学校が、おとなの思っていた以上に子どもにとって大切な場所であった。
 そこできちんとした生活をしている子どもたちが、コロナ禍の大人の行動を見ている。

 この2点を、そのあとNHKはどう扱ったのか。

 

 

【話の流れが変わっていく】

 VTRが終わったところで3人のゲスト・コメンテーターが登場します。イタリア在住の漫画家ヤマザキマリさん、マーケティングライターの牛窪恵さん、そしてご存知、教育評論家の尾木直樹氏です。
 口火は、尾木直樹氏が切ります。しばらく発言をそのまま記します。しゃべり言葉を落としたものですから、読みにくいですがよろしくお願いします。(所)とあるのはMCの所ジョージさんです。

(尾木)
 コロナが子どもに与えた影響というのはほんとうに深刻で、私もね、すぐに何とかしないとって、ずうっと訴え続けているんですよ。
 政府機関がね、調査したんですよね。そうしたら中程度以上のうつ症状の子が、小学生で15%、中学生だと25%くらい(正確には24%)、で、高校生だと30%も抱えていることが分かったんですよ。さらにそのうつ症状が重症化してくると子どもたちの自殺の引き金になっちゃうのね」
(所)
 いやあ、そうやって自殺しちゃうとなると大問題だよね。
(牛窪)
 子どもたちのストレスの原因、本来多くの子どもが楽しみにしている給食、これも指摘されているんですね。
 いま給食は飛沫が飛ばないように前を向いて、しかもしゃべっちゃいけません、黙って食べなきゃいけないって――。
 で、都内で給食の管理栄養士さんをしている松森さんっていう方に取材したんですけど、子どもたちは「食べているうちにコロナに感染するんじゃないかと考えると怖い」とか「私語厳禁で、食べててもなにもおもしろくない、つまらない」、いろんな理由で実は食べる量が減ってしまって、残食と言われるものがとても増えてしまったそうなんです。それぐらい見えないところでストレスというものが溜まっていたんです。
(尾木)
 これもね、大問題で、子どもが『いただきます』って思わず、ホラ,習慣で言っちゃったんです。そしたら先生に注意されて、怒られて、しょげているんです。
 そんなことをやっていたらこどもは学校でのびのびできないですし、給食が食べられないという子が大勢出てきてしまってですね――学校へ行くのをしぶっちゃうのをね、いま『登校しぶり』って呼ぶんですけども、不登校は10万人くらいですけども――そういう子ども(登校しぶり)は約33万人いるというんです。データもあるんです。
 だから、次の調査ではね、急増するんじゃないかと、僕はある意味、ちょっと怖いですよね。
(所)
 そうやって先生が杓子定規にいろんなものをダメ、そうやっちゃあいけないよ、ということになると、もう息苦しいもんね子どもも。なんかもうストレスが溜まるなら、楽しくなくなっちゃうよね。学校へ行くのが。


 そこから今度はイタリア在住の漫画家ヤマザキマリさんが、高校教師をしている夫のもとへストレスをためた生徒からひっきりなしに電話がかかってくる現状を紹介し、友だちにも言えない、親にも言えない、限界を感じている――そういうことを先生が役割として担っているという事実を話します。

 最後は尾木先生の、
「大人も大変なのはわかりますが、社会的な弱者である子どもたちに最も皺寄せが行っている」
という言葉に導かれ、家庭で、みんなで子どもたちを支えて行こうという話になって番組のその部分を終わります。

 

 

【感染対策より重要なのは、子どもがのびのびと生きることだ!】

 チャイルドラインの代表者のみつけた「子どもたちにとって学校はとても大切な場所だった」「子どもたちは一生懸命に感染対策をしながら、大人たちのあまりの身勝手に傷ついている」という話は、こうして子どもに寄り添わず杓子定規な対応しかできない教師たちによって大量の登校しぶりが出ている現状を、なんとか家庭で支えて行こうという話になってしまいました。


 チャイルドラインに「学校へ行きたい」と訴えた子どもの声は、登校しぶり33万人、厳しい感染症対策のために子どもがストレスを溜めて自殺に走るのではないかといった尾木先生たちの不安の声に、かき消されてしまったのです。

(この稿、続く)