「統計不正・小4虐待・フットボール、トランプに怯える」~今週のまとめ 

 今週もさまざまなことがありました
 ひとこと言いたいこともたくさんあって

 来週に回そうかとも思ったのですが 来週は来週でいろいろ起こりそう
 そこで簡単にまとめて 今週は終わりにしようと思います

ということ。

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【統計不正と千葉小4虐待事件】
 この二つの事件については厚生省の官僚や児童相談所の対応について、国会もマスコミも世論もカンカンですが、私がどうしても解せないのは、あれやこれやさまざまな推論を繰り返す中で、
「なぜそんなことしたの?」
に対する答えどころか、問いかけ自体がほとんどなされていないことです。
 まるで、
「そんなこと、役人や担当者が無能だからに決まっているじゃないか、何を今さら――」
と言わんばかりです。

 しかし官僚や児相職員が、素人である記者や情報番組のコメンテーターでさえ分かることも理解できないほどの無能だとしたら、次はそうした無能な人間ばかりが選ばれる公務員試験(特に国家公務員上級職試験)のあり方が問われなければならなりません。けれどそうした方向性も出て来ないのです。

 中には「アベノミクスを忖度して18年度になって急に賃金が上昇したように見せかけようとした」といった話をする専門家もいますが、そのために04年から14年間も不正を重ね準備をしてきたというのも無理な話でしょう。

 真面目で優秀な官僚や、子どもの命を預かる児相が不正や判断ミスを繰り返したのはなぜか――、そう問われれば一番平凡な答えは、
「忙しすぎたんじゃネ?」
でしょう。それ以外にないように思うのですがいかがでしょう?

 度重なる行政改革のために国家公務員は減り続けているというのにそれに合わせて仕事が減るわけではありません。そこで誰かがこそっと、力の省けるところを省いてしまった、そう考えるのが自然です。人員もいなければ予算もない、少しぐらい端折っていかないと回らない――。

 小4虐待死事件について言えば、児童相談所の殺人的忙しさについては別に多く語られているにもかかわらず、この事件との関連づける報道はほとんど皆無です。意図的と疑いたくなるほど避けられています。

 昨日のNHKニュースでも、
児童虐待の疑いがあるとして警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは全国で8万104人と、前の年より1万4673人上回ったほか、検挙件数も217件増えて1355件に上り、いずれもこれまでで最も多くなりました。
と言っていたように、いまや児相はとんでもない状況なのです。

 被害児童の体に傷がないことやきちんと学校にも通っていることなどを根拠として、児相は家に戻すという決定的なミスを犯してしますが、それは翻って、体に傷があったり学校にも通えない被虐待の子がウジャウジャいるということです。その中で女児の優先順位は下がってしまった、こうなると分かっていれば最優先で対処していたはずなのに――そういうことではなかったのでしょうか。

 もちろん両者とも「忙しかったから」では済まない話です。しかし今ほど忙しくなかったら避けられた出来事かもしれません。

 「だから人を増やせ」とは議員は言いません。行政改革与野党共通の課題ですし、下手なことを言えば国会議員を減らしてその分を公務員にあてろといったことになりかねません。
 メディアも「もっと公務員を増やしましょう」では仕事にならない。視聴者の怒りを煽ってこその視聴率ですから。


【日大フットボール前監督ら「容疑なし」】
 これについては昨年5月に「日大アメフト事件の憂鬱」というサブタイトルで3日に渡って書きました。だいたい私の想像どおりだったと思います。

kite-cafe.hatenablog.com

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 これは加害選手の心の中で「風が吹いたら桶屋がもうかってしまった」ような話です。コーチを介して監督から与えられる情報のひとつひとつが少しずつ歪曲され、最後には「相手チームのクウォータバックに大けがをさせる」というとんでもない結論に結びついてしまいました。しかも彼はそれを現実に移してしまったのです。

 なぜそんな事態が起こったのか。 
 ひとつには上意下達、徹底的な情報の一方通行で質問が許されなかったからです。
「風が吹けば砂が舞うはいいにしても、それで失明する人たちが爆発的に増えますか?」
 そう訊ねるだけで「風が吹けば桶屋が儲かる」論理は崩壊します。日大フットボール部について言えばたった一言、
「クウォータバックを潰すって、ほんとうにケガをさせるってことですか?」
 その質問ひとつで事件は起きませんでした。
 ついでに言えば事件後、コーチたちが、
「監督は見ていなかったと思いますが、ウチの選手がやったことは『オレの責任だ』で済まされるレベルではありません」
とか、
「監督、謝罪に行くのに赤いネクタイはマズイと思います」
 そんなふうに言えただけで事後はまったく違ったものになっていたでしょう。

 もうひとつの問題は日大フットボール部が未だに「選手を追い詰めることによって内部に爆発的なエネルギーを生み出し、選手としての限界を突破する」というブレイクスルー論を持ち続けていたことです。
 人間を追い詰めた時に起こす反応は「正」のものばかりではありません。2012年12月の大阪市立桜宮高校では選手が自殺しています。

 実際に傷害を指示したわけでもない元監督・元コーチが刑事責任を問われないのは当然です。よかったと思います。しかし社会的責任を取らなければならないのも、また当然でした。



【トランプに怯える】
 3日(日)のニュースに「米、ロシアにINF条約の破棄を正式通告」というのがありました。それを受けて、6日(水)にはロシアから、「ロシア、新ミサイルシステム開発へ INF全廃条約を離脱で」というニュースももたらされます。
 新たな核兵器開発競争の始まりです。

 TPP、パリ協定、INF条約――つくるのは大変ですが壊すのは一瞬です。トランプ大統領はそれを、単にサインの練習をする程度に処理してしまいます。

 最近、ある情報番組で、
「トランプは極めて合理的な大統領であって、少なくともここ数十年間で彼ほどきちんと公約を果たそうとした大統領はいなかった」
などという専門家の話を聞きましたが、そもそもその公約が不合理です。
 狂った公約を律儀に実現するのは狂った所業です。

 5日(火)の一般教書演説では北朝鮮問題に触れて、27・28の両日、ベトナム金正恩朝鮮労働党委員長と2回目の首脳会談を開くことを発表しました。私はそれが恐ろしい。
 気分的には2年前の大統領選の前夜、「もしかしたらトランプが当選してしまうかもしれない」と怯えたのと同じレベルです。

 先週の金曜日、保守系朝鮮日報「韓国も核を持とう」という題名のコラムが掲載されました。

 米国が北朝鮮の非核化に失敗し、北朝鮮が事実上の核保有国になったら、日本とて黙っているはずがない。日本も核を持つ状況が来る。そうなったら、北東アジアは中国・日本・ロシア・北朝鮮の4カ国いずれも核保有国になり、唯一韓国だけが核を持たない、寄る辺の無い身になる。
 
 私は私で、半島に核をもった統一朝鮮ができたら、東アジアで核を持たない唯一の国、日本も核を持とうという世論が高まるかもしれないと恐れていましたが、韓国は韓国でこういう考え方をするのかと妙に感心したりしました。
 いずれにしろ韓国も日本も、「位置について」とスタートラインに指を置く直前です。

 トランプ大統領は、しかしそんなことは意に介しません。
 そうした意味でも、私は怯えています。

 よい週末を!