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「いよいよ卒業式」~”みなさんのおかげでここまで育ってきました”と納税者に披露する日

 いよいよ明日は卒業式です。

 卒業式は正式には「卒業証書授与式」といい、卒業証書を授与することが中心的な儀式となります。

 卒業式が学校行事の中できわめて異質なのは、この行事ひとつだけが学校(学校長)主催の式ではないということです。明確な位置づけはないのですが、主催者は教育委員会、もしくは教育委員会と学校(学校長)との共催といった形を取ります。ですからこの会だけは、教委代表者は学校長と同じステージ向かって左に座ります。入学式も含め、教育委員会が校長側にいることは絶対にありません。また、地域によっては来賓の先導も教委代表者だというところもあります。

 この日教頭は校長に代わって「学事報告」を行いますが、これは学校が教育委員会に向けて行う業務報告です。また、今はそう言わないところも増えてきましたが、卒業式における教育委員会代表者の言葉は「教育委員会告示」といって、単なるあいさつではなく、教育委員会が「キミたち(卒業生)の卒業を認める」ことを告げる、という意味での告示なのです。したがってかつては証書授与の前に行われるのが普通でした。

 そうなると、なぜそんなに教育委員会は偉いのかということになるのですが、答えは簡単です。それは、学校に金を出してくれる市民に成り代わってそこに立っているからです。

 子どもが0歳から18歳まで成長する間に使い果たす税金は、軽く一千万円を超えるといわれています。その金は、子どものない人や、時にはとても貧しい人からも集めた金なのです。それを何百万円も使って卒業していくのですから、学校は市民に報告の義務を持ち、卒業生はそれなりに立派に成長した自分を明らかにしなくてはなりません。

「みなさんのおかげで、とりあえずここまではりっぱに育てていただきました、育ちました」と、胸を張って披露する日なのです。

 さて、明日はどうでしょうか?