カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「自由のために!」~必要なのはやはり努力だという話

 3年生最後の授業を終えました。最後にこの子たちに贈る言葉は何かと考えたとき、結局言えることは、
人間は自由であるためには実力が必要だ
ということです。

 例えば、学力で完璧な実力を持つ者は、3年後、自由に大学を選ぶことができます。学力に比例して選択の幅は狭まっていき、勉強が全くダメだと「選ぶ」ということ自体ができなくなります。

 例えば、バスケットボールを自在にコントロールする実力を持つ者は、自由に試合に出ることができます。補欠としてベンチにじっと座っている不自由を味会わなくて済みます。自由に試合を支配し、好きなように敵を翻弄できるはずです。

 大金を持っていることも、それなりに実力です。金を持っていれば、ものを買うときに困りません。財布と相談する必要も、買ったあとの収納場所について悩むこともありません。実際にそうするかどうかは別にしても、何でも好きなものを好きなだけ買うことができます。

 素敵なお店やおいしいレストランをたくさん知っていれば、デートの時に困りません。迷いや悩みからすっかり自由でいられます。
 楽器を存分に弾きこなせる実力があれば、自由に曲を演奏できます。

 そして実力さえあれば、自由に職業を選べます。

 そう考えると、私たちの仕事は、生徒の将来の自由を守るために実力をつけることだと分かってきます。子どもたちにしても、そんなすばらしい自由を手に入れるために、今の少しばかりの不自由なんて少しも苦にならないと、そんなふうに思ってもらわなくてはなりません。
 
 さて、卒業まであと10日あまり、十分に実力をつけてあげられなかったこの子たちに、その思いだけは伝えて送り出しましょう。