カイト・カフェ

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「神無月」~古代出雲の大社の話

 10月に入りました。昔流の言い方をすれば神無月(かんなづき)です。

 この月は全国の神様が出雲に集まって会議を開くので神のいない月(=神無月)というのだということは、中学や高校で教えてもらったと思います。だったら出雲地方で10月は上有月かというと、実際にその通りで、島根県では代々10月は上在月(または上有月)といいます。
 おまけに、出雲大社に行ってみると本殿の周辺に、掲示板に棚をつけたような変な造形物がたくさんあって、説明を聞くと10月に集まってきた神様がそこに座るのだと教えてくれます。名前も「長屋」というのだそうですが、実際に10月になるとそこに何かが置かれるというわけではないようです。

 現在も出雲大社本殿は巨大な建物ですが、平安時代まではさらに大きく、奈良東大寺大仏殿をしのぐ48m(ビルの12階建て分の高さ)があったと考えられています。(下の想像図)

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 ついでに、
 平安時代といえば怨霊と呪術と占いの時代です。神無月と聞いて当時の女性が最初に思いついたのは「髪無月」という言葉だったらしく、この月に髪を洗うと髪が落ちるといった迷信が流布し、貴族の家などでは丸一ヶ月洗髪をしなかったりしています。ですから部屋の中は大変臭い。お香が焚かれ、香道などという優雅な楽しみが流行するのは、そうした室内の悪臭を前提としていたようです。
(書くことがないので、今日はそういうお話をしました)