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「子どもサポートプランの同床異夢」~不登校問題に携わる人々が集まったが目標が一致しない

 昨夜は「不登校支援『チームN』 第四回C市 語る会」という会合に行ってきました。
 内容は、一人の不登校生を中心に、福祉事務所のケースワーカーフリースクールのスタッフ、中学校の自律学級担任の3者が連携しあって支援していこうとした体験発表と、後半は参加者のグループ討議。参加者は70〜80名といったところでした。

 「チームN」は、学校・教育委員会フリースクール・親の会の代表者からなる不登校支援組織で、全県に7チームある組織の中ひとつです。その元となったのは二年前に県教委に召集された「支援推進会議」で、それまで別々に活動していた学校・フリースクール・中間教室等の連携を図り、不登校の児童生徒を支援していこうという県の施策によってつくられました。2004年9月の第1回推進会議では不登校経験者の高校生など6名が委員に委嘱されたので、その記事を覚えておられる先生もおありかと思います。

 ただしこの支援計画、いざ具体化してみると非常に困難な問題が残りました。それは「目標が一致できない」という極めて本質的な、そして深刻な問題です。

 県の推進会議の議事録を見ると分かるのですが、6人の若者を中心としたフリースクール代表者の側は支援計画の目標を「安心して不登校を続けられる体制づくり」に置いているのに対し、学校・中間教室側は飽くまでも「学校復帰」が目標なのです。この問題は「チームN」の組織づくりの時にも中心的課題となり、結局「学校復帰が最終目的ではない、本人の自立が問題だ」というところでかろうじて妥協を生み出すことができました。

 昨夜も、不登校で悩む母親に対して「絶対大丈夫よ! 家でゴロゴロしていることが大切、そうやってゆっくり休んでエネルギーの溜まるのを待つことが大切!」といった言い方が、声高に語られる場面がありました。なかなか納得しがたい理論です。
 人間はロボットではないのですから、エネルギーが枯れると動かなくなり、エネルギーを充填すると動き出すというようなものではないと思うのです。また、待っていればエネルギーが溜まるという論理も分かりません(待つことが不登校解決のひとつの方法だということは分かりますが、エネルギー説というのが分からないのです)。
 なかなか難しい問題ではあります。