カイト・カフェ

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「私には、わからない・・・」~再生エネルギーの眉唾な話

 昨日のニュースの次のようなものがありました。
 経済産業省有識者会議「調達価格等算定委員会」(委員長=植田和弘・京大大学院教授)は25日の会合で、7月に導入する「再生可能エネルギーの全量固定 価格買い取り制度」の原案をまとめた。次回会合で正式決定する。焦点の電力会社が発電事業者から買い取る際の価格は、太陽光発電が1キロワット時当たり42円、風力発電が同23.1〜57.75円など。買い取り期間は15〜20年とした。発電事業者の要望に近い価格水準とすることで、再生エネの普及を目指す。(中略)委員会では、発電所の建設費や運転維持費に利益率6〜8%を上乗せする形を基本に価格や買い取り期間を算定した。(中略)住宅での太陽光発電は全量買い取りとせず、居住者が使う分を除いた余剰発電分を電力会社に買い取らせる現行制度を10年間維持する。電力会社が買い取った分は電気料金に上乗せされるため、買い取り価格が高くなれば、利用者には負担増となる。
 これによって現在総発電量の1%しかない再生可能エネルギーは、2020年までに最大24%になるといいうのです。けれどそれが望ましい方向だとは、どうしても思えないのです。

発電所の建設費や運転維持費に利益率6〜8%を上乗せする形を基本に価格や買い取り期間を算定した」
 これは何百億円も使って施設をつくり、何億円もの資金を運転維持費に当てても、その全額は必ず返ってくるということです。その上6〜8%の利益も保障してくれるですからこれは100%完全に儲かる、安定した投資ということになります。ソフトバンク孫社長のように裕福な企業家が飛びつかないはずはありません。

 私たちの使う電力は普通(基本料金を除くと)1kwあたり17円〜22円ですから、太陽光発電の1kw42円というのがいかに高いか一目瞭然です。その差額は「電力会社が買い取った分は電気料金に上乗せされる」ということから利用者が支払うことになります。孫社長の儲けは、私たちが強制的に払わされるから保障されているのです。

 もちろんそれがいやだったら自らソーラーパネルを屋根に上げて売電の側に回ればいいのですが、誰もがパネルを設置するだけの屋根と資金を持っているわけではありません。
補助金があるじゃないか」という言い方もありますが、補助金をもらってパネルを上げられる人はまだしも、それもできない人は二重の損です。なぜなら誰かがもらったその補助金は、もとを質せば私たちの税金だからです。

 結局、金も屋根もない人は、孫社長や屋根持ちに電気料というかたちで金を渡した上に、補助金というかたちで設置資金まで差し出しているのです。そんなことが「夢物語」のように明るく語られていいのでしょうか?

 しかもそうやって生み出した24%の発電量(それでも原発分を10%ほど下回る)は、文字通り太陽まかせ風まかせですから、まったく当てになりません。これが夢だとしたら悪夢でしかないように思うのですが、みんなが歓迎している以上、私がどこかで間違えているのでしょう。

 昔のダイオキシン問題と同じで、かつてあれほど強く言われた「温室効果ガス」について、今はだれも何も言いません。結局「地球温暖化」はガセだったのでしょう。今回の「再生可能エネルギー24%」も眉唾です。

 今や私は、エネルギー問題や環境問題に関する、どんな情報も信じられなくなっています。